【人権フォーラム】平成25年 第2回人権啓発相談員協議会報告


2014年1月20日から21日までの日程で、2013年度第2回人権啓発相談員協議会が開催された。

20日に神奈川県第383番観音寺を会場に行われた講演の概略について紹介する。
「在日外国人の現状と課題」と題して、NPO法人在日外国人教育生活相談センター「親愛塾」センター長の竹川真理子氏にご講演いただいた。
氏はまず、親愛塾が設立された経緯について説明した。

「1978年の秋だったと思います。現在はもう解消されておりますが、当時日本に住んでいる外国籍の子どもたちには就学通知が来ることが無く、悩まれた保護者さんが沢山おられました。そしてお父さんお母さんがたが、自分の子どもたちに民族の誇りを持たせて欲しい。子どもたちにありのままの自分を受け入れて欲しいという願いにより、できたのが親愛塾です」

次に学習の問題について述べた。
「親愛塾で一番大切にしていることは子どもたちの生活を守ろうということです。うちに来た子どもたちのほとんどは、日本語の理解度が低いです。それがある程度しっかりしていないと、勉強にもついていけない。親愛塾では様々な国籍の子どもごとに、一番馴染みのある言語を用いながら基礎を教え、徐々に日本語を使いながらの授業を行っております」

また、安定した生活を送らせるために生活保護の提案をするが、難しい現状はあると述べた。「外国籍のお母さんの中には、生活保護を貰いたくないという方もおります。というのは、生活保護を貰うことによって、将来的に在留資格の中の一般永住権が与えられにくいという現状があります。日本政府は生活保護を貰っている家庭に対しては定住1年、または3年で良いじゃないかと言います。例えば、一般永住権を持っていると、銀行でお金を非常に借りやすく、金利も安いです。一般永住権を持っているということは、日本でこれから長く住んでいく方にしてみれば非常に大事なことなのです。ですから生活保護は要らない、生活を切り詰める、という考えになるのです」

次に様々な機関との連携の重要性を述べた。
「親愛塾は、セーフティネットとしての機能も果たしておりまして、地区の民生委員さんや児童委員さん。それから弁護士や学校、区役所等の関係団体との連携は欠かせません。私たちだけでは解決できない問題もありますので、協力していただかないとなりません。そして特に一番大事にしているのは、町内会です。地域の中でやっておりますので、地域の皆さんが認めていただかないと、こういう活動はうまく進んでいかないので、連携を欠かさないようにしております」

最後に次のように聴講者へ協力を訴え、締めくくった。
「年々相談の内容も大変になってきております。複雑で解決できないような問題ばかりです。その問題を少しでも解決に近づけるためには、皆さんがたの協力が必要になっております。私はその裾野を広げるために、講演は積極的に受けるようにしております。皆さまがたご自身の現場に帰られましても、是非覚えておいていただきたいと思います」

次に「今日の部落差別と部落解放運動のこれから」と題して、部落解放同盟神奈川県連合会・横浜市協議会事務局長の根本信一氏にご講演いただいた。

氏は人権問題に対する若年者の意識についての懸念を述べた。
「飯舘村に行った在日の大学生ですけれども20代で本当に覚悟がいるなと思うのです。在日という問題を社会的問題として前に出さないのですよね。あまりそのことは問題にならない。まあ本名問題で大論争、飲みながらスタートするのですけれども、やっぱり中々お互いに最後のところで違うなという感じはします。でも被曝の問題については非常に考えているのですけれども、在日問題については、社会の問題として中々考えてくれない。私たちはそれをどう克服していくのか、解放運動の中でもいま若い人たちが全然入ってこない。それでただ差別を受けてもやっぱりそれは自分の問題として自分の中に収めてしまうということが多くて、なかなか若い人たちが運動に参加する機会が少ないです。若くして参加している人に聞いてみても、親父に言われてとか本当に少数。親に反抗してきたので、絶対に親の意見を聞かないという人も多いです。それでも時々来てくれるのですけれども、やっぱり社会問題としての部落問題として中々見てくれないです。これは大きな私たちの課題だとおもっております」

また、自身の中にあった差別性について反省したことを述べた。
「ある作業所で、自分がちょっと部落の問題を話してくれとなったときに、障がい者に対して何気なく、部落の人たちは差別されているけれども、江戸時代や中世には庭を造ったり精巧な細工を作ったりということを言おうとしたんですね。でも障がい者の人たちはどういう仕事をしていたかといえば、解体の仕事ですとか本当に単純作業しかできないですし、してないですよ。そのときにふと言葉に詰まったんですよ。それで本当に自分の差別性を問われたということを非常に感じまして、障がい者の人に我々これだけできるんだぜということが相手にどういう痛みを与えるのかを本当に考えないで言いそうになりました」

自身の経験から、今後の解放運動の指針を述べ締めくくった。
「ネットワークといいますか、そういうのを作っていかなければいけないなと、お互いの差別というか、どういう差別なのかということをもう1回問いかけながら、特に部落差別は地域の差別なんで色んな関わりがあると思います。そういう関わりの中で自分達の解放というのは一体なんなのかということを本当に考えないといけないですし、そういう人たちとの連携をしていかなければ部落の解放につながらないんじゃないか。しかしはっきり言ってそういうことを考えている人は少数なんですね、でもこれからの解放運動を考えていく上では重要だと思います。

お互い被差別者とのつながりという運動を小さくてもいいからこれから作っていきたいと思っております。これからもよろしくお願いします」

(人権擁護推進本部記)

 

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