平成20年度梅花流全国奉詠大会 (福島)


5月28日と5月29日の2日間、福島市の県立あづま総合体育館において、平成20年度梅花流全国奉詠大会が開催された。
あづま総合体育館は西に吾妻連峰を望み、東に阿武隈川が南北に流れる緑豊かな会場で、木漏れ日の中を歩いて行くととても気持ちが良い。
 
会場:「あづま総合体育館」  
初日は晴れのち曇り、2日目はあいにくの雨となったが、気温は肌寒い程度で、全国から集まったのべ1万1千人の講員さんたちの入った会場内では、福島の人びとの温かい歓迎とあいまって、寒さを感じることはなかった。以下に、大会会場のもようを報告する。
全国各地より大勢の方にご参加をいただきました  
   

開会式

午前9時55分。会場に大梵鐘が響きわたる。最後の1声が余韻をともなって消えていくのと同時に、スクリーンに大写しにされた囲炉裏の炎の映像と共に、ステージ中央に上った野口シカ役の女性が子どもたちに野口英世の物語を語るというオープニングが始まった。そのままの流れで献灯献華は、1日目は福島ルンビニー幼稚園の園児たちが浴衣姿で、2日目は福島わかくさ幼稚園の園児たちがお揃いのTシャツで舞台に立った。
  献灯献華:ルンビニー幼稚園(28日)・わかくさ幼稚園(29日) 両園児の皆さん
続いて副大会長の河村松雄伝道部長が開会のご挨拶。
 「さきほどのオープニングではこの福島県が生んだ世界的医学者野口英世博士のお母さん、野口シカさんの、我が曹洞宗への深い信仰心と、我が子に大やけどを負わせた自責の念から全身全霊を傾けて博士を育てられた姿が紹介されました。親が子を子が親を殺めるといった今日の世相を思うとき、親が子を思い子が親を思う真情は私たちに深い感動を呼び起こします。まさに渕宗務総長の提唱される親子の絆の理想を見る思いがいたします。56回を数えるこの大会で日頃同行同修の成果が会場に響きわたり、ご参加いただきました皆さまお1人おひとりが曹洞宗の檀信徒であり、また梅花講員であるという誇りと強い連帯感を共有し、心に残る大会となることを願うものであります。それではただ今より平成20年度梅花流全国奉詠大会を開会いたします」河村部長はこのように述べ、力強く開会を宣言した。
 
副大会長・河村松雄 伝道部長による開会宣言  
   

法要・式典

『修証義御和讃』斉唱の中、内局・役員両班が入場。吉岡棟憲福島県宗務所長を先導師に、御先導師は渕英德宗務総長がおつとめし、法要大導師の曹洞宗管長福山諦法禅師が入堂された。禅師が正面の席に就かれ、拈香法語。三帰礼文唱和のうちに、舞台の上では三帰三拝。続いて『般若心経』がお勤めされ、その後、森山祐光、中森正弘両詠讃師により、『大聖釈迦牟尼如来讃仰御詠歌(高嶺)』がうやうやしく奉詠された。
  詠讃師・森山祐光(左)と中森正弘(右)
回向、普同三拝の後、禅師は客席へと向きを変えられ、会場のみなさまと親しく相見の拝を交わされた。
ご垂示をされる福山諦法禅師さま
続く「御垂示」では、「皆さまおはようございます。皆さまには、本日の梅花流全国奉詠大会にご参加くださいまして、誠にありがたく厚く御礼を申し上げます。
 『峰の色 渓の響きもみなながら わが釈迦牟尼の聲と姿と』という御歌のとおり、御詠歌とは、お釈迦さまをはじめとして、道元禅師さま、瑩山禅師さまや多くの御祖師さまの御教えを、やさしい言葉に変え、更にお唱えしやすくするために、お言葉に節を付けたものでありましょう。ですから皆さま方は、御詠歌をお唱えしているうちに、知らず知らず仏教の真骨頂を口にしているわけであり、誠にありがたく、また尊いことなのであります。
正しく座ってお唱えすることはもちろんですが、おひとりでお家にあってでも心静かに、お唱えしていただけたならば、我が身ながらに尊くお感じになり、御祖師方のお示しのままに、心穏やかに1日1日をお暮らしいただけることと思います。
 禅で申します日々好日、安心の報恩行ができると信じ、同行同修の仏行をお勤めくださいますよう、どうぞこれからも一生懸命、詠道のご修行に励んでください。」と述べられた。

