【人権フォーラム】「同宗連」主催「狭山」現地調査学習会


昨年11月24日から1泊2日の日程で、埼玉県狭山市「富士見集会所」を会場に、『同和問題』にとりくむ宗教教団連帯会議(「同宗連」)主催による第26回「狭山」現地調査学習会が開催され、8教団22人が参加、宗門からも7人が参加した。
初日午後1時半、開会式、オリエンテーションに続き、宗門制作の人権啓発ビデオ第7作『狭山事件』を視聴、事件の概略と、問題点を学んだ。
休憩をはさみ、「狭山事件の真相~再審を求めて~」と題して「狭山事件の再審を求める市民の会」鎌田慧事務局長にご講演いただいた。
鎌田氏はまず、足利事件、布川事件をはじめ、近年相次いでえん罪が明らかになっていることに触れ「司法が間違うと狭山事件のようなえん罪が起きることを証明している。そしてえん罪が多くなっている」と述べた。
そして、未解決のえん罪事件のうち、発生から長時間が経過している、名張毒ぶどう酒事件、袴田事件を例にあげ「長時間証拠を隠し続けることは明らかな人権問題」と訴えた。
また、狭山事件の証拠についても「当時の石川さんのように識字能力の低い人が脅迫状という手段で人を脅す発想をするだろうか。電話で事足りるのではないか。また、専門家の証明している鑑定書を裁判官は権力だけで却下している」と指摘した。
最後に「色々な人が運動に参加してくださっているおかげで、最近ではかなり狭山事件の無実性が広まってきた。世論の力がないと、なかなか再審開始にはならない。再審開始の世論を作ることがこの運動の眼目」と更なる連帯を求めた。
続いて、石川一雄さんと早智子さんが登壇。石川さんが「今が一番重要な時期。2度と第2の石川一雄を出さないためにもこの3次で再審を勝ち取りたい」と訴えると、早智子さんは「狭山は他のえん罪事件とは違い、まだまだ大きな壁がある。しかし、明らかに再審へ向けた風は吹いている」とそれぞれ決意を述べた。終了後、2班に分かれて分散会が行われた。
今回、初めて「狭山事件」について詳しく学ぶ参加者も多かったため「多くの疑問を感じた」「司法に問題があるのでは」との感想、また、「署名活動のような地道な取り組みが大切である」など活発な議論がなされた。その後、交流会があり初日の日程を終了した。
2日目は、まず、現地調査を前に映画『造花の判決』を視聴した。
事件発生から半世紀近くが経過していることもあり、狭山市駅近郊は再開発が進み、現在、事件当時の面影を残す場所は少なくなっている。1976(昭和51)年制作の同映画には、出会いの場所や殺害現場などが当時のまま映し出されている。
その後、説明を受けながら、出会いの場所や殺害現場とされる場所、石川さんの自宅(復元)を歩き、約90分にわたり現地調査を行った。
最後に全体会が行われ、分散会で議論された内容の発表をもって全日程が終了した。また、午後には参加者の代表8人が東京高裁、東京高検へ要請行動を行った。
 
3者協議で証拠を一部開示
昨年12月14日、第9回3者協議(裁判官・検察官・弁護団)が開催され、東京高検は被害者のものとされる万年筆、かばん、腕時計に関わる捜査報告書、死体を埋めたとされるスコップに関係する証拠、石川さんの供述調書など14点を開示したが、いまだ重要証拠については「不見当」と回答するなど、十分な証拠開示はなされていない。なお、次回の3者協議は4月に行う予定である。