曹洞宗総合研究センター第16回学術大会開催報告


20141208_1平成26年10月22日・23日の両日、曹洞宗檀信徒会館(東京グランドホテル)を会場として、曹洞宗総合研究センター第十六回学術大会が開催され、3会場に分かれてシンポジウム3件、46件の個人発表が行われた。

大会初日は午前9時30分より「桜の間」にて本尊上供、宗歌斉唱の後、大谷哲夫総合研究センター所長挨拶の差定にて開会式が挙行され、引き続き午前10時から平成26年3月に刊行された『曹洞宗檀信徒意識調査報告書2012年(平成24)』の、刊行記念報告会―供養文化を担う人びと-が開催された。

平子泰弘センター専任研究員を司会に、調査の結果に見られる檀信徒の宗教行動や宗教意識を通しての寺檀関係の現況などについて、
①「調査の概要」として平子泰弘センター専任研究員より、
②「寺院の役割と檀信徒の帰属意識」として徳野崇行駒澤大学非常勤講師より、
③「檀信徒の意識から見えてくるもの」として松島公望東京大学大学院助教より、
④「年齢層差にみる檀信徒-初めての人口減少期を迎えた檀信徒と寺院」として川又俊則鈴鹿短期大学教授より、
⑤「過疎地域における檀信徒の供養と菩提寺」として相澤秀生センター特別研究員より、
それぞれ研究報告がなされた。

20141208_2また、昼食後個人発表をはさみ、午後2時半より3階桜の間において、峨山禅師650回大遠忌記念シンポジウム「峨山禅師の禅風とその相承-人材育成の先達に寄せて-が開催された。これは、平成27年に厳修される、峨山禅師650回大遠忌にちなみ、峨山禅師の禅風と總持寺・永光寺にて育まれた多くの法孫の顕彰を命題としている。宮地清彦センター専任研究員を司会に、
①「瑩山禅師と明峰・峨山禅師のつながりについて」として佐藤秀孝駒澤大学教授より、
②「四つの峨山石―峨山禅師の顕彰問題」として尾﨑正善鶴見大学非常勤講師より、
③「『峨山和尚山雲海月』について」として松田陽志駒澤大学准教授より、
④峨山禅師の教えを相承された方がた(1)-通玄・太源禅師とその門流について」として山口正章大本山總持寺副監院心得より、
⑤峨山禅師の教えを相承された方がた(2)-無端・大徹・実峰禅師とその門流について」として宮地清彦センター専任研究員より、それぞれ研究報告がなされた。また、蘭の間においては午前・午後にわたって、芙蓉の間においては午後に、それぞれ個人発表が行われた。

第2日には午前10時より桜の間において、梅花流詠讃歌研究プロジェクトより、研究報告「梅花流詠讃歌研究の新視点」が行われた。

平成25年に発足した当プロジェクトは、曹洞宗内の事情に限らず、広い視野に立ち、「近現代社会における仏教音楽の意義」に関する専門的知識を習得し、仏教・曹洞宗の教学体系における詠讃歌の位置付けの研究を進めている。近・現代教団史における梅花流の歩み・その役割と機能を検証することによって、今後の宗門における音楽を用いた布教教化のあり方の構想を目的としている。平子泰弘 センター専任研究員を司会に、
①「中世洞門抄物に見る和歌の意義」として清野宏道センター宗学研究部門研究員より、
②「なぜ、「梅花」なのか-雑誌『大乗禅』に見る「梅花イメージ」の高揚」として関水博道センター専任研究員より、
③戦後宗門の社会事業と音楽布教-「曹洞宗宗務院社会部」の位置付けより」として、宮地清彦センター専任研究員より、それぞれ研究報告がなされた。また、個人発表は桜の間において午後より、午前・午後にわたり蘭の間において、芙蓉の間においては午後より個人発表が行われた。

各部会の個人発表では池田魯參駒澤大学総長をはじめ、峨山禅師650回大遠忌にちなみ、「補陀寺所蔵峨山禅師頂相の紹介-月泉派下における相承について」と題した飯塚大展駒澤大学教授の発表や、従来の宗学や教化学に関連する分野はもちろんのこと、寺院におけるAEDと救急救命法普及に関する実践報告、坐禅の心理学的研究の様相、坐禅会開催における「場」の考察、宗門とソーシャルメディアリスニングの重要性、仏前結婚式、現代の仏像に対する信仰心についてなど、幅広い視点からの意欲的な発表がされた。

二日間にわたる大会では、両日共に宗門内外からの、熱心な聴講者が見られ、盛会裡に幕を閉じた。なお、発表内容は後日、総合センター学術大会紀要並びに講演録としてまとめられる予定である。  

(総合研究センター記)