ご垂示をされる福山諦法禅師さま
「達磨大師御詠歌(廓然)」お唱えのうちに禅師が退堂され、舞台は式典に移る。
 始めに、大会長である渕宗務総長が挨拶。「花香り青葉を渡る風がすがすがしい今日。ここ福島市、県営あづま総合体育館で、平成20年度梅花流全国奉詠大会が盛大に開催できますことは、無上の慶びであります。本大会の実施に当たりご尽力いただきました地元福島県の皆さま梅花講関係各位に対し深甚なる謝意を申し上げる次第であり、これもひとえに講員皆さまの日ごろからのご精進の賜と心より感謝を申し上げます。(中略)曹洞宗では現代社会が抱える諸問題に『深めよう み佛の絆を』をスローガンに掲げました。『み佛との絆』『先祖との絆』『家族との絆』を大切に、1人ひとりの、相手をおもいやる心を深めることから始めるべきと考えております。
さらに宗門が提唱してまいりました『人権・平和・環境』においても『絆』を心の軸としてさらに梅花流詠讃歌を通し、国内はもとより全世界が平穏となるよう、教化活動を力強く展開することを改めてお誓い申し上げるものであります。
大会をとおして、梅花講員ならびに曹洞宗檀信徒の皆さまの生きとし生けるものを尊び支え助け合う心が、世界中の人びとの心と深い絆で結ばれることを願っております。
重ねてになりますが、今大会にご尽力いただきました地元福島県のご寺院さまはじめ講員の皆さまと、大会関係者各位に厚く御礼を申し上げ、ご挨拶とさせていただきます」と述べ、地元関係者の方がた及び大会関係者各位に、謝礼の言葉を述べた。
大会長・渕 英德 宗務総長の挨拶 歓迎の言葉・吉岡棟憲宗務所長の挨拶
これに対して地元を代表して吉岡棟憲福島県宗務所長から、福島県の梅花講員さん全員ご起立の上、心のこもった歓迎のご挨拶が述べられた。
次に福島県の講員を代表して、1日目は今村キヨさんが、2日目は佐藤美仁子さんが「お誓い」挙唱司をつとめ、「私たちは梅花流詠讃歌を通して正しい信仰に生きます。」「私たちは梅花流詠讃歌を通して仲良い生活をいたします。」「私たちは梅花流詠讃歌を通して明るい世の中をつくります。」の3か条が唱和された。
お誓い・今村キヨさん(第1日目) お誓い・佐藤美仁子さん(第2日目)
   

追悼奉詠

舞台が暗転し、スクリーンに故永田正道正伝師範の遺影が映し出された。生前の功績を称えるナレーションの中、梅花講審議会と専門委員会からなる方たちが登壇し、粛々と「誓願御和讃」が奉詠された。
故 永田正道 正伝師範追悼奉詠  
故永田正道師範は、昨年11月8日に遷化された。昭和40年に「地蔵菩薩御和讃(慈念)」を、さらに昭和51年には「誓願御和讃」の作曲をされるなど、梅花流の発展に多大なるご尽力をされた。
   

