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去る、10月15日(水)より19日(日)の5日間にわたり、ロサンゼルス市・両大本山北米別院禅宗寺において、北アメリカ開教(国際布教)80周年、禅宗寺創立80周年の記念行事が開催された。当初、この記念行事は5月に予定されていたが、イラク戦争等諸般の情勢により10月に延期されたものである。
この度の80周年記念行事は、曹洞宗宗務庁の共催、両大本山の協賛を仰ぎ、北アメリカ国際布教総監部、両大本山北米別院禅宗寺、国際センターが総力をあげて準備し開催された。
記念行事は、
・八十周年記念授戒会
・北アメリカ開教物故者諷経
・両大本山北米別院禅宗寺開山歴住諷経
・八十周年記念慶讃法要
・八十周年記念昼餐会
主な配役は、
戒師・曹洞宗管長御代理・前大本山總持寺貫首板橋興宗禅師
教授師・南澤道人大本山永平寺監院
引請師・野田大燈大本山總持寺後堂
随行長兼室侍長・江川辰三元大本山總持寺監院
説戒師・奈良県平等寺住職・丸子孝法特派布教師、奥村正博曹洞宗国際センター所長(英語)
直壇長兼補導師・開教物故者諷経大導師・宮川敬學教化部長
記念慶讃法要大導師は、有田惠宗宗務総長、禅宗寺開山歴住諷経大導師には大竹明彦前宗務総長が勤められた。
日本より56人の随喜を得、南アメリカより三好晃一国際布教総監、北アメリカより、国際布教師、伝道教師、伝道師35人が荷担し、総勢92人の宗侶により、八十周年慶讃法会が厳修された。
戒弟は、禅宗寺より94人、桑港寺(サンフランシスコ)より7人、曹禅寺(モンテベロ)より6人、好人庵(オークランド)より7人、日本より6人、総数120人であった。その内、40人以上が英語を母国語とする戒弟であった。また、戒会中には、山下顕光前総監の墓碑開眼供養、曹禅寺開教一世倉井秀雄老師の十七回忌が勤められた。
5日間の授戒会は北アメリカ開教80年の歴史上はじめての試みであり、さまざまな工夫がなされ、特徴のある意義深い戒会となった。例えば、英語を母国語とする方のために、配役・差定はすべて英訳され、歎仏会・壇上礼・仏祖礼はローマ字化され、進退・差定についても詳しい英語の解説を付し、また戒弟のためのしおりも英訳された。日米随喜僧の意志疎通をスムーズに行うため、各寮には日英両語を理解する宗侶を配役し、知殿寮や両班寮ではアメリカ国内より随喜していただいた諸師へ、薬石罷、諸行持の説明、進退慣らしが毎夜にわたり行われた。進退慣らしは終始なごやかに行われ、日米の各師の心からの交流が生まれたのは理想的な効果だった。
北アメリカの各師が尸羅場で敬虔に伝供し、両班に立ち、日本の曹洞宗の法要を見事に進退し、諸行事が文字どおり厳修された。国際布教師、伝道教師、伝道師、日本からの随喜各師が、同じ曹洞宗師として何の違和感もなく読経し、礼拝をしている姿は、儀式の真の意味の美しさを表現し、戒弟にも感動をもたらした。また、説戒、説教、直壇口宣には同時通訳を配し、話し手と通訳が一体となった見事な英訳がなされ、戒弟への理解を一層深めることとなった。
戒会初日、2日目には国際布教師・伝道教師研修会として、宮川直壇長により「戒会参究」の本講も行われ、アメリカにおける「授戒会」の紹介の実際的な大きな第一歩であった。伝道教師等からは多くの質問が出され、それぞれに対し丁寧に答えられた。同時に日本からの随喜寺院各師へは、奥村正博国際センター所長から「国際布教について」現場の声を披露していただいた。海外での曹洞禅の躍動について日本からの各師は深く耳を傾けていた。
戒会中、戒師板橋禅師は二度みずから説戒された。「ゆで蛙」の寓話から説きおこされ、面山禅師の「干し柿の甘み」の話などをまじえながら、人間の自由の真の意味、人間の行く末、文明論へと話題は展開した。トツトツと手振りを加え、首をかしげたり、回したり、考え考え語り、時に冗談を加え、戒弟の笑いを誘い、厳然としたなかにもユーモラスで、しかも風格のある説戒であった。一切禅語を用いず、語録からの直接的引用はなく、日常語によるものであった。
17日には懺悔道場が行われ、戒弟は真剣な面持ちで懺悔し、懺悔帳が焼却された。称号が唱えられ鈴が振られると、道場には一層厳かな雰囲気が満ちあふれ、感動で涙する戒弟も見られた。
18日には、宮川教化部長導師による開教物故者諷経が厳修され、八十周年の勝縁にあう喜びと、開教師先達への感謝の気持ちがみなぎるなか読経が行われた。引き続き、禅宗寺と長年にわたりご縁をいただいている、大竹前宗務総長による開山歴住諷経が厳修され、開山忌御詠歌「真清水」の独詠とともに湯菓茶が厳かに献じられた。この日の午後には教授道場、正授道場が行われ、戒弟は登壇し、血脈を戒師さまより授けていただき、仏の弟子となった法悦をかみしめていた。
戒会最終日の19日には、戒弟でない檀信徒も加わり総勢300人が参列した。丸子特派布教師による説教では、高雅な親しみ深い暖かい語り口で、人生への感謝を語られた。八十周年記念慶讃法要は有田惠宗宗務総長により勤められ、先達の労苦を偲ぶとともに、未来への第一歩を踏み出す願いが込められた。完戒上堂では、全ての問答が通訳され、日米両方の文化を考慮した、日英両語による特徴のある授戒会は大開静となった。その後、会場をホテルニューオータニに移し、地元の方がたも交えての記念昼餐会が開催され、八十周年記念行事は無事円成した。
今回の授戒会は随喜された日米の宗師、戒弟、尸羅場に足を運んだ各寺院のメンバー全員が戒の仏光に浴し、融合し、新鮮な感動と法悦に包まれ、敬虔かつなごやかに修行された。北アメリカ開教(国際布教)80周年の歴史に特記され、曹洞宗門の未来を明るく照らす戒光が輝いていた。
日本から随喜荷担された諸老師、諸宗師の皆さま、準備に尽力された各師へ深甚の謝意を表し、報告とさせていただいた。
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