【人権フォーラム】「同宗連」結成30周年記念式典


去る4月13日、京都市グランヴィア京都を会場に、『同和問題』にとりくむ宗教教団連帯会議(以下「同宗連」)結成30周年記念式典が開催された。
 「同宗連」は、1979(昭和54)年の第3回世界宗教者平和会議における部落差別発言から、宗門のみならず、宗教界全体の部落差別問題への無知と差別体質が問われたことがきっかけで、「教えの根源にたちかえり、『同和問題』解決へのとりくみなくしては、もはや、日本における宗教者たりえない(結成よびかけ文より)」として、さまざまな宗教教団が教義を超えて、部落差別問題を始めとする、あらゆる差別問題の解消を目指して、1981(昭和56)年6月29日に結成された。
曹洞宗は昨年度末まで2年間企画委員長を担当、式典開催に当たっては式典委員長として企画等、中心的な役割を担ってきた。 
午後2時、まず主催者を代表して、日本基督教団の小林眞「同宗連」議長より挨拶があり、この中で「私たち宗教者の人権確立の取り組みは、人権が各教団の人間の理解、救いの理解とどう直結するかが大切だと思います。そして、人権確立の先に一人ひとりの救いを見据えなければならない。ここに『同宗連』の独自性、存在意義があると信じています」と宗教者が取り組む意義について述べた。 
続いて、来賓を代表して組坂繁之部落解放同盟中央本部執行委員長より、「現在でも差別はなくなっておらず、『同宗連』の皆さまには、苦しんでいる人たちには手を差し伸べ、偏見がある人には啓発をお願いしたい。そして、今後も私どもの運動に対して、これまで以上のご支援ご協力、そして人間として、魂の救済についても温かくご指導いただきたい」と挨拶があった。
次いで、第1部・記念講演が行われ、「私の歩んだ道」と題して、野中廣務元内閣官房長官より、自身の被差別体験や国鉄職員を経ての政治活動、また、地元京都での重度障害者授産・養護施設設立の取り組みなどについて、約90分に渡りご講演いただいた。 
休憩を挟み、第2部・式典行事として、まず、世界救世教いづのめ教団の齋藤則夫記念事業実行委員長から挨拶があり、1年前に式典・映像作成・記念誌作成と3つの委員会からなる記念事業委員会を立ち上げたことや、それぞれの苦労などを話された。 
続いて、記念誌『部落差別なき社会をめざして~宗教者のさらなる実践』が、天台宗の大沢玄仁記念誌作成委員長から紹介された。 
その後、立正佼成会の川端健之映像作成委員長から記念DVD『ともに未来へ』が紹介され、約30分上映された。その中で、曹洞宗の被差別戒名物故者追善法要の模様や、差別戒名改正の取り組みなどが映し出された。 
「同宗連」は曹洞宗の取り組みの柱の1つであるが、特に、近年さまざまな人権課題に取り組む上で、「同宗連」を通して築いてきた他教団との繋がりが大きな力となっている。今後も、狭山事件の再審請求など、あらゆる差別の解消に向け、連帯を深めていきたい。 
 

「同宗連」結成30周年決意表明

私たちは、1981年に「『同和問題』解決への取り組みなくしては、もはや日本の宗教者たり得ない」ことを自覚して歩み出し、ここに結成30周年を迎えた。

この間、私たちは日本における最初の人権宣言である「水平社宣言」を重く受けとめ、部落差別をはじめとする様々な差別解消に取り組んできた。具体的には、啓発と次世代への運動の継承を願って各種研修会や現地研修を実施し、また相互の連帯と信頼を図り、課題を共有するために連絡会を開催してきた。さらには時宜にかなった事象にも、積極的な取り組みを行ってきた。

一方、各加盟教団に於いても、それぞれの教義と根本精神に立ち、いのちの尊厳を見つめながら人権が尊重され、心豊かな社会の実現を目指して活動が展開されてきた。

その結果、一人ひとりの差別に取り組む意識が養われたことは運動の成果といえる。しかし未だに結婚差別・就職差別などが後を絶たず、インターネット上の書きこみなどの新しい形での差別事象が起こることは、私たち宗教者のさらなる実践がより求められていることを示している。

私たち「同宗連」は、今後もより深い連帯の中で、神の国・佛の国を願いつつ、人権の確立と恒久平和実現に向けて、一層努力することを決意し、日々の実践に努めることをここに表明する。

2011年4月13日
『同和問題』にとりくむ宗教教団連帯会議