葉月(八月) 西瓜(すいか)


西瓜の水貝もどき 独活(うど)、胡瓜(きゅうり)、
水前寺海苔
西瓜の呉汁 厚揚げ、牛蒡(ごぼう)、
大根、こんにゃく、大豆

誰かの歌の文句ではありませんが、「ギラギラ輝く太陽」という表現がふさわしい季節となりました。

この季節に似合う果実と言えば「西瓜」以外にはないでしょう。

幼少のころ、海水浴に行けば必ず西瓜割りをしたものです。割れてグチャグチャになった西瓜の砂を落としながら食べた思い出は忘れられません。

その西瓜を、涼しさを演出するために、ガラス製の飽の形をした器に盛ってみました。名づけて「水貝もどき」。

水貝と言ったら、夏の料理の代表のようなものです。もちろん日本料理では飽を使うわけですが、その飽を使わず、主役を西瓜にしてみました。

西瓜は、くり抜きと言う道具を使って丸くむきます。

胡瓜、独活(うど)も丸く篠(しの)にむいて小口切りにします。水前寺海苔は戻して、丸い打抜きで丸くとります。

昆布出汁に少量の塩を入れ、淡目の塩水を作ります。その中に氷を入れ、西瓜、胡瓜、独活を色良く散らします。

西瓜はそのまま食べていただいても良いと思いますが、他の野菜と水前寺海苔は、ポン酢や辛子酢味噌、胡麻ダレなど、お好みで召し上がっていただければ良いでしょう。

暑い盛りに清涼感を持たせた一品です。

二品目、お椀に盛ってあるのは「呉汁(ごじる)」です。呉汁とは、大豆をつぶして味噌汁状にしたものを言います。

大豆はよく戻し、摺り鉢でよく摺りつぶしておきます。

別に昆布出汁を用意し、よく摺りつぶした大豆を流し入れ、少量の味噌と醤油で味を調えます。

他の具は油分を持った厚揚、香りの良い牛芽、それに大根とこんにゃく。そして今月号の主役、西瓜です。

西瓜は上手に種を取り去り、小さ目の角切りにし、先の呉汁の中に入れ、火を入れて温めます。西瓜が十分に温められたら、いよいよでき上がりです。

どちらかというと冬の料理かもしれませんが、夏の暑い中、フーフーと言って汗を流しながら食べ、蛋白質を摂取することも大切なことだと思います。

「何?あたたかい西瓜?そんなもの食べられるか」と、おっしゃる方もたくさんいるかもしれませんが、温かいビールもあるこのごろ、ほのかな甘さと、西瓜独特のシャキシャキ感、あったかい西瓜もなかなか結構イケるものですよ。

どうです、試しに作ってみてはいかが!