登壇奉詠

司会の西村眞典・片岡修一・鈴木恵道各師が自己紹介。祝電が披露された。
いよいよ全国各地から集まった講員による登壇奉詠の始まりである。
 両日とも14組の各県宗務所の代表が登壇。1組目と14組目は地元福島県の講員方が登壇され、その人数は500人以上となった。また、2日目にはハワイのヒロ大正寺梅花講も登壇奉詠を行い、はるばる太平洋を越えて参加してくれた皆さんに対して、会場からひときわ大きな拍手が送られた。
  司会の片岡修一師範(左)、西村眞典師範(中)、鈴木恵道師範(右)
登壇奉詠  
登壇奉詠が終わり、緊張がほぐれたところで、葦原正憲総務部長が会場に向かって、「サイクロンの被害によりミャンマーでは死者・行方不明者が13万人にのぼり、100万人以上の方がたが被災したと報道されています。5月7日に、財政部長、人事部長が日本赤十字社を訪れ、曹洞宗義援金から被災者救援のため300万円を寄託いたしました。
またシャンティ国際ボランティア会は、ミャンマーにおいて、難民キャンプにおける長年の活動経験があり、そのネットワークを生かし、生活支援物資の配布を行っています。この活動の初期費用として200万円を寄託いたしました。
中国、四川大地震は皆さまも報道等でご承知のように、日々被害が拡大している状況です。5月13日に、私と宗務総長、出版部長が日本赤十字社を訪れ300万円を寄託してまいりました。
この未曾有の大災害に対し、SVAは今後さらに現地の状況にあわせた救援事業を行うとのことですし、ミャンマー、中国へは今以上の追加支援が必要になると思われます。
今日、ここでご協力いただいた皆さまからの、募金などはこれらの支援にも十分生かしていきたいと思っております。
重ねて、今、会場内で皆さま方にお願いしている募金活動に対しまして、格別のご理解と、より一層のご協力を賜りますよう、お願い申しあげます」と義援金の勧募を行った。
災害義援金を呼びかける葦原正憲 総務部長 梅花講員の皆さまからの貴い義援金
結果は次のとおり、1日目は2,240,335円。2日目は2,225,017円、合計して4,465,352円の義援金があつまった。
ご協力いただきました方がたに、深く御礼を申し上げます。
   

清興

今年の清興は「民謡で綴るふくしま故郷自慢」と題し、地元の民謡歌手原田直之さんと地元民謡グループ吉田桃媛会によって行われた。
福島県の民謡「会津磐梯山」を始め、東北各地の民謡を歌い、続いて地元保存会による「会津白虎隊」の剣舞、福島県梅花流師範と原田さんの梅花流と民謡のコラボレーションも和やかに行われた。
最後は、会場全員で「会津磐梯山」を合唱し、地元福島県ならではの、とても温かな清興となった。
  地元民謡歌手・原田直之さん
   

閉会式

盛り上がった大会ではあるが、午後2時すぎ、閉会のときを迎える。まず詠讃師の独詠で「坐禅御詠歌(浄心)」が奉詠される中、会場中の人びと全員が心を澄ます静坐の刻を過ごした。
河村伝道部長による閉会のご挨拶。
「曹洞宗管長福山諦法禅師さまのご臨席を仰ぎ、お楽しみいただきましたこの大会。未だ大会の余韻を残すこの会場から名残惜しいことではありますが、いよいよお別れをする時が参りました。
明年は会場を大阪に移し「舞洲アリーナ」で全国大会を開催する予定です。講員の皆さま檀信徒の皆さま方どうぞ、お誘い合わせの上ご参加ください。大阪でも、元気なお顔を拝見できることを楽しみにしております。
最後になりましたが、ご参加いただきました皆々さま、大会役員の方がた、地元福島県宗務所の皆さま、さらにこの大会にかかわっていただいたすべての方がたに、衷心より感謝申し上げます。
皆々さまのご健勝とご旅行の安全を祈念申し上げ、閉会の言葉とさせていただきます。 ありがとうございました。」
最後は会場全員で「まごころに生きる」を合唱し、盛大にフィナーレを迎えた。来年また再会する日まで、みなさまのご健康とご清祥を祈念してやまない。