香里(タイトル)

 

2004 (平成16)年1月22日 香 里 梅花新聞 第26号

梅 花 新 聞 第26号
題  字 : 管長宮崎奕保禅師
発 行 者 : 有 田 惠 宗
発 行 所 : 曹洞宗宗務庁
企画編集 : 伝道部詠道課


 
お誓い
  • 私達は梅花流詠讃歌を通して、正しい信仰に生きます。
  • 私達は梅花流詠讃歌を通して、仲よい生活をいたします。
  • 私達は梅花流詠讃歌を通して、明るい世の中をつくります。

 

「詠道はそのまま仏道」

曹洞宗管長
宮崎奕保
みやざきえきほ
大本山永平寺貫首

『道不可離』

 「光陰如箭(こういんやのごとし)」と申します。高祖道元禅師さまの七百五十回大遠忌をおえて早や一年を迎えようとしています。曹洞宗梅花流詠讃歌の発足は昭和27年。高祖さま七百回大遠忌の時ですから、既に52年日。その間には先徳諸老師の言い尽せぬご苦労と講員の皆さんのたゆまぬ研鑚(けんさん)の賜(たまもの)によって現在では18万人に近い方がたが詠道に親しんでおられます。

 曹洞宗のご安心(あんじん)は申すまでもなく只管打坐(しかんたざ)ですが「行(ぎょう)も亦禅(またぜん)、坐(ざ)も亦禅(またぜん)」と申すように根底の坐禅を中心にそこから白在に真理を実行することが両祖さまの佛道です。常々申しておることですが、佛教という最上の教えはあっても.教えは実行しなければただの教えです。教えは実行するためにあります。実行するからこそ佛道になります。

  梅花講員の皆さんが奉詠大会においても、また各寺の法要に参加されても、背すじをのばして至心にお詠えされている姿は聞く人の感動を呼びます。ひたすらに詠道に打ちこむ姿は実に尊いものです。「信火(しんか)内(うち)に有(あ)れば行煙(ぎょうえん)外(そと)に顕(あら)わる」と申します。ゆるぎない信心が内にあれば、白然に態度や行動や言葉になって外に表れてきます。

  ここ数年.世情はかつて見なかったほど乱れているように思います。世界各地で血で血を洗うような殺伐(さつばつ)とした事件が頻発(ひんぱつ)しています。

  「慮知念覚(りょちねんかく)を一向(いっこう)に捨てて只管(しかん)に打坐(たざ)する時、道は親しみ得るなり」と道元禅師さまはおっしゃっています。我々は二見対待(にけんたいだい)のいわゆる相対の世界に日暮しておりますが、天地の道理の姿は対立を超えた絶対の姿です。大宇宙を身とし大宇宙を心としてお示し下さった釈尊の佛法は、そのまま大宇宙の真理の教えです。

  絶対とはそのものに成り切ることです。詠道も佛道の一分子、至心にそのものに成り切って詠道に親しんでおられる姿はそのまま佛道です。
梅花が更に発展し、講員の皆さんが益々多くなることが平和に繋(つな)がっていくと信じます。どうぞ詠道に励(はげ)んで下さい。お願いいたします。

 

 平安な暮らしのために「お誓い」の実践を

宗務総長 有田惠宗
  

 梅花講員の皆様方には、いよいよご機嫌麗しく初春をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。本年も梅花流にとって一層光輝あふれる年でありますよう祈念申し上げます。

  昨今、マスコミで、国の内外で起きる痛ましいさまざまな事件が報道されています。

  海外においては、善良な市民を巻き込んだテロ行為や戦闘の数々、国内においては、日常化したように起きる自己中心的な凶悪犯罪の数々、それを見たり、聞くたび毎に、本当にやるせない気持ちになり、怒りを覚えざるを得ません。

  現代社会にあって、人々のこころは安定を失っております。そして同時に、多くの人々がこころの安らぎを強く求め、かつ救済を待ちわびております。

  梅花流は宗門最大の教化組織であり、国内外を含め6千4百余の寺院梅花講と17万3千名に及ぶ講員を有しております。

  わたくしは、梅花流を通じて値(あ)い難(がた)い法幸(ほうこう)あふれる御仏の心に触れるご縁に巡り会いました。この法縁を拠り所に、結集された力と培(つちか)われた信仰を原動力として、仏国土(ぶっこくど)の実現に向けて、たゆまぬ行動を続けていくことが、いま世界の人々が待ち望む安寧(あんねい)な暮らしに寄与する最も重要なことと考えております。

  梅花流の「お誓い」は、正しい信仰に生き、仲良く、明るい世の中を築くことへの願いです。全世界の人々と共存し、ともに平安な暮らしができるようにとの、思いをいま一度確認し、「お誓い」を実践して参りましょう。皆様の絶えざるご精進により、釈尊、両祖様の知恵と慈悲のみ教えが遍(あまね)く輝きを増し、宗門そして梅花流がなお一層発展いたしますよう、お力添えをお願い申し上げます。
 むすびに、講員の皆さまのご健勝とご多幸、そして地球上の真の平和の実現とすべての人々の平安を祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。



