【International】ヨーロッパ国際布教50周年記念行事報告


「ソンテ!!」と声高らかに釜田隆文宗務総長より発せられたフランス語での乾杯に、晩餐会場は大きな歓喜の拍手に包まれました。そのとき、それまでとはまるで違った一体感に包まれ、これでこの記念行事は無事に円成するのだと確信いたしました。

去る5月12日より14日までの3日間、フランス共和国ブロワ市近郊のロワール川河畔にある、初代ヨーロッパ国際布教総監弟子丸泰仙師が開創した禅道尼苑において、ヨーロッパ国際布教50周年記念行事が、弟子丸初代総監が設立した国際禅協会との共催にて開催されました。

曹洞宗宗務庁からは釜田宗務総長をはじめ成田隆真教学部長、山本健善教化部長が出席し、御専使として大本山永平寺から武内宏道副監院、大本山總持寺から乙川暎元監院が出席されました。また多くの有縁の僧侶とツアー参加者を含めて約60名が日本より渡仏し、本行事に華を添えていただきました。さらにヨーロッパ各国や北米、南米など世界各地からの出席者も含め、総勢約500名が禅道尼苑に参集しました。

昭和42(1967)年7月17日、後に初代ヨーロッパ総監となる弟子丸師が、黒衣に坐蒲を小脇に抱えてパリ北駅のプラットフォームに降り立って以来、まさに無一物から始まったヨーロッパにおける宗門の国際布教50年の発展の歴史が、今回の記念行事に結実しました。

エキスポの様子

12日と13日午前は、「ヨーロッパ曹洞宗の過去・現在・未来」と題したシンポジウムが開催され、管内の宗侶の間で活発な議論が交わされました。はじめに、ヨーロッパに伝わる法系を樹形図化してスクリーンに映し出すなど入念な準備のもと、50年間の歴史について、国際禅協会会長のワンゲン霊元国際布教師が講演し、さらにこれまでの歩みを振り返り、ヨーロッパ曹洞宗の現在について約30名の僧侶がそれぞれ思いの丈を述べました。そしてシンポジウムのまとめとして、全体で今後の展望について議論を深めました。

13日午後には、「エキスポ」と名付けられたヨーロッパ各寺院の活動や特産品などを紹介するイベントが催されました。こちらは一般公開され、坐禅を紹介するワーク

ショップや、禅道尼苑内のガイドツアー、特設テント内における管内各寺院の展示、各種出版物・坐蒲・仏具等の販売や、イタリアの普伝寺のメンバーによる和太鼓の演奏が行われ、盛況ぶりも予想以上のものでした。

佐々木悠嶂ヨーロッパ国際布教総監

レッシュ雄能国際布教師

釜田隆文宗務総長

欧州における禅文化の浸透の成果は目を見張るものがあり、普段なかなか交流のない、離れた地域の僧侶同士が互いに親睦を深める機会ともなり、ヨーロッパ曹洞宗の一体感を育むイベントとなりました。

13日の夕方は、参加者約500名が集っての大晩餐会があり、釜田宗務総長がフランス語で挨拶をされました。冒頭にも触れたように、フランス語での挨拶に会場内はどよめき、その最後、「将来の100周年へと向かって、ともに歩みを進めて行くことを誓い合おうではありませんか!」との呼びかけに、会場は大きな歓声でいっぱいになりました。その場に参集した500人が皆一同にフランス語で乾杯を唱和したのは、今回の記念行事でもひときわ鮮烈な印象を遺した瞬間でした。

14日には、弟子丸泰仙初代ヨーロッパ国際布教総監追悼法要がレッシュ雄能国際布教師を導師として執り行われ、参列者全員が焼香し、続いてヨーロッパ国際布教功労者追悼法要では佐々木悠嶂総監が導師を務め、国際布教に功労のあった物故者の名が法要中に読み込まれました。最後に、ヨーロッパ国際布教50周年慶讃法要を、釜田宗務総長を大導師として厳修いたしました。その後、両大本山よりご祝辞をいただき、諸行事は盛会裡に円成いたしました。

今日のヨーロッパ曹洞宗の国際布教は、弟子丸師の遺志を継いだ弟子たちによって継承され、幾多の曲折を経ながらも50年を迎え、現在、多くの国際布教師の活躍のもと、曹洞禅はヨーロッパ全土へと浸透しております。

本行事は、そのヨーロッパ曹洞宗の今日の発展を肌身で感じさせるものであり、今後さらに一体となって歩みを進めるためにも大きな意義を持つものとなりました。

(ヨーロッパ国際布教総監部記)

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