【人権フォーラム】大本山總持寺「被差別戒名物故者諸精霊追善法要」厳修


被差別戒名物故者追善法要は、これまで大本山永平寺では1981(昭和56)年から、大本山總持寺では1984(昭和59)年から、それぞれ大本山主催で厳修されてきた。そして、2008(平成20)年から、来賓をお招きしての法要は両大本山隔年で開催。今年は大本山總持寺で6月18日にご親修により修行され、部落解放同盟中央本部をはじめ各県連、内局、参議、宗議会議員、関東管区内宗務所役職員など、多くの参列焼香があった。

午前11時打ち出し、江川辰三紫雲臺猊下のもと厳かに追善法要が営まれた。

法要後「かつて宗門は時の権力に加担、部落差別を維持助長してきた歴史的事実があった。これは宗門人として自らの信仰を否定した行為で、決して許されることではなく、事実をしっかり見据え、深く反省し懺悔するものである。

瑩山禅師は、あらゆる人びとの救済をご自身の生涯の信心、根本理念とされていた。いわば、どのような状況下でも、大慈悲心をもって差別のない和合の社会実現のために力を尽くされた。このご開山さまの精神に則り、部落差別をはじめとするあらゆる差別の撤廃、人権尊重の社会実現に向け、日々精進してまいりたい」と紫雲臺猊下よりご垂示があり、散堂となった。

昼食をはさみ、午後1時より三松閣4階「大講堂」にて講演会が開催された。

講演に先立ち、主催者を代表して乙川暎元監院、続いて、佐々木孝一宗務総長より、それぞれ挨拶があった。

そして、片岡明幸部落解放同盟埼玉県連合会執行委員長より「プライム事件の経過と課題」と題した講演が約1時間にわたり行われた。

「プライム事件」とは、身元調査に関連した戸籍・住民票等の不正取得事件。プライム社という法律事務所が、探偵会社、司法書士、元弁護士などと結託、他人の戸籍・住民票を不正に取得していた。2011年11月に警察官の戸籍不正取得容疑で5人が逮捕され明るみにでた。

裁判の経過から、身元調査の全国的なネットワーク組織で3年間で2億3000万円あまりを稼いでことなどが明らかになった。

片岡氏は、事件から、「身元調査事件は繰り返し起こっており、決してなくなっておらず、組織的なネットワークが今も生き残っている。9割が結婚相手の身元調査だが、その他にも、別れた相手へのストーカー行為、捜査妨害のための警官の身元調査の実態もあきらかになった」と指摘した。

そして、身元調査の根絶のための具体的な方策として「まず、プライム事件の全容解明と、客から依頼を受ける末端の興信所の実態解明が急がれる。そして、知らない間に戸籍が取られてしまうので、被害を広げないため本人に被害実態を通知してほしい。

これと関連して、本人通知制度を裏付けるための戸籍法、住基法の改正も必要である。本人通知制度は現在、200近い自治体で採用されており、さらにこれを広げてほしい」と述べた。

最後に「逮捕されたのは興信所の関係者だが、依頼があり調査する以上、客が必ずいる。依頼をする人びとがいるから商売が成り立つ。なので、学校や企業、さまざまな組織、宗教団体などでの啓発を通して、こういうことの起こらない社会を作ることが大事だと思う」と締めくくった。