クリックすると拡大します↑

高野山金剛流と梅花講が交流

〜高野山金剛流全国奉詠舞大会にて梅花流詠讃歌を奉詠〜


2003(平成15)年4月15、16日於 高野山大師教会

金剛流全国奉詠大会
会場入口にて
  2003(平成15)年1月末、和歌山県伊都郡高野町の高野山真言宗金剛講本部より、高野山金剛流と曹洞宗梅花流との交流のため、4月15、16日に高野山で行われる、平成15年度高野山金剛流全国奉詠舞大会において、曹洞宗梅花講員による登壇奉詠をしていただけないか、との打診があった。これは2002(平成14)年の高祖道元禅師750回大遠忌に因む行事の一環として、大本山永平寺と高野山との間で、相互訪問というご縁があり、そうしたことを承けてのご招待であった。

  曹洞宗宗務庁内局で検討の結果、梅花講活動のさらなる発展充実に資するため、他流派との交流をはかることもよいのではないか、親切なお誘いであるからぜひお応えすべきであるとのことで、2月20日付にて登壇奉詠をさせていただくとの回答をする。

  その後、曹洞宗側は詠道課、高野山側は講社課がそれぞれ窓口となり、連絡調整をする中で、曹洞宗梅花講からは、高野山に比較的近い滋賀県正傳寺住職で梅花流専門委員・北野良昭師範とその指導を受けている深高院講2名、林慶寺講1名の計4名で登壇奉詠することになった。曹洞宗宗務庁からは所管部長の市河雄峰伝道部長が出席し、柚木祖元詠道課長(当時)が随行することになった。

  金剛流は、西国三十三観音霊場や四国八十八ヵ所札所などで古くから唱えられていた御詠歌や御和讃をまとめ、音譜を制定し、講組織をととのえ、1926(大正5)年に「金剛流詠歌」を公称している。この金剛流が諸宗派の中に取り入れられ、それぞれの御詠歌の流派が誕生していったという歴史がある。梅花流創立当初、直接ご指導いただいた密厳流(真言宗智山派)もそのひとつであって、こうしたことから、梅花流で「伝承曲」と言われている「紫雲」「梅花」「渓声」などの旋律が、各流派の御詠歌の旋律とほぼ共通しているということが頷けるのである。

 4月15日午後3時過ぎ、高野山の大師教会に到着。大会はすでに午前中より始まっており、関係者へのご挨拶もそこそこに金剛流全国奉詠舞大会会場に案内され、大会の模様を視察させていただく。今回で奉詠大会は75回、奉舞大会は54回を数えるとのことである。

  僧侶20名ほどの高野山合唱団による金剛流詠歌の模範奉詠や新作宗教舞踊の発表を拝見する。宗教舞踊の地歌として奉詠された「妙遍(みょうへん)」という御詠歌は、梅花流の「渓声」にあたるものであった。その後、金剛流の歴史や現在についての展示コーナーにご案内いただき金剛流についての概要を説明いただいた。
金剛流新作宗教舞踊
夕食懇談会出席者
  宿泊は、宿坊のひとつ、無量光院(高野山真言宗宗務総長・土生川正道大僧正のご自坊)であった。時いたって夕食懇談会では、土生川宗務総長はじめ、金剛講総本部長・岩坪眞弘教学部長、さらに金剛流詠監・徳永典光師、同・立葉(たてば)了照師、倉岡弘叔教学部次長らの心温まるおもてなしをいただいた。翌日の登壇奉詠を控えた梅花講員の方たちは、緊張の中にも心づくしの高野山さまのお料理を堪能し、楽しいひとときを過ごさせていただいた。
  翌16日午前9時、大会(2日目)に参加。10時ころ、司会の講社課長・松隈(まつくま)康伸師の紹介で、いよいよ梅花講員が登壇奉詠をさせていただく。会場の大師教会には500名ほどの金剛流の講員さん方が集まっており、注目の中で「正法御和讃」「三宝御和讃」「高祖道元禅師学道御和讃」「同御詠歌(慕古)」の奉詠がなされた。四曲の奉詠が終わるとシーンと静まりかえっていた会場から大きな拍手がわき上がった。両流派交流の第一歩が刻まれた瞬間である。
梅花講員の登檀奉詠

金剛流の模範奉詠

資延猊下から感謝状を頂く

  梅花講員の登壇奉詠の後、金剛流の模範奉詠・奉舞、尼僧学院卒業者の奉詠などがあり、その後再び梅花講員4名が登壇、高野山真言宗管長・資延(すけのぶ)敏雄猊下から感謝状を頂戴した。管長祝下のご垂示に引き続き、市河伝道部長が登壇し、曹洞宗を代表し今回の相互交流のご縁をいただいたお礼を申し上げた。

  昼食後、奥の院に向かう途中で金剛流流祖・曽我部俊雄(しゅんのう)師のお墓参りをし、さらに弘法大師の御廟に参拝、両流派の交流についてご報告した。次に総本山金剛峰寺に拝登し、二祖廟などを参拝、高野山を後にさせていただいた。

