「葬祭問題」研究プロジェクト


プロジェクトの趣旨・目的
宗門の寺院住職が執り行っている葬儀は、社会から求められている重要な役割の一つであります。そして実際に現場で行われている葬儀には、
仏教の教義と伝統的な民俗が集合した、いわば複合儀礼としてのさまざまな儀式が見られます。しかし、そこで行われる箇々の儀式の意味や「いわれ」といったものについては、僧侶である私たちにも不明なものや、本来の意味が失われ形のみになってしまっているものもあります。
当プロジェクトではこれまで、そのような葬祭の現場で行われている「民俗」の部分に焦点を当て、葬送儀礼の一連の流れの中で見られる習俗や儀礼について、その起源や目的、宗教的意味を明らかにしていく研究を進めております。
 
プロジェクトの成果と今後の予定
これまで『曹洞宗報』に隔月で報告を連載してまいりました。これまで30 回の連載内容は以下の通りです。
  第1 回 葬送習俗について
  第2 回 通夜の起源について
  第3 回 招魂と鎮魂
  第4 回 末期の水
  第5 回 花―一本花―
  第6 回 花―シカバナ―
  第7 回 線香
  第8 回 枕団子
  第9 回 枕飯
  第10 回 死者を守る習俗
  第11 回 逆さ事
  第12 回 死者の装束(1)―なぜ旅装束
  第13 回 死者の装束(2)―経帷子
  第14 回 死者の装束(3)―被りもの
  第15 回 死者の装束(4)―笠と蓑
  第16 回 死者の装束(5)―杖
  第17 回 湯灌(1)―湯灌と清拭
  第18 回 湯灌(2)―葬送儀礼としての湯灌
  第19 回 入棺
  第20 回 副葬の習俗―頭陀袋
  第21 回 出棺(1)
  第22 回 出棺(2)
  第23 回 葬列(1)―葬列の移り変わり
  第24 回「葬列(二)─天蓋(てんがい)─」
  第25 回「葬列(三)─ 龍頭(たつがしら)─」
  第26 回「葬列(四)─遺影─」
  第27 回「葬列(五)─位牌─」
  第28 回「葬列(六)─弓と矢─」
  第29 回「葬列(七)―花籠―」
  第30 回「埋葬の習俗」
以上のように連載したものについて、連載全30 回の内容を一冊の装丁にまとめることを前提に、記載内容の確認や、全体の構成・記述方法の
統一などについて、検討作業を鋭意進めております。連載時には見落としていた視点や、後に明らかになった事例、修正すべき箇所なども確認されております。かつて行われていた習俗を伝えることと、そこにある人びとの故人を思う心を学べる一冊にすることを目指して、資料の整理を進めています。今後更に編集作業を進めて、次年度には成果を刊行していきたいと考えております。
 
プロジェクトメンバー(50音順)
相澤秀生、粟谷良道、佐々木宏幹、佐藤俊晃、椎名宏雄、志部憲一、永井政之、平子泰弘(リーダー)、横井教章