文月(七月) 冷やし鉢三種


夏野菜の冷し煮物 冬瓜
新馬鈴薯
南京
小芋
小倉
木の芽
もろこし豆腐と海素麺 はじき豆
短冊長芋
トマト
胡瓜
美味出汁
茄子のサラダ ひすい茄子
アンディーブ
ペティトマト
紫キャベツ
時雨麩
揚六浄豆腐
バルサミコ風味酢

七月の精進料理は、冷たく清涼感のある品を選びました。一つは煮物、もう一つはとうもろこしを葛で寄せたものと海素麺、そして、これから美味しくなる茄子のサラダです。

煮物には、冬瓜、新じゃが、南京、小芋、それに小倉を添えてみました。冬瓜は極く薄く皮をむき、青い(緑色)部分を残すようにします。塩とミョウバンで良く皮の部分をこすります。こうすると、冬瓜の青さが茹でてから鮮やかに色良く出てきます。一旦茹でたら流水にて良く晒し、炒め野菜と昆布にて出汁(だし)を作ります。昆布出汁だけですと濃厚な重みのある味にならないので、野菜を油で炒めたものとともに出汁を取ります。冬瓜は九割以上が水分ですので、ふつうの煮物より少々濃い目の味付けにします。出汁に味付けをしたら一旦冷まし、冷蔵庫に入れて冷やします。この冷やした出汁に茹でた冬瓜を漬け込みます。冬瓜はグツグツと煮込むと煮くずれをおこし、なおかつ、せっかく色出しをしたのに色がとんでしまいます。ですから、冷えた美味しい出汁に漬け込むのがベストです。できれば、この作業を二度くらい繰り返すと、なお美味しく召し上がれます。一度だけの漬け込みですと、冬瓜の水っぽさが残ってしまい、口の中に入れても美味しい出汁が全体に浸み込んでいないからです。

新じゃが、南京、小芋は茹でて、ふつうに煮たものです。そのまま盛りつけても良いのですが、ちょっと風変わりに冬瓜を丸く抜いて輪にして、その中に他の野菜を盛り付けてみました。

もろこし豆腐は、とうもろこしを一旦茹でて身だけを取り、これを裏漉しにかけます。薄皮が残りますので、これは捨てざるを得ません。昆布出汁と吉野葛、それに裏漉ししたとうもろこしを合わせ、少々塩を入れて火にかけ、胡麻豆腐の要領で練り上げます。後に流し缶に移し、冷えてから切り出します。

海素麺は海草の一種です。乾燥させたものと生のものとがありますが、生の方がのどごしは良いと思います。生のものも一旦茹でて、冷水に落として使用します。枝豆の薄皮をむいたもの、短冊に切った長芋、小角に切ったトマト、それに水玉にむいた諸(もろ)胡瓜が添えてあります。お出汁は昆布出汁八、淡口醤油一、味醂一、を合わせ一旦火にかけて煮立て、冷ましてからもろこし豆腐にかけていただきます。

サラダは、茄子を油にて揚げ、皮をむいて使用しています。他に、アンディブ、トマト、時雨麩(しぐれふ)、六浄豆腐の揚げたものが添えてあります。酢は、米酢とぶどうから取り出したバルサミコ酢を合わせ、それを昆布出汁で割ってあります。ちょっと変わっていて、サッパリしてとても美味しいと思います。