  この二日間、高野山の関係各位に格別のご高配をいただき、文字通り法悦のひとときを過ごさせていただいた。登壇奉詠した梅花講の方たちも「たいへんに有り難いご縁をいただき、一生の思い出になりました」と、口々に感激と感謝の言葉を述べていた。

 ここ2、30年の間に私たちの生活様式や地域共同体の結びつきなど、そのあり方が大きく変わり、個人の価値観も非常に多様化してきた。少子高齢化が進む中で、梅花講の講員数は停滞もしくは微減傾向にあり、講員の高齢化についての指摘もなされて久しい。梅花流を取り巻く状況はけっして楽観を許さない。

  ところで、各宗各流派の御詠歌講の講員や観音霊場の地元の人たちなどを合わせた「御詠歌人口」は80万人とも言われており、これは日本社会の中でけっして少ない数とは言えないように思われる。この中に私たち曹洞宗の梅花講員17万余も含まれており、御詠歌を通したお仲間が全国各地にいるのである。

  近年、狂言や津軽三昧線などの日本の伝統文化・芸能が若者たちに注目されている。平成16年度から学校教育の中で邦楽の授業が取り上げられるようにもなる。

  信仰運動としての梅花講活動に、さらに心静かにお唱えする日本の伝統文化・芸能としての詠讃歌という側面も加わって、こうしたことが宗門内外においてきちんと評価され、相応の位置付けがなされることが期待される。こうした点からも、今後の高野山真言宗の金剛流と曹洞宗の梅花流との相互交流が深まり、両講がいよいよ発展することを心より願いつつ、両流交流の報告に代えたい。

(詠道課記)

 ”梅花の輪”を広げよう

伝道部長 市河雄峰
(三重県長楽寺住職)

  全国奉詠大会、宗務庁講習会や検定会など多くの皆さま方とお会いでき、ご縁をいただき、ありがたく存じております。
特に、昨年の秋田県大館市「樹海(じゅかい)ドーム」で開催いたしました全国奉詠大会に所管の伝道部長として初めて臨み、まさに”梅花流ここにあり”という力強さを感じさせていただきました。
しかしながら昨今、梅花講員の高齢化が進んでおります。今後、梅花流を更に充実発展させていくためには、講員お一人おひとりの信仰を深めるとともに、わたくしたちに続くお仲間、新しい講員獲得が必要であろうと考えております。そのために、この度、入講を勧(すす)める新しいリーフレットとポスターを制作する準備をいたしております。どうか皆さま方も身近な方、ご近所の方などに、梅花流のすばらしさをご理解いただき、ぜひ入講いただきますようお勧め願います。
今年の全国奉詠大会を、5月26日、27日の両日わたくしの地元である三重県伊勢市「サンアリーナ」で開催いたします。この会場は、緑豊かな朝熊山麓(あさくまさんろく)に、”船・海・帆”をモチーフにデザインされた多目的ホールです。そこで皆さま方とともにこの船の中で大いなる”梅花の輪”を広げ、そして未来に向けて出航いたしたいと存じます。皆さま方とお会いするのを楽しみにしております。

「夏用 梅花服」頒布開始の
お知らせ

     この度「夏用梅花服」の生地を変更させていただくこととなりました。麻を混入し(麻15%、ポリエステル85%)、より快適に着用いただけるものとなっております。
 頒布代金も従来の9千円から8千円と、よりお求めやすい頒価を設定いたしました。
 ぜひご利用いただけますようお願い申し上げます。






※頒布開始時期は、平成16年3月中旬予定です。予約先着順に発送させていただきます。
※ご寺院さまのみ、売り掛けができますので、各講の講長さまにお申し込みください。
※講長さまにおかれましては、各講講員さまのご希望をお取りまとめいただき、香里と同時配布させていただいた申込用紙でお申し込みください。
※頒布開始当初は、発送までにお時間をいただく可能性がございます。
※発送には、送料がかかります。
※従来の梅花服もそのままご利用いただけます。
曹洞宗のホームページ「曹洞禅ネット」で詠讃歌が聞けます。
編集後記
 昨年四月の人事異動により、約6年ぶりに伝道部詠道課に戻ってぎました。特派師範協議会、師範養成所、研修員研修会、全国奉詠大会、検定会、講習会などで多くの皆さま方と再びお会いすることができ、とても懐かしく思いました。
 その間、梅花新聞『香里』は、B5判一色刷りから、A4判フルカラーに変更し、大きく見やすくなりました。また、曹洞宗のホームページ「曹洞禅ネット」でコンピューターから詠讃歌が聞けるようになりました。そして、詠道課のコンピューターも宗務システム化され、講員さんに関することが各宗務所でもご覧できるようになり、事務処理が迅速になりました。
 時代の流れを感じましたが、これからもどうぞよろしくご指導・ご鞭檀のほどお願いいたします。(Z記)

 

ホームページ掲載の記事・写真等の転載はご遠慮下さい。 Copyright(c)1996-2003 by Sotoshu Shumucho.All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.