「InterFaith駅伝~平和を願う祈りの駅伝~」が開催されました


2月16日、京都マラソンに併設して、「InterFaith駅伝~平和を願う祈りの駅伝~」が開催されました。「InterFaith駅伝」とは、異なる宗教者(仏教・神道・キリスト教・イスラム教等)4人で1チームを作り、世界平和を願い、タスキをつなぎながらゴールを目指すというものです。「Marathon for a United World(一つの世界を目指すマラソン)」をスローガンに「ルクセンブルグ ING ナイトマラソン」を中心に開催されています。「InterFaith」は日本語では諸宗教間交流と表現され、宗教の枠を超えて、ともに世界平和を願うことを目的としています。

今回は、初めての日本開催となり、寺院や教会など多くの宗教施設が建ち並び、多数の宗教者が集う世界的な宗教都市である「京都」にて10チーム、合計40人の宗教者がタスキをつなぎ「東日本大震災の復興」と「世界平和」を願いました。京都は「駅伝発祥の地」とされ、三条大橋は1917年に開催された日本初の駅伝である京都~東京上野間の「東海道駅伝徒歩競争」のスタート地点になりました。三条大橋とゴール地点の上野の不忍池にはそれぞれ「駅伝発祥の地」の碑が建立されています。

 

特別交流イベント「ピーピース」

前日の15日午後3時より「祈」「市」「歌」「話」「食」をキーワードに、宗教者だけではなく一般の方がたも参加できる特別交流イベント「ピーピース」が開催され、その様子はインターネットのUSTREAMを通じて全世界に配信されましました。

 

各宗派の「ゆるきゃら」が勢ぞろい

 

日蓮宗の「こぞうくん」、浄土宗の「なむちゃん」、曹洞宗からは梅花流詠讃歌の公式キャラクターの「ばいかさん」など各宗派のゆるキャラ13体が集い、それぞれのキーワードに則して行われるイベントに参加し、会場を盛り上げました。午後5時からは「祈りの時間」が設けられ、東日本大震災で被災した東北福祉大学健康科学部保健看護学科3年の菊池彩加さんとInterFaith駅伝創始者のインゴ・ハンケさんが祈りの言葉を述べられました。菊池さんは岩手県釜石市出身で、大学入学を控えた高校3年生の春休みに被災し、実家を津波に流されてしまいました。現在は様ざまなボランティアに積極的に参加し、昨年は全日本仏教青年会主催の国際交流プログラムや仏教伝道協会の復興支援ボランティアにも参加しています。「被災して辛かったが、ボランティアなど支援してくれた方がたにはとても感謝している。これからも被災地のことを忘れず、復興できるように祈って欲しい」と話されました。会場にいた全員が黙祷し、被災地の復興と全世界の平和を祈り、また、会場に来られなかった人にはUSTREAMを通じ「祈」に参加していただきました。

東北福祉大の学生、菊池さん

 

「食」のコーナーでは各宗教者が食べられるように、日本の伝統的な精進料理とおでんが振る舞われ、参加者はそれらを堪能しながら様ざまな人と話し、交流を深めていました。その後、鈴木君代さん(真宗大谷派僧侶)と一期一会というグループで音楽活動している水野宏泰さん(臨済宗妙心寺派僧侶)によるライブや、各ゆるキャラの紹介が行われ、大盛況のうちに終わりました。参加者からは、「ゆるキャラがこんなにたくさんあるとは思わなかった。今回はそれぞれのキャラを通じて各宗派が交流を深めることができた。これからもこういった場を設けてほしい」との声が寄せられました。また、チャリティーオークションでの売り上げの一部は東日本大震災の復興支援に寄付されるそうです。

 

InterFaith駅伝

前々日の大雪により、大会の開催が懸念されましたが、当日の16日は晴天に恵まれ絶好のマラソン日和となりました。曹洞宗からは岐阜県岐阜市観音寺住職山守隆弘さん(28歳)、滋賀県長浜市實宰院副住職大河内徹成さん(34歳)、京都府福知山市光明寺住職山田剛正(40歳)さん、静岡県沼津市大泉寺住職小島健布さん(40歳)、京都府京丹後市大林寺住職田中昭範さん(32歳)大阪府大阪市長楽寺副住職田伏公英さん(40歳)(控え)の6人が参加しました。

 

一斉にスタート

 

京都市消防音楽隊によるオープニングセレモニーのあと、9時に門川大作京都市長の号砲により、京都マラソンランナー16000人が西京極総合運動公園をスタート。引き続きInterFaith10チームのスターターも祈りを込めた紫色のタスキを肩にスタートし、有名な寺社が建ち並ぶ古都京都を駆け抜けました。最初のタスキ受け渡し地点、第1中継所の世界遺産仁和寺前では、仁和寺僧侶が「忘れない!その走りと復興支援」と書かれた横断幕を掲げながらランナー達を激励しました。第3中継所の聖ドミニコ修道院前では3区のランナーから4区のアンカーへ、すべてのランナーが繰上ることなくタスキを無事つなぐことができました。アンカーは8キロのコースを、ゴールの平安神宮の応天門前まで完走。

 

曹洞宗僧侶の小島さん

 

京都マラソンはアップダウンが多いコースですが、1人の脱落者を出すこともなく、40人全員が無事完走しました。ゴール地点には京都市長が待ちうけ、ゴールしたランナーと握手を交わす場面もありました。4区を走った田中昭範さんは「最後の長い上り坂で歩きそうになったが、被災された方がたへの想いを込めて、絶対に歩かないでゴールしようと心に決めていたので、走り切れました。辛かったときもあったけれど、やり切れてよかったです」と話されました。

 

表彰式

その後、臨済宗妙心寺派大本山妙心寺横の花園会館で表彰式が行われました。InterFaith日本実行委員会長の関﨑幸孝氏(公益財団法人全日本仏教会事務局長)の御礼の言葉に続き、門川京都市長より「無事終わり本当におめでとうございます。今回いただいたご縁を大切にし、また是非開催したい。次回は10チーム40人と言わず、100チーム400人という規模でやりたい。この運動を通じて、世界平和が少しでも実現することをお祈りします」と祝辞をいただきました。そして各チームが表彰され、関﨑委員長より走者全員にタスキ、メダルが、また日本バプテスト連盟医療団の小西さんより、記念のストラップが手渡されました。諸宗教間で構成された各チームはそれぞれ表彰されると、肩を組んで抱き合うなど、お互いの健闘を称え合いました。

 

曹洞宗のランナーたち

その後歓談となり、各宗教、各宗派の方がたは大いに交流を深めていました。参加した曹洞宗の僧侶は、「宗教を超え、国を超えた行事に参加させていただいて大変うれしい。また次回も是非参加したいと思います」「普段から走っているので緊張はしませんでしたが、他宗派の方と交流する機会はなかなかないので、良縁を頂き、良い経験になった」など感想を話されました。途中、前述のInterFaith駅伝創始者で、今回のランナーでもあったハンケさんより、御礼の挨拶と、本年5月31日にルクセンブルクで行われる「ルクセンブルグ ING ナイトマラソン」の案内があり、「是非みなさんに参加してほしい」との言葉をいただきました。最後に全日本仏教会の小林正道理事長より挨拶があり、全てのプログラムが終了しました。

 

ランナー及び関係者の皆さま、大変お疲れ様でした。この駅伝を機会にさらなる諸宗教間交流が深められることを願います。