【International】天平山禅堂上棟式


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建築中の僧堂

平成27年6月13日(土)、アメリカ合衆国カリフォルニア州レイク郡ローワレイクの天平山禅堂において、「カリフォルニア・ブルー」とも称される青空のもと、上棟式が盛大かつ厳かに修行されました。

大本山永平寺副貫首南澤道人老師に導師をお務めいただいたこの度の上棟式には、はるか日本からご支援をいただいている方々が駆けつけてくださり、北アメリカ国際布教総監部管内宗侶及び工事関係者など、100名を超える有縁の方々が一同に会しました。

両大本山からは福山諦法禅師並びに江川辰三禅師のご祝辞をたずさえて、それぞれ齋藤芳寛後堂老師、前川睦生後堂老師が来米され、また中村見自教化部長、各国際布教総監にもご参列いただき、それぞれよりお祝いのお言葉を頂戴いたしました。

アメリカ合衆国カリフォルニア州北部、サンフランシスコからおよそ200キロ、自動車で二時間半ほど北東へ移動した場所に広がる丘陵地帯で、天平山禅堂の建設工事は進められています。敷地面積は約111エーカー(13万5千坪)、東京ドームに換算すると約9.5個分の広さに相当します。完成後は仏殿、僧堂、庫院、山門という主だった建物すべてが廻廊で繋がれ、木組の日本建築を基本とした天平様式の伽藍を配した修行道場となる予定です。

僧堂は、間口一二間、奥行九間の大きさで、函櫃付き一畳単による四板単構成。長連牀、外堂は半畳単となり、総単数は内堂、外堂合わせて六八単という規模となります。これは古則に準じた伝統的な僧堂安居修行生活を送ることを可能にすることを目指すものであり、加えて伝統的な日本文化の輸出という側面もあります。

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積み上げられた製材

建築に使用される木材はすべて日本のヒノキ材で、日本の地で数年前より製材されたものです。平成26年4月に静岡県清水港を出向したコンテナ四六台分の製材は太平洋を渡り、1年前にここカリフォルニアの地へと届けられました。

今を遡ること93年前、大正11年に磯部峰仙師により北アメリカに曹洞宗の教えが伝えられました。それから先人開教師、国際布教師たちの揺ぎない道心と精進により、曹洞禅は着実にこの地へ根を下ろしております。ロサンゼルスの両大本山北米別院禅宗寺、サンフランシスコの桑港寺に代表される日系寺院はもとより、サンフランシスコ禅センター発心寺、禅センターオブロサンゼルス・仏心寺など、坐禅会を開催する禅センターはアメリカ国内に多数存在します。現在57名の国際布教師が正伝の仏法を敷衍すべく努め、在籍宗侶はおよそ400名を数えるまでになりました。

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上棟式打ち出しの様子

しかしながら現在、日本国外に常設の認可専門僧堂は設置されておりません。海外在住の外国籍僧侶にとっては、日本国内での安居修行には、言葉や文化、生活習慣の違いや、渡航にかかる経済的負担が多く、その志が叶わない状況があります。

7年後には北アメリカに曹洞宗が伝えられ100周年という大きな節目を迎えます。この来るべき節目に向け、今後どのように海外在住の僧侶を育成するのかは喫緊の課題となっています。そこで天平山禅堂が完成し、常設の専門僧堂として認可された暁には、この重要な課題の解決に大きく貢献するものと確信しております。

ki1507_1今般、ご祝辞の中で、「高祖道元禅師が最初の道場である興聖寺に僧堂を建立される際、『僧堂最も切要なり』と勧進文に説破せられ、落成の後には純一の佛法を宣揚せられた」との旨のお言葉を賜りました。

天平山禅堂は、曹洞宗の伝統を相承し、世界の人々へ向けて開かれた、真摯に道を求める人々が行履する国際的な修行道場とすべく発願されました。

この上棟式の円成を機縁とし、ひとりでも多くの方にご支援とご協力をいただき、完成に向けてともに歩みを進めて参りたく、心よりお願い申し上げ、報告といたします。

(北アメリカ国際布教総監部記)

 

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