二祖峨山韶碩禅師大遠忌 東海管区予修法要が執り行われました


20140602-15月15日(木)、東海管区における大本山總持寺二祖峨山韶碩禅師650回大遠忌予修法要は、三重県の南部に位置し、真珠の養殖で有名な英虞湾(あごわん)に浮かぶ賢島(かしこじま)にある宝生苑で行われました。周囲7㎞の賢島は、本土との距離が10mに満たないため、昔は干潮のときに歩いて渡れたことから、“徒(かち)”で渡れる「かちこえ島」といわれ、それが後に「かしこ島」になり、鉄道が開通した折に「賢島」と漢字表記が当てられました。

午前10時の定刻通り、佐々木孝一宗務総長からの挨拶が予修法要の始まりを告げました。導師を勤められる大本山永平寺貫首 福山諦法禅師が上殿された後、曹洞宗で最も格調高い「伝供十八拝」の法要が滞りなく行われました。

20140602-3一通りの法要が終了した後、福山禅師から、「私たちは今日に至るまで、どれだけの遇い難いご縁によってその み教えを相承しているのか、そして、社会の混迷、人心の不安が今後ますます懸念される将来に向かって、私たちは身心を挙して み教えをどのように伝えていくのか、ということを今一度自ら深く問い直し、考えていただきたいと念じます」と、ご垂示がありました。大本山總持寺監院・大遠忌局総監 乙川暎元老師は、近畿、四国管区に続き、今予修法要でも導師を勤められた福山禅師への感謝とご体調への労いのお言葉があり、峨山禅師のご功績と、明年の本法要に対する意気込みを話されました。

20140602-2昼食会場では、清興として「マーヤの会」による合唱が行われました。この会は、平成17年に太田紀子さん(三重県大紀町大蓮寺 寺族)が中心となり、仏教讃歌がほとんど世間に知られることがないことを残念に思い、仏教讃歌を歌う全国で唯一の寺族だけの女声コーラス隊を立ち上げました。メンバーは三重県第1宗務所管内の寺族で構成され、現在は10名が在籍しています。美しいメロディーにのせて、一般の人たちにお釈迦さまのみ教えを広めたいという趣旨で活動しています。自主制作したCD「みほとけは」が、仏教関連雑誌で紹介されたのを契機に、全国から注文が殺到し、2,000枚近くを売り上げました。以降、三重県だけでなく、全国から出演依頼がくるようになりました。

今回の演目は、「いまささぐ(ささぐみあかし)」、「いのち」、「いのち まいにち あたらしい」、「みめぐみの」、「あなたとであって」、「み教えをあなたと聴く」の6曲でしたが、お釈迦さまのみ教えに基づく歌詞の意味を伝えるため、それぞれの歌に丁寧な解説を入れていました。優しい旋律に乗せた8名の美しい歌声とハーモニーが聴衆の心に深く染み入り、聴き入っていました。

会の発起人であり、梅花流一級詠範の太田さんは、「ご法話をされたり、ご詠歌をお唱えすることも大変ありがたいことですが、仏教讃歌に親しむ機会を作ることも布教の一環になると思います」と、仏教讃歌の知名度が上がることに期待を寄せていました。

午後になり、同じ会場で東海地区 管区集会が行われました。東海管区長の服部秀世静岡県第1宗務所長は、参加者に「法要や儀礼の中に、檀信徒や人びとが心を寄せる和合の力が、また人びとの苦しみを癒す法の力があると思います。予修法要という報恩の仏事を通じて、仏さまの教えを受け継ぎ伝えていく相承の心を自覚し、それを勤めていくということに感動された方が多かったのではないでしょうか」と挨拶と併せて、予修法要と管区集会が併催される意義を述べられました。

20140602-5引き続き、「相承-生命(いのち)の尊さにめざめる-」という演題で、愛知専門尼僧堂堂長の青山俊董老師が記念法話をされました。青山老師は、瑩山禅師と峨山禅師のやり取りである「両箇の月」を取り上げ、「一つの月は天空に輝く月、真如の月、仏性そのもの。その働きをいただいて、地上の全ての生き物はお互い生かされ、ひとしく命を営んでいる。これがもう一つの月である」とお話しされました。

また「相承」については、「達磨大師相承一心戒文には、『受とは伝なり、伝とは是れ覚なり、即ち仏心を覚るを真の受戒と名く』という言葉がある。授(受)けるということは伝えるということ。伝えるということは気付くということ。『相承』とは伝えていくことで、物のやりとりではない。初めから授かっている天地一杯のいのちの営みによって、自分自身が生かされていることに気付き、自らの仏性を自覚する。それが『相承』『伝える』ということである」

「お釈迦さまの教えに照らされたいのちの尊さに気づき、その有難味を頂戴しておきながら、なかなかそれ相応の生活を送ることができない。限りない感謝と懺悔、そしてその素晴らしいいのちを大事にして今を生きていこう、という誓願を胸に抱き、毎日の営みを歩ませていただいている」と語られました。

管区内10宗務所、3,000余か寺、檀信徒27万世帯、全国9管区中で最も多くの寺院と檀信徒を擁する東海管区で行われた一連の行事は、様ざまな勝縁をいただき、無事円成しました。予修法要の運営関係者は「今回の予修法要を準備するにあたり、大遠忌局と宗務所、その他関連部署と入念に連絡を取りつつ進めた甲斐があり、無事に終えることができました」と、安堵の表情を浮かべていました。