去る11月9日(水)、10日(木)の2日間にわたり、曹洞宗総合研究センター第7回学術大会(第45回教化学大会・第51回宗学大会)が、曹洞宗檀信徒会館(東京グランドホテル)を会場に開催された。
研究発表に先立ち、9日午前9時30分より檀信徒会館3階桜の間にて開会式が行われ、仏祖諷経に引き続き、有田惠宗宗務総長より挨拶があり、続いて田中良昭センター所長より挨拶があった。
宗学大会
曹洞宗総合研究センター主催による第51回宗学大会は、前日の教化学大会に引き続き、檀信徒会館3階・4階の各部屋を会場に開催された。
本年度の発表者は44人で、それぞれの分野に基づいて分かれた各部会ともに、多数の来聴者を集め、午前10時より午後4時過ぎまで、研究成果の発表とそれに関する活発な質疑応答とがなされた。
第1部会は、道元禅師研究に関する発表を中心としており、午前の部では、秋央文「道元禅師における学道観の再考―『正法眼蔵随聞記』における道心の引用から―」、丸山劫外「『道元禅師和歌集』の一考察―中秋夜のご詠歌はご真詠か―」、池上光洋「「弁道」考―「辧道」か「辨道」か―」などの発表がなされ、思想的な解釈についても、石島尚雄「「渓声山色」考―特に「吾等が当来は仏祖ならん」をめぐって―」などの発表がなされた。
午後の部では、『正法眼蔵』各巻の解釈について様々な見解が示され、金子宗元「道元禅師晩年の批判対象について―「四禅比丘」巻を中心として―」、下室覚道「道元禅師の業報観(四)―種子説について―」などの発表があり、また道元禅師の哲学的研究において、小坂国継「道元と西田幾多郎―東洋的実在観の特性―」、辻口雄一郎「西田哲学と道元禅―京都学派批判―」などさまざまな視点からの発表があった。そして、杉尾玄有「初めに深謀遠慮の施設ありき=「X年『如浄語録』到来」―三段構造『根本眼蔵』誕生へ、寂円和尚こそ「大功不賞」」の発表が部会を締めくくった。
第2部会では、宗門の歴史や宗義について、さまざまな角度からの研究がなされた。菅原研州「坐禅のシステム論的考察」や、小池孝範「教育学と道元禅師思想」では新しい見地からのとらえ方が見いだされたのを初め、海老澤早苗「禅宗教団と女の信心―特に曹洞宗の事例を中心として―」や、田中宏志「十六・十七世紀の曹洞宗教団と朝廷―瑞世(出世)の問題をめぐって―」、伊藤良久「雙林寺三世林泉寺開山曇英慧応の行状」では、宗門の歴史の展開を詳細に示した研究も見られた。また、宗義や行事に関する発表として、尾崎正善「三仏忌考―成道会の儀礼について(三)―」や、竹内弘道「現行の「宗旨」成立に関する考察(二)―成立過程の論争をめぐって―」等が注目を集めた。
第3部会では、中国及び日本の禅仏教についての発表が数多くなされ、椎名宏雄「『寒山詩集』諸本の系譜と特徴」、安藤嘉則「中世禅宗における逆修・追善文献について」、佐藤秀孝「虚堂門下霊石如芝と入元日本僧―鎌倉末期の日本禅林との関わりを中心に―」などがあった。また、竹林史博「正信論争考(三)―輪廻論の対立―」や、井原淑朱「總持寺宝物殿所蔵の道正庵関係資料について」など、綿密な史料の収集検討がなされたものも数多く見られた。様々な信仰についての研究としても、横井教章「神人交流と禅僧―洞門説話を主たる事例として―」や、佐藤俊晃「護法碑考」などがあり、多彩な発表が続いた。
本大会の発表内容は、『宗学研究―第51回宗学大会紀要』第48号(2006年3月刊行)に収載予定。
(敬称略)