ハワイ国際布教110周年・両大本山別院正法寺創立100周年記念慶讃行事開催報告


11月9日(土)と10日(日)に、アメリカ合衆国ハワイ州ホノルル市にある両大本山ハワイ別院正法寺(土曜日のみ)とシェラトン・ワイキキ(日曜日のみ)を舞台とし、ハワイ国際布教110周年並びに両大本山ハワイ別院正法寺創立100周年記念慶讃行事開催が開催されました。

大本山總持寺からは江川辰三貫首猊下、乙川暎元監院老師が、大本山永平寺からは御専使として丸子孝法副監院老師が、そして曹洞宗宗務庁からは宗務総長代理として小島泰道教化部長が参加され、他にも多くの関係諸老師がたを代表とする団体一行を含め、日本からは総勢約200名、その他の地域(現地、米国本土を含む)からは約400名がハワイの地に参集しました。

今回の慶讃行事は、幾多の困難に立たたされながらも曹洞宗の法輪を転じ、現代まで正伝の仏法を伝えた開教師(現・国際布教師)や、筆舌しがたい環境に置かれながらも寺門の護持に尽力された檀信徒に対する「恩に酬(むく)いる」という意味で、「酬恩-Moving Forward with Gratitude」をテーマに掲げています。日系移民と艱難辛苦を共に過ごし、苦楽を分け合い、現代に至るまでハワイにおける曹洞宗の発展に貢献された方がたへの感謝を表現するには相応しいテーマとなりました。

記念慶讃行事が開催される前日の8日(金)には、江川貫首猊下をはじめ、永平寺・總持寺・宗務庁関係総勢約20名がハワイ州の州庁舎を訪れ、アバクロンビー知事(ハワイ州)を表敬訪問されました。知事は今回の記念行事に際し、祝福の辞を述べ、江川禅師と記念品を交わされました。

初日にあたる9日(土)は午後1時より、ウィラー田辺教授(ハワイ州立大学)による基調講演で一連の行事の幕が開けました。「曹洞宗ハワイ寺院の建造物と美術」という題材でお話ししていただき、本堂に集まった約100名の参加者は熱心に耳を傾けていました。

午後2時15分からは別院の本堂にて、駒形宗彦ハワイ国際布教総監を導師として「ハワイ檀信徒総回向」が執り行われました。読経中に本堂内の檀信徒全員が焼香され、ハワイの曹洞宗を支えてきた檀信徒の方がたの功績に感謝し、ご供養をしました。

大本山永平寺:丸子孝法副監院老師

会場を一旦整えた後、三導師(大本山永平寺:丸子副監院老師、曹洞宗宗務総長代理:小島教化部長、大本山總持寺貫首:江川貫首猊下)の五鏧三拝が行われ、午後3時45分からは、同じく別院本堂内で丸子副監院老師を大導師とした「ハワイ国際布教物故者諷経」が厳修されました。読経中、過去の開教師(現国際布教師)の関係者約15名が焼香し、ハワイでの布教に尽力された布教師の方がたのご供養と共に敬服を捧げました。

大本山總持寺:江川辰三貫首猊下

午後4時30分からは別院敷地内の中庭に会場を移し、小雨が降りしきる中、「放光地蔵点眼法会」が、江川貫首猊下を大導師として厳修されました。ご親修のはじまりとして、江川貫首猊下ご染筆の「放光地蔵尊」と彫刻された額の幕を、江川貫首猊下ご自身と別院檀信徒の子ども達が一緒に除幕を行いました。除幕後、更に激しくなった雨が、まるで遠路はるばる来布された江川貫首猊下に対する、先人たちの感涙の如く感じられました。江川貫首猊下の自らの手により、1体ずつ厳かに点眼された6体の放光地蔵は、別院を含めたハワイの曹洞宗全檀信徒を見守っていくことでしょう。

点眼法要の後、本堂の地下にある社交ホールでは晩餐会が行われました。江川貫首猊下は別院婦人会による手料理を召し上がり、別院檀信徒によるウクレレの演奏などの清興をご覧になっておりました。他にも民族楽器の演奏や伝統舞踊が披露され、ハワイの文化を肌に感じることができました。

小島泰道曹洞宗教化部長

2日目の10日(日)は会場をシェラトン・ワイキキ内に移し、「ハワイ国際布教110周年慶讃法要」では小島教化部長が大導師を務められ、両大本山ハワイ別院正法寺創立100周年記念慶讃法要」では江川貫首猊下を大導師に拝請し、厳修されました。前晩は雨季と言えども稀な激しい雨に見舞われましたが、両法要とも滞りなく執り行われ、ステージ上には30名ほどの宗侶が随喜し、慶祝を讃じました。

その後行われた昼餐会では、大本山永平寺御専使として丸子副監院老師、曹洞宗宗務総長代理として小島教化部長、アメリカ合衆国下院ハワイ州代表として伊藤ケン氏からそれぞれ祝辞を頂戴し、引き続き小島教化部長からハワイ国際布教功労者へ、駒形総監から曹洞宗ハワイ檀信徒功労者へ、渡辺憲市氏(曹洞宗ハワイ寺院連盟理事長)から管内各寺院代表者へそれぞれ表彰状と記念品が授与されました。

清興では太鼓グループや三線クラブよる演奏や、本場のダンサーによる華やかなフラダンスと日本舞踊が行い、会場を大いに盛り上げ、その後太鼓に合わせて、会場を囲むようにして福島音頭を踊ることで参加者の一体感が一層深まりました。万歳三唱は、乙川監院老師からハワイの曹洞宗に対し、穀藏良尚ハワイ国際布教師より来賓・来客に対して行われ、最後はハワイを代表する歌である「アロハ・オエ」を全員で合唱しました。駒形総監から会場への参加者への謝辞を以て、全日程の幕を閉じ、一連の記念行事は無事円成しました。

ALOHA(親愛の情を表現するハワイの造語)の精神によるおもてなしの法雨がふんだんに降り注がれた今回の記念行事は、110年前に蒔かれた仏種がしっかりとハワイの地に根を張り巡らした法樹に育ち、樹下にハワイの人たちを優しく包みこんでいることを、江川貫首猊下を始めとした参加者が感じる事ができました。参加者同士が共有した時間はわずかでしたが、それぞれの記憶に残り、いつまでも語り継がれていく記念行事だったと存じます。