【International】南アメリカ国際布教総監部ローランジャ佛心寺国際布教師 黒澤慈典


ローランジャ佛心寺はブラジルのパラナ州北部の町ローランジャに位置する海外特別寺院で、山号は洞光山、本尊は釈迦如来です。

元々、パラナ州はコーヒーの栽培が盛んな地域で、戦前から戦後にかけて主に欧州各地から多くの移民が押し寄せました。また日本からの移民の多くもここで苦難の中で開拓を行い、現在でも多くの日系移民が暮らしています。

また、近年は企業投資等でブラジル国内でも経済活動が盛んな地域の一つに数えられる地域でもあります。しかし、70年代に始まった寒波や近年のコーヒー生産コストの高騰によりその産業自体はかなり衰退しているように感じます。

花まつりの様子

その中で、日系の移民は独自の勤勉さや誠実さで成功を遂げた者が多く、特にここパラナ州北部の各市町村には農場経営をはじめ町の経済に強い影響を与える日系人も少なくありません。ローランジャにも現時点ではおよそ300家庭ほどの日系家族が在住していると言われており、ブラジル国内でも比較的日系文化が色濃く根付いた地域と言えるかもしれません。

このような背景から、パラナ州の多くの市町村には日本の既成仏教寺院が多く存在します。当山ローランジャ佛心寺もその中の1つで、パラナ州では唯一の曹洞宗寺院です。

梅花講

宗門における南米への布教は1903年のペルーに始まり、そして、戦後にはブラジルへの布教が始まりました。そんな中、1955年に時の管長であった高階瓏仙猊下ご一行がパラナ州を巡錫されました。多くの日系人は管長巡錫ご一行による法筵に感激し、多くの日系移民が住んでいたローランジャでは当時のコーヒー景気も後押しする形で、当山建立の計画が生まれました。

後の1957年、当時の宗門開教師であった宮城県洞林寺出身の故吉田道彦師は、南米初代総監の新宮良範老師の赴任を機に、ローランジャ在住の日系人の願望と伴にローランジャ開教師に赴任されました。ローランジャでは、幾多の苦難の上に地元日系人と開教師が一体となり、1960年に当山建築委員会が結成され寺院建立に至り、大鑑道光禅師高階瓏仙大和尚を御開山に拝請し、ローランジャ佛心寺の歴史は始まりました。

しかし、1970年当山を建立された開創者吉田道彦師は帰国され、それ以降は宗門開教師(現国際布教師)の就任が一時期を除き途絶えてしまいました。その間、ブラジル国内はインフレによる経済危機やコーヒー景気の陰り等で多くの日系人がローランジャから流出したのに加え、世代交代によって寺院離れが進み、人々の信仰が遠ざかっていってしまいました。

盆踊りの様子

そんな状況の中でも当山の護持会や婦人会による強固な護持の下、55年前からの吉田道彦師の法灯が現在に至るまで守り続けられてきました。

私自身は縁あって、2004年にここローランジャ佛心寺の国際布教師として赴任しました。当山にとっては実に久方ぶりの宗門国際布教師としての就任でした。開山当時存在した檀信徒やそれらの末裔をできる限り探し、現在ではローランジャのみならずパラナ州北部全域で130軒あまりの檀信徒と共に、当山の運営もある程度軌道に乗って来たように思います。

普段は主に開山当時より続いてきた梅花講、2010年に執り行った開山50周年を機に山内の大改修を行い、その際にリニューアルしたサロンでローランジャの日系団体によるイベントや毎年9月に盆踊り等を行っています。

また、年回法要が急増し週末は主に日本の寺院と同じように檀信徒の方々の法事を行っております。

近年は日系世代の交代や、日系人の現地への同化によって日本の習慣になれた者は激減しており、日本で生まれた移民第一世代の家族は私が知る限り数家族しか存在しません。そのような中、ブラジル人の目線でブラジル人の心情を理解しながらポルトガル語で寺院を運営していくことが不可欠です。

これから先も、世代と人種を超えた当山ローランジャ佛心寺の寺門興隆、法燈の護持を祈念いたします。

基本情報

寺院名:ローランジャ洞光山佛心寺
赴任国際布教師:黒澤慈典
住所:Rua Paranagua 325, Rolandia, Estado Do Parana, CEP:86600 BRASIL
電話/Fax :+55-43-3256-2191
E-mail/Web:doko-bushin@uol.com.br
アクセス:ロンドリーナ空港より車で40分
使用言語:日本語・ポルトガル語
宿泊について:不可。寺院近くにホテルあり。

 

行事

朝 課:月、火、木、金:午前6時   水、土:午前7時半
観音講:毎月第3水曜日午後1時(当山婦人会による御詠歌、観音法要)
坐禅会:毎週土曜日午後4時


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