弥生(三月) 苺(いちご)


苺と蕪(かぶら)の博多押し 胡麻掛け、微塵苺
筍万頭(たけのこまんじゅう) 筍ソース、木の芽

つい先日新世紀を迎えたばかりかと思ったら、もう春三月、本当に月日の経(た)つのは早いものですね。三月は苺です。苺は家庭でも気軽に食べられている果実です。

ほとんどが、そのままデザート感覚で食していると思いますが、今月はちょっとしたおつまみにも利用できるような料理にしてみました。まず「苺と蕪の博多押し」です。前にも述べたことがあると思いますが、博多押しとは博多帯に似せて、色々な食材を重ね、重石を載せて、その切り口を見せたものです。今回は苺と蕪を重ねてみました。

蕪は少々厚めの千枚に切って、昆布塩に漬け込み、シャキシャキ感を残します。しんなりしたら押し枠の中にきれいに敷きつめ、苺の薄切りを全面に並べます。これを何回も繰り返し、適当な厚さに重ねます。軽めの重石をのせて、冷蔵庫で一時間程度寝かせ、博多に切り出して器に盛り付けます。そして風味と味にメリハリを付けるために、胡麻衣を掛けてみました。胡麻衣は白胡麻を利用します。胡麻をよく煎り上げ、油の出るまでよく摺ります。豆腐の裏漉しを少し入れて、トロリとする程度のものにし、砂糖と淡口醤油で味を付けます。

このとき、あまり濃い味にしない方が、蕪と苺の素材の味が生きてきます。春三月も中旬を過ぎると新竹の子が出回ります。新竹の子はそのまま薄味で煮た料理の方が食感と香りが生きるのですが、今回はあえて「筍万頭」にしてみました。長芋を蒸し上げ、味醂と淡口醤油で薄味を付けて練り上げたものに、新竹の子の薄切りを一枚一枚花びらのように張り付けてお万頭の形にしました。新竹の子はあらかじめ昆布出汁に淡口醤油と味醂で煮たものを使用します。

 芯にした長芋の中には季節の旬のものを入れ込んでもよいのではないでしょうか。主題の苺はいったんミキサーにかけて、鍋にうつし、火にかけて水分を取り去ったらゆっくりと練り上げていきます。この苺もほんの少量の砂糖を加えて練り上げ、ほど良い酸味を残して甘さがあまり感じない程度の味にすれば、芯にした長芋と新竹の子の味が生きてくるはずです。 筍の素材を生かし、さっぱりとした苺のソースを掛け、季節の山淑の葉をあしらいました。白と赤と緑のコントラストが食欲をそそります。

その他、苺は和えものや、サラダなどにも色々と利用できると思いますので、オリジナリティーあふれる料理をぜひ考えて、試してみてください。