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 「写経に興味はあるけど、私は字がへただから」「筆を持つのは苦手だから」とためらう人が意外と多く見うけられます。写経は、心をこめて丁寧に書写すればよいのであって、文字の上手下手は、あまり問題ではありません。写経はそもそも仏道修行であって、人々に仏道をひろめ、大願成就を祈ることから始まっているものだから言えることなのです。

 わが国での写経の歴史は、日本書紀に、「書生を聚めて、始めて一切経を川原寺に写す。」とあり、その後、聖武天皇のころ、写経司を任命し、これら専門のものが書写して収蔵し、また、諸国の国分寺等に配布されました。それがおそらく平安時代ごろから修行の為や、病気平癒、先祖供養など祈りや願いを目的にした個人的写経が始められたようです。

 このように写経には長い歴史があり、多くの人の信仰生活に心のやすらぎを与える糧となってきました。それは身と心を調えて行う写経の心が、そのまま仏さまの教えの心に通うからにほかならないのです。そしてこの写経の心は、時代を越えて、道を求むる人にとって大きな心の支えとなりました。

 現代に生きる私たちは、写経によって静かに落ち着いた時間を大切にするとともに、祈りや願いを生活の中に活かしていく一つの証としたいものです。

 『般若心経』は短い経典でありますが仏法の大意が述べられており、書きやすいお経ですので、初心の方にはこの写経をおすすめいたします。     

 
1、
道   具
――

筆・硯・墨・文鎮等。お手持ちの道具がある場合は新しい物を購入する必要はありません。購入する場合、硯は小型のもので十分間に合います。小筆は穂先がよくまとまり、弾力のあるものをお選びください。
※筆のおろし方一例
指先で穂先から1/3程度を丁寧にもみほぐし、水をつけて糊気をとり、その上で墨液を含ませて毛先をそろえながら形を整えます。

1、
手   本
――
経典または写経用台紙
1、
写経用紙
――
写経専用の紙または、にじみが少なく筆当たりの良い紙。
1、
室   内
――
きれいに掃除をし、仏間を使用する場合は、お線香・お華・お灯明をお供えしましょう。
1、
身 支 度
――
手を洗い、口をすすぎ、着衣を整えます。

1、
正座し 、姿勢を正して呼吸を調えます。
2、
お水 を硯に少量ひたし、静かに墨を磨り、心を落ち着けます。
3、
手を合わせて 、『四弘誓願文』、『般若心経』を唱えます。
4、
静かに筆をとり、表題から書き始めます。
5、
写経中は慎重な心構えで、字を間違えないよう注意し、丁寧に書写します。もし字を間違えたときは誤字の右横に点(ヽ)を打ち、同じ行の上下いずれかの余白に、正しい字を書きます。脱字のときは、その箇所(文字と文字の間)の右に点を打ち、行の末尾にその文字を書きます。
6、
日付は本文から一行あけ、始めの一字分をさげて書きます。
7、
終わりに願文などがあればこれを記します。この場合、頭に「為」と書いて、たとえば故人の冥福を祈り、その菩提のためとか、報恩、祈願のため等の願文を記します。しかし写経そのものが目的の場合はあえて記さずとも良いでしょう。
8、
氏名を記し、末尾に「謹写」と印します。雅号は用いないこと。
9、

書写が終れば、 手を合わせて 『普回向』を唱え、写経を終ります。

10、
硯と筆をきれいにして保管します。筆は形をよく整えてください。
11、
書写したお経は、箱などに入れて安置し、適時、菩提寺等へ奉納します。郵送する場合は、きれいに折りたたむか、筒などに入れ、丁寧に送ります。

開催方法や準備、作法などは場所によって違う場合がありますので、主催者にお尋ねください

1、
心をこめて書写した写経は尊いものとして、仏像などと同様に特別な扱いをするように気をつけたいものです。
1、
姿勢は肩に力を入れず、緊張のない自分の最も美しい自然体で行います。椅子に座る場合は、浅くも深くもなく腰掛け、背すじをまっすぐ伸ばし、背中は腰掛にもたれさせないようにします。
 
(例) 為○○家先祖代々供養・(戒名)菩提供養
  家内安全・身体健全・心願成就・諸災消除・諸縁吉祥・学業増進・世界平和など

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