水無月(六月) 水無月の点心


水無月豆腐
白瀧素麺
結三葉
生順戈蛇の目小めろん
梅肉

(精進加雑膾)
胡瓜
水前寺海苔
独活
茄子
干大根
赤蕪
酢取り岩茸
針生姜
錨防風
煎白胡麻
加減酢
 

六月は点心です。

まずお椀ですが、精進料理のお椀は、
日本料理と違い鰹節が使用できません。
従って昆布だけで取った出汁(だし)がベースとなります。
日本料理はお酒をたしなみながら召し上がる料理ですが、
精進料理は、もちろんお酒を飲むことは許されておりません。
ですから日本料理のお吸い物は、ごく薄味にしてありますが、
精進料理ではやや濃いめにした方が良いと思います。

松花堂縁高 鹿の子枝豆
辛子蓮根
すだれ麩田楽
落小芋石垣寄せ
滝川豆腐青梅掛け
枸杞の実
干ぜんまい東寺巻
べったら木の芽寿司

昆布出汁は昆布の塩分が出ますので、味付けは醤油を少々多い目にした方が、コクが出て良いのではないかと思います。中身は水無月豆腐といい、胡麻豆腐の中に小豆を入れたものです。それに涼しそうに素麺と生の順戈を入れ、色出しした小メロンの種を除いたものが入っています。吸口はサッパリと梅肉で召し上がっていただきます。

向(むこう)は、日本料理ではお魚の昆布〆などが使われますが、精進料理はお野菜を中心とした膾(なます)です。献立には加雑膾(がんぞうなます)とありますが、色々な素材を加えて、混ぜ合わせたものと解釈していただければ結構です。胡瓜、独活(うど)、茄子は短冊に切って昆布塩に漬けたもの、水前寺海苔は戻して細引きにしたもの、干大根も戻して酢につけ込んだもの、赤蕪をそのまま短冊または拍子木に切ったもの、以上を良く水気を絞り、あっさりと飲めるくらいの味の酢で、一緒にからませて出来上がりです。

松花堂縁高に盛ってあるのは、まず枝豆の鹿の子です。長芋の皮をむき、アクを取り、塩を振って柔らかく蒸します。熱々のうちに裏漉しし、塩と砂糖で味を付け、水分がなくなるまで中火にて練り上げます。それを丸く取り、まわりに色良く茹でた枝豆をくっつけ、ラップに包み、軽く押さえて丸くします。辛子蓮根は、蓮根をいったん茹で、軽く味を付け、練り味噌に和辛子を混ぜたものを、その穴に鋳込みます。そして片栗粉と小麦粉で揚衣を作り、油で揚げます。小芋は含ませて、熱々のうちに型に入れ、上から押しをして冷めるまでそのままにしておきます。冷めてから切り出すと、石垣のようになります。滝川豆腐は、イナアガーで寄せ、天突きで突いて使用します。上に青梅のサッパリ味を載せます。干ぜんまいは戻し、十五本くらいを束ね、平湯葉にてクルクルと巻き、干瓢にて結び、含ませます。べったら漬けをごく薄く小口より切り、寿司飯を握り、木の芽を載せて握り寿司にしてあります。