【人権フォーラム】平成26年度 第1回全国人権擁護推進主事研修会


9月1日から3日にかけて、2泊3日の日程で、曹洞宗檀信徒会館において全国人権擁護推進主事研修会が開催された。

1日目は、部落解放同盟中央本部書記長の西島藤彦氏より「原点に戻ることが重要‐過去帳開示問題と宗教教団のとりくみ」と題して、講演いただいた。

はじめに、1969年から33年続いた同和対策特別措置法が終了してからも、部落差別問題が解消していない点を述べられた。

「残念ながら社会には身元調べということに重きを置いておられる方が沢山おられます。私の知り合いの大阪の興信所に聞いたところ、九割以上は相手の身元を調べてほしいという依頼であります」と述べられた。

また、近年に様々な宗派の寺院が過去帳を閲覧させた事例にも触れ、過去帳閲覧禁止の徹底を求め締めくくった。

その後、5名の人権主事より4年間を振り返って人権主事として自身が取り組んできた経験談や、現在問題となっている差別問題についての所感等、様々な感想、意見を述べられた。

2日目は、日本アビリティーズ協会会長の伊東弘泰氏より「障がい者差別と人権‐宗教者の役割とは何か」と題して講演いただいた。

最初に、昨年に国会で成立した障がい者差別解消法について何故必要なのかというところに触れた。

「私たち障がい者は、日本国憲法に違反するような差別を受け続けてきました。しかし、裁判官の判断は法律に書かれていることの適正が有るか無いかだけです。そこには個人的感情だとかそのようなものは受け入れられない世界であります。結局憲法は裁判としての法律の根拠にはならない。これが一番問題となっていたんですね。ですから障がい者差別解消法が必要だったのです」と述べられた。

また、宗門に期待したいことは、「各地域での拠点として差別を解消していく役割を荷っていただきたいと思っております。福祉を正しい方向に活動していくにはやはりお寺さんの力というのは非常に大きなものがありますので、皆さま方がそういう活動に関わっていくなかで地域は変わっていくと思います。デイサービスのようなことをお寺さんもやっていただいて、高齢者の方も障がいのある方もお寺に来る時に配慮がある。そういう場面を作っていただきたいと思います」

講演終了後、3班に分かれて日本アビリティーズ協会の指導の下、障がい者体験学習会が行われた。

その後、アビリティーズ・ケアネット(株)取締役の緒形晃氏より「障がい者当事者の日常体験から‐気づかぬ『差別』も含めて」と題してご講演いただいた。

氏は17歳の時に交通事故で下半身不随となり、40年続く車椅子生活を通して感じたことを訴えられた。

「車椅子でバスや電車を良く利用する方がおりますが、非常に神経をつかっております。バスでいうと車椅子も乗れるようになったのですが、バスを止めて、運転手が降りてきてそれからスロープが降りてきてその間ずっと乗客が待っているんですね、窓が開いているから風も入ってきます。そういう時に視線を感じるんですよ凄く。非常に心苦しいんですけれども、どうしてもそれを使わないといけないときがあるんです。その時にいらいらさせちゃったりすると、どうしたらいいか分からないんですね。そのときにやさしい言葉を1ついただけると、とてもありがたいなと思うんですね。つまり障がいを持っている僕たちは普通に生きようとしていて、普通に生きてはいるんですけれどもやっぱり見えない所で差別と言うか、面倒くさいなと思われたりすることもあって、そのことが非常に気になっている。逆に言えば障がいを持っている人たちも邪魔にならないように注意を払っている。本当はこれは良い話では無いんです。これは一緒に生きている社会では無いんです。障がいを持っている人たちも普通に生きられるような社会を作っていただきたいと思っております」 

最終日に全体会にて各分散会の意見を集約し、全日程を終了した。

      

(人権擁護推進本部記)

 

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