【International】曹洞宗梅花流創立60周年記念奉讃大会参加報告


この度、北アメリカからは実に25年ぶりに梅花大会へ参加する事となりました。1965年の禅宗寺梅花講創立以来、2度目となる大きな出来事です。ここ数年、禅宗寺の梅花講は、ご主人を亡くされた方、仕事を退職された方、それに現地アメリカ人の方などの入講が相次ぎ、それに感化されてベテランの方がたも影響を受け、活動が活発になってきていました。そこへ、梅花流創立60周年記念奉讃大会のお話があり、大会参加を目標に、熱の入った修練が続けられてきました。
ロサンゼルス在住の日系の方がたにとって、日本で行われる大会への参加は、それぞれに思い入れもあります。数10年ぶり、または初めて日本を訪れるという方もあり、さながら修学旅行を心待ちにした子どものような興奮がありました。しかしながら、今回の参加者20名の平均年齢は72歳。中には80代後半の方がたも含まれていますので、長旅による時差、生活習慣の違いなどを考えると、出発前から健康面等の不安を抱いていました。
5月27日、12時間の長い空の旅の末に到着した成田空港では、日本独特の湿気に、待望の日本の地を踏んだ実感が沸き、皆満面の笑顔で空気を体いっぱいに感じていたようでした。
明けて5月28日には、今回参加のハワイ、北アメリカ、南アメリカ国際布教総監部主催による、合同講習会が開かれました。梅花流の指導者がいないロサンゼルスで練習を重ねてきた私たちにとっては、この大会前の講習は不安な部分を埋める、大変貴重な時間でした。また、講師をお務めいただいた佐賀県東光寺住職の丸田祥寛師範のご指導は、親切で分かりやすく、言葉の壁を越えてあたたかく伝わってきました。おかげで29日大会当日の朝を、みな不安もなく、さわやかに迎える事ができました。
海外からの参加者一同
幕張メッセの中へ足を踏み入れると、その広さと人の多さに一同びっくりです。こんなに大勢の方が、梅花を修行している事、そして自分たちがその輪の中の1人である事、それは、その場に立って初めて実感できる同行の喜びでもありました。
一同の興奮が高まる中、大会の幕がいよいよ開きました。大会事務局のご配慮で、献灯・献花ならびに挙唱司を禅宗寺梅花講員が務めさせていただきました。何しろ6千人の大観衆の前での事ですので、緊張するのではないかと、見守る側も気が気ではありませんでしたが、舞台上での楚々した姿、朗々とした声に、この場に居合わせる事ができた実感と歓びがこみ上げて、皆、目頭を熱くしました。舞台から戻った講員さんに、「緊張しませんでしたか。」と尋ねると、こんな素晴らしい機会を与えていただいた事への感謝のあまり、緊張する余裕がなかった、という返事が返ってきました。
国際合同講習会の様子 献灯献花をする禅宗寺梅花講員
また法要では両大本山の禅師さま、式典では宗務総長のお姿を拝し、海外ではこれだけの方がたが一同に会する事はありませんので、自然に合わされた参加者の掌が下がる事はありませんでした。
私たちの登壇は6番目。スタッフの方がたの手際良い誘導と、暖かい後押しであっという間に壇上の人となり、海外から参加の一同は皆登壇することができました。この「皆」の中には、この登壇を心待ちにしながら、出発の10日前に急逝された講員さんも含まれていました。
この方は、大会に向けて一生懸命こつこつと練習を重ね、「30年ぶりの帰国だから、息子がファーストクラスのチケットをプレゼントしてくれたのよ」と、誰よりもこの登壇を楽しみにしていた方でした。故人の想いとともに海を渡った私たちに対して、大会事務局からのお心遣いとご配慮により、遺影と位牌、そして法具という姿で一緒に登壇させていただけました事は、私たちにとって何よりもありがたく、嬉しい事でした。「同行御和讃」「同行御詠歌」の奉詠が終わったとき、私たちは「同行」の意味を改めて学び、「同行」の法悦を知りました。
遺影とともに登壇
大会後、私たち北アメリカから参加の一行は宗務庁を見学、その後大本山總持寺さまへ参籠し、禅師さまに拝問いたしました。それから滋賀県長浜市を経て大本山永平寺さまへ参籠し、最後は山中温泉で旅の疲れを癒して帰国。8日間の旅は楽しい思い出とともに、梅花流を通じたさまざまなご縁に支えられ、終える事ができました。みな無事に帰って来れた事にホッとしていると、出発前に「今回の大会が最後よ」、「冥途の土産に……」と言われていた方がたが、「70周年も私は行きます!」と力強く言われたことに驚き、また歓び、梅花流詠讃歌を通しての布教の可能性を改めて感じている次第です。
最後になりましたが、今回の梅花流創立60周年記念奉讃大会参加に当たり、多大なるお力添えをいただきました、伝道部詠道課、教化部国際課の皆さま、そして大会運営スタッフの皆さまがたに対しまして、この場をお借りして、深く御礼を申し上げます。

(北アメリカ国際布教総監部 書記 小島秀明記)