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曹 洞 宗
わたしたちは平和的解決を強く求めます
イラクにおける大量破壊兵器問題の
平和的解決を求める決議文
イラクにおける大量破壊兵器問題は、いまやアメリカ及びその立場に賛同する国々による武力行使が行われる情勢にある。
武力行使によるこの問題の解決は、何をもたらすのか。人間として生きる権利や尊い人命を奪い、その地域の環境を微塵もなく破壊するだけのものである。
過去の戦争や紛争は、何の罪もない人々が犠牲になり、貴重な財産が失われ、国土は荒野と化している。我々は、こうした過去の過ちを懺謝し、再び同じ過ちを犯さないことを誓願し、広く社会に向けて表明したのである。
我々は、一佛両祖のみ教えにしたがい、争いのない慈悲と寛容に満ちた世界を構築すべく、また宗門の取り組む「人権・平和・環境」の実現のため、仏教徒として、かけがえのない生命を奪い、人権を著しく踏みにじる暴挙である戦争の廃止なくして真の平和はあり得ないことを主張し、いかなる目的のもとにおいても、尊い生命を失う武力行使には反対するものであり、平和的解決を強く求め、これを決議するものである。
2003(平成15)年2月28日
曹洞宗宗議会・曹洞宗宗務庁
趣 旨 文
我が宗門は、1992(平成4)年11月20日、懺謝文を宗内並びに広く国内外に発して、懺悔と謝罪を表明いたしました。すなわち、20世紀初頭の不幸な時代にあって、時の政治権力に荷担迎合し、アジア地域の人びとの人権を侵害し、民族の誇りと尊厳を損なった、誠に恥ずべき行為を自省し、海外伝道の歴史のうえで犯してきた重大な過ちを率直に告白し、アジア世界の人びとに対し心からなる謝罪を行い、そのうえで、1945(昭和20)年の敗戦直後に当然なされるべき「戦争責任」への自己批判を行ったのであります。
また、あるひとつの思想が、あるひとつの信仰が、たとえ、いかような美しい装いをこらし、たとえどのように完璧な理論で武装して登場してこようとも、それが他の尊厳性を侵害し、他との共生を否定するとするならば、我々はそれに組みせず、むしろ、そのような思想と信仰を拒否する道を選ぶことを表明したのであります。なぜならば、人のいのちの尊厳性は思想、信仰や理論を越えて、まさしく犯すべからざる厳粛なものであるからであります。しかして、こうした懺悔と謝罪に基づき、二度と同じ過ちを犯さないことを誓願したのであります。
さて、現今の世界情勢において憂慮すべき、イラクにおける大量破壊兵器にかかわる問題は、極めて重大な危機といわざるを得ません。現在、国連による査察が続けられている一方で、いまやアメリカ及びその立場に賛同する国々による武力行使が行われる情勢にあり、その緊迫度は、日増しに高まり、いまや一刻の猶予もない極めて厳しい情勢にあると認識するものであります。こうした武力行使によるこの問題の解決は、何をもたらすのか。疑問の念しか抱くことができないのであります。それはただ、人間として生きる権利や尊い人命を奪い、その地域の環境を微塵もなく破壊するだけであるからであります。
こうしたときにこそ、我々は、釈尊のみ教えにしたがい、争いのない慈悲と寛容に満ちた世界を構築すべく、また宗門の取り組む「人権・平和・環境」の実現のため、教団としての時代的、社会的責務を果たさなければならないのであります。
よって、ここに仏教徒として、いかなる社会においても、かけがえのない生命を奪い、人権を著しく踏みにじる暴挙である戦争の廃止なくして真の平和はあり得ないことを主張し、いかなる目的のもとにおいても、尊い生命を失う武力行使には反対するものであり、平和的解決を強く求める決意を表明するものであります。
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