【International】南アメリカ国際布教総監部管内巡回報告


ただまさに、やわらかなる容顔をもて一切にむこうべし
 
平成24年8月30日より9月19日まで、管長猊下の「おことば」を携えて南アメリカのブラジル連邦共和国に渡伯をさせていただきました。 
入植当時の日系移民の方がたのご苦労を知り得れば知り得る程、不安はつのるばかりでしたが、何より釈尊のみ教えが幸せの軸であり、「慈悲」のみ教えをお伝えすることが出来ればとの思いでした。
「苦しみは歓びをつくる」涙でにじんだパンをかじられながら、幾度も幾度も大変なご苦労を乗越えてこられた皆さんが、本当にあたたかく接してくださり、私の不安などは実に小さな取り越し苦労でありました。 
昨年度も南アメリカ国際布教総監部管内の巡回報告が昨年2月号曹洞宗報に掲載されておりましたので、巡回中の詳らかな日程については割愛させていただきますが、総監部がおかれているサンパウロ両大本山南米別院佛心寺さま、ローランジャ佛心寺さま、モジダスクルーゼス禅源寺さま、3ヵ寺での彼岸法要、また参禅会での法話。道中飛行機での移動、時には車で3時間をかけてのフォルモーザ地区、ミランドポリス市、カッポンボニート市、各地に点在するニッケイ会館での法話。ロータリークラブをお借りしての参禅会。また、近くに会館等が無く、礼拝される施設のない方がたの為に棚経をさせていただいたり等など、実に充実した日程を努めさせていただきました。正直連日の移動は大変でしたが、南米の方がたには日常底のことで、特に総監部佛心寺の理事さんの中には片道五時間の行程をバスでたびたび足を運んでくださる方もあり、その篤い信仰と尊い行いにはただただ頭が下がる思いを致しました。

たまたまローランジャ佛心寺さまに拝登させていただいた折、境内に櫓が組まれ、盆踊りが盛大に催されておりました。ともすると日本ではあまり見ることが出来なくなった風景でした。日系の方だけではなく、地域の皆さんがそれぞれに手作りの食べ物を持ちより、その宴は夜中の2時、3時まで続くそうです。

国際布教師さんが教えてくださいました。「この国では人種を語ることはありません。すべての人をブラジル人と呼びます。寛容の国なんです」「これからの南アメリカの仏教は日系人だけではなく、すべての人びとへの仏教となるでしょう」と心強く決意のこめられたお言葉でした。

在伯中、釜田前教化部長も出張先の北アメリカから来伯くださり、何より心強く、有難い限りでした。曹洞宗のみ教えが生活の軸となりますように、法を説く末席の者として、より一層思いを強くさせていただいた巡回でありました。

「ボンジーア」。ブラジルでの朝の挨拶です。単なる「おはよう」という言葉ではなく、「今日一日が貴方にとってすばらしい一日でありますように」お互いの幸せを願う「利行」のみ教えが込められた誓願の言葉を教わりました。「ただまさにやわらかなる容顔をもて一切にむこうべし」尊きご縁に深謝申し上げ、巡回報告とさせていただきます。
カッポンボニート市での慰霊祭にて

パラナ州ローランジャ市 佛心寺

サンパウロ市での地方巡回棚経にて

モジダスクールゼス市 禅源寺
   (特派布教師 武内宏道記)