睦月(一月) 小松菜と慈姑(こまつなとくわい)


小松菜の精進浸し 紅白大根、煎り白ゴマ
松笠慈姑と飴煮  

あけましておめでとうございます。

西暦2000年という新たな年を迎え、読者のみなさまも、今年こそは……と心も新たに誓ったことでしょう。昨年は「乾物」を主題として12ヵ月掲載いたしましたが、本年は「野菜」を取り上げてみました。野菜といっても土中の根茎を食するもの、土の中から太陽をいっぱいに浴びた葉を食するものとに分かれますが、毎月1種類ずつの「葉もの」と「根茎」の料理を紹介してゆこうと考えております。

シンプルイズベストではありませんが、素朴さや質素、そして賛を沢くさない料理が妥当だと思っておりますので、料理自体あまり技巧や化粧はしないように、精進料理の本来の姿を出してゆこうと考えております。

1月は小松菜と慈姑です。

小松菜は別名、「うぐいす菜」といってこのころが一番おいしく、漬け物はもちろん、お鍋や妙め物などに使用すると喜ばれる代表的な素材です。

写真は小松菜の精進びたしです。

昔も今も、家庭ではおひたしといえばホウレンソウを茄でて水に落として、水気をよくしぼり適当な長さに切って、そのまま食卓に出します。そして、化学調味料をドッとかけ、生醤油をかけて食べるという何とも味気ない、醤油辛さと化学調味料のくどさだけが残る料理が出されているような気がします。

ここでの精進びたしとは、昆布出し汁を主体にして、干し椎茸の戻し汁をほんの少し入れ、そして淡口醤油と少量の味酬をあわせ、一煮立ちさせてさましてから、その汁に小松菜を漬け込んでみました。昆布と椎茸のうまみがしみ込んでたいへんおいしいですよ。

小松菜は茄ですぎないように注意してください。多少は歯ごたえがあるくらいにシャリシャリとした食感が楽しめるぐらいに茄でてください。

食べやすい長さに切って出した方がよいのですが、今回はあえて長いまま盛りつけてみました。

お正月ですので、昆布塩に漬けた大根と人参を市松にして添えてみました。カリコリと香の物の感覚で食べられるので、けっこう喜ばれます。

もう一つの根茎のほうは慈姑です。

芽が出る、めでたいとのことからお正月の料理には欠かせない素材です。芽を切ってから料理をする人もいますが、今回に限っては「芽を切り取る」ことをしないで、料理をしてほしいと思います。

慈姑のほうは2種類作ってみました。一つは慈姑の皮を六方にむいたもの、もう一品は松笠のように包丁を入れました。前述のようにあまり技巧は凝らしたくないのですが、お正月ですのでこのぐらいのことはお許しください。

六方むきにした慈姑は楯の実をつぶして入れ、黄色く茄でてあります。

慈姑は独特の苦味がありますので、グラニュー糖と水飴を入れて、茶菓の感覚で甘く焚きます。サッパリとした甘さが良いと思いますが、いかがでしょうか。

松笠慈姑は慈姑を松ぼっくりのようにむいて、これをいったん油にて揚げ、きつね色に仕上げます。そして醤油と味酬にて煮詰めながら照り煮にします。

黄色い慈姑と、松笠にむいた茶色の松笠慈姑と2種類をお正月らしくお重に盛り合わせてみました。

このお重は、東京グランドホテルがオープンの時に特別に作ってもらったロゴマーク入り輪島塗の器です。なかなか使用する機会がなく、今回やっと日の目を見ました。朱塗りが正月にはよく合いますね。

本年で、このページを担当して早3年目を迎えます。うれしいことにいろいろな方からとても温かくありがたいお言葉をいただいており、本当にやっていてよかったと、この誌上をお借りして読者の皆さんに感謝申し上げる次第です。

また、写真家の伊東栄一さんは、たいへん熱心にこのコーナーに力を注いでくださいます。今年も共にがんばってゆきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

読者のみなさまには本当によい年でありますよう、心よりお祈り申し上げます。ここでの精進びたしとは、昆布出し汁を主体にして、干し椎茸の戻し汁をほんの少し入れ、そして淡口醤油と少量の味酬をあわせ、一煮立ちさせてさましてから、その汁に小松菜を漬け込んでみました。昆布と椎茸のうまみがしみ込んでたいへんおいしいですよ。

小松菜は茄ですぎないように注意してください。多少は歯ごたえがあるくらいにシャリシャリとした食感が楽しめるぐらいに茄でてください。食べやすい長さに切って出した方がよいのですが、今回はあえて長いまま盛りつけてみました。お正月ですので、昆布塩に漬けた大根と人参を市松にして添えてみました。カリコリと香の物の感覚で食べられるので、けっこう喜ばれます。

もう一つの根茎のほうは慈姑です。芽が出る、めでたいとのことからお正月の料理には欠かせない素材です。芽を切ってから料理をする人もいますが、今回に限っては「芽を切り取る」ことをしないで、料理をしてほしいと思います。慈姑のほうは2種類作ってみました。一つは慈姑の皮を六方にむいたもの、もう一品は松笠のように包丁を入れました。

前述のようにあまり技巧は凝らしたくないのですが、お正月ですのでこのぐらいのことはお許しください。六方むきにした慈姑は楯の実をつぶして入れ、黄色く茄でてあります。慈姑は独特の苦味がありますので、グラニュー糖と水飴を入れて、茶菓の感覚で甘く焚きます。サッパリとした甘さが良いと思いますが、いかがでしょうか。松笠慈姑は慈姑を松ぼっくりのようにむいて、これをいったん油にて揚げ、きつね色に仕上げます。そして醤油と味酬にて煮詰めながら照り煮にします。黄色い慈姑と、松笠にむいた茶色の松笠慈姑と2種類をお正月らしくお重に盛り合わせてみました。

このお重は、東京グランドホテルがオープンの時に特別に作ってもらったロゴマーク入り輪島塗の器です。なかなか使用する機会がなく、今回やっと日の目を見ました。朱塗りが正月にはよく合いますね。本年で、このページを担当して早3年目を迎えます。うれしいことにいろいろな方からとても温かくありがたいお言葉をいただいており、本当にやっていてよかったと、この誌上をお借りして読者の皆さんに感謝申し上げる次第です。

また、写真家の伊東栄一さんは、たいへん熱心にこのコーナーに力を注いでくださいます。今年も共にがんばってゆきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。読者のみなさまには本当によい年でありますよう、心よりお祈り申し上げます。