「『伝光録』現代語訳」研究プロジェクト


プロジェクトの趣旨・目的
『伝光録』は、瑩山紹瑾禅師の教えを収録した宗門の根本聖典です。
宗典である『伝光録』を読む場合、原典のままで読むことの難しさは、宗門僧侶を含め、多くの人たちが経験していることだと思います。
ところが、同じ宗典である『正法眼蔵』の現代語訳については数多く出版されているのに対し、『伝光録』の現代語訳は、その数が少なく、書店などでも見つけるのが困難であると言えるでしょう。宗務庁版の『伝光録』が刊行されたとはいえ、その現代語訳については出版されていません。また、今日、先学の『伝光録』に関する解説書なども入手することが難しいという実情があります。
そこで、当センターでは、このような状況に鑑みて、平成21 年度より『伝光録』の現代語訳を開始することになりました。作業を進めるにあたって、提唱録である『伝光録』の文章が瑩山禅師自らが著した著作と異なり、弟子が聞いて記録した文章であるということから、その行間に込められている瑩山禅師の深い意味を汲み取りながら解釈していかなければならないということに留意して現代語訳をすすめるように心掛けています。
 
プロジェクトの成果と今後の予定
当プロジェクトでは、これまでに、平成21 年度は『伝光録』首章「釈迦牟尼仏」章の現代語訳を行い、その成果である現代語訳は、当センター発行の『曹洞宗総合研究センター報(2009 年度版)』に掲載しています。また、平成22 年度は第1 章「初祖摩訶迦葉」章の現代語訳を行い、その成果は『曹洞宗総合研究センター報(2010年度版)』に掲載しました。

平成23 年度は、仙英本『伝光録』(安政4 年開版)を底本として諸本と対校している大本山總持寺発行の『常済大師全集』(昭和12 年発行、42 年再版)に収められている『伝光録』をテキストとして、第2 章「第二祖阿難陀尊者」章の現代語訳に着手し、これまで検討してきた瑩山禅師に関わる宗学上の議論を踏まえ、作業を行ってきました。そして、語注を付けなければならない語句については、その語句に語注を付ける作業をも行ってきました。そのような作業を行い、年度内に第2 章「第二祖阿難陀尊者」章の現代語訳を終えることができました。現在、それを公開するための作業をすすめています。

今後も引き続き、各章の現代語訳をすすめてまいります。その成果については、これからも、当センターの刊行物などに掲載し公開していく予定です。
 
プロジェクトメンバー(50音順)
相澤秀生、粟谷良道(リーダー)、石原成明、河村康仁、小早川浩大、清藤久嗣、清野宏道、西尾古鑑、古山健一、宮地清彦