梅花流創立65周年記念奉讃大会 開催報告


サンドーム福井

去る5月23日(火)から26日(金)にかけて、梅花流創立65周年記念奉讃大会が開催されました。昭和27年高祖道元禅師700回大遠忌に合せて創立された梅花流は、本年65周年を迎え、これを記念して本大会では、24日、25日の両日、越前市「サンドーム福井」に於いて式典が、23日から26日まで大本山永平寺で報恩献詠が行われました。

開催期間中、1万人を超える人びとが集い盛大に開催された今回の記念大会では、平成18年に発表された詠讃歌「まごころに生きる」の作者で、シンガーソングライターの南こうせつ氏による新曲「澄みわたる空」が発表されました。

 

第1部 開会式

記念式典が行われた「サンドーム福井」は、その名のとおりドーム状の屋根のある全天候型のイベントホールです。平成12年に高祖道元禅師ご生誕800年慶讃梅花流全国奉詠大会が開催された会場としてご記憶の方も多いことでしょう。

記念式典の会場は、1日目に4,999人、2日目に5,178人が訪れました。

記念式典の開始を告げる大梵鐘が鳴り響いた後、勇壮な太鼓の音が響き渡りました。大会のオープニングを彩ったのは、京都を活動拠点に国内外で活躍する和太鼓集団「BATI-HOLIC(バチ・ホリック)」の演奏でした。

演奏が終わると舞台中央に副大会長・渡部卓史伝道部長が現われて、「開会の言葉」を述べました。渡部伝道部長は、梅花流創設時の逸話として、永平寺で初めて梅花流詠讃歌を唱えた一人であり、後に大本山永平寺第七十七世貫首となった丹羽廉芳禅師の当時の苦労話を紹介され、「梅花流を今日の発展に導いた先人のご恩徳に感謝しつつ、今大会が参加者の皆さまにとって素晴らしい一日となるようお祈りいたします」と、高らかに開会を宣言しました。

献灯献花

次に、献灯献花が行われました。初日はアメリカ・ロサンゼルスより来日された両大本山北米別院・禅宗寺の男女合わせて4人の講員さんが、2日目には地元福井県宗務所、長継寺梅花講の皆さんが登壇し、壇上の一仏両祖に恭しく灯火と花を捧げられました。

続いて、「お誓い」の唱和が行われました。1日目の挙唱司は、献灯献花と同じくロサンゼルス禅宗寺梅花講のアビラ・ブライアンさんが、2日目は福井県宗務所、永建寺梅花講の野々早美さんが、それぞれ務められました。

次に、記念法要へと移りました。「三宝御和讃」の奉詠が会場に響き渡る中、舞台両袖より曹洞宗宗務庁各部長と大会役員が入堂して両班の位に就きました。次に、舞台左手より山上道正福井県宗務所長のご先導のもと、大本山總持寺副貫首石附周行老師に続き、大本山總持寺貫首江川辰三禅師が入堂されました。最後に舞台右手より、釜田隆文宗務総長のご先導のもと、大本山永平寺副貫首南澤道人老師に続き、本法要の大導師を務められる大会総裁・曹洞宗管長 大本山永平寺貫首福山諦法禅師が上殿されました。

福山禅師が舞台中央で拈香法語を唱えられた後、満場の参加者は『般若心経』を読経し、続いて「大聖釈迦牟尼如来讃仰御詠歌(高嶺)」を奉詠しました。

記念法要が終わると、舞台は暗転し、正面スクリーンに曹洞宗の復興支援活動の映像が映し出されました。準備が整った後、江川禅師ご導師のもと、講員物故者並びに阪神・淡路大震災二十三回忌・東日本大震災七回忌・熊本地震一周忌 追悼法要が営まれました。

江川禅師による拈香法語の後、梅花講員物故者への追善と、近年日本中で続く自然災害の犠牲者による物故者の冥福を祈るため、舎利礼文の読経と「追善供養御詠歌(妙鐘)」の奉詠が行われました。読経・奉詠の間に代表者による焼香が、兵庫、大分、熊本、福島、宮城、岩手の各県被災地より訪れた皆さまにより行われました。

写真左より副総裁・石附周行老師 名誉総裁・江川辰三禅師 総裁・福山諦法禅師 副総裁・南澤道人老師

追悼法要が終わり、両禅師と両副貫首は南面し、会場を埋め尽くす参加者と相対しての「相見の拝」となりました。会場の皆さまが一同に合掌礼拝した後、福山禅師は、「梅花流の名にもある梅は寒苦に耐え、花を咲かせます。人生もこれに似て、苦難に遭っても精進を怠らず安心の境地を目指し、心に安らぎを得るのです。まさに仏道修行であります」と述べられ、永平寺での献詠でも姿勢を正し作法に従って奉詠し、人々の安穏と世界の平和を祈っていただきたいと、ご垂示されました。その後、「聖号」が唱えられる中、両禅師が退堂し、開会式は終了しました。

 

 

第2部 記念式典

大会長・釜田隆文

第二部の式典に移り、はじめに大会長挨拶で、釜田宗務総長は、「多くの方々が梅花流を通して一仏両祖の御教えを学び、実践してきました。そして梅花流のつぼみは国内だけでなく、海外にも渡って花を咲かせています。今日においても梅花流は宗門においてもっとも大きな教化組織です」と賞賛し、多くの困難を乗り越えて梅花流を支えてきた師範、詠範、教範の皆さまに心よりの謝意を述べました。

次に表彰式となり、釜田総長より、梅花講員になって20年以上の方に贈られる奨励賞が、代表者に手渡されました。表彰の代表者は、1日目が栃木県光真寺梅花講・鈴木清子さん、鳥取県慶壽院梅花講・田中一洋さん、愛知県本覺寺梅花講・唐井建子さん、2日目が宮城県鳳仙寺梅花講・梅田光子さん、山形県乗慶寺梅花講・海藤律子さん、福岡県金龍寺梅花講・相馬静子さんでした。表彰された皆さんに向けて会場からは大きな拍手が贈られました。

表彰式が終わり、河村松雄総務部長の呼びかけにより曹洞宗義援金の勧募が行われました。今年は各地で甚大な被害をもたらした大震災の節目の年にあたり、追悼と復興へのあふれる思いから、例年にも増して、会場の皆さまより、2日間で合計5,014,647円という多額の浄財を賜わりました。

募金の案内が終わり暫し休憩となりました。休憩中、来賓が紹介され、1日目には、西川一誠 福井県知事、2日目には、石塚博英 福井県副知事が挨拶されました。石塚副知事はご自身も県内の曹洞宗寺院の住職であり、大本山永平寺の所在する福井県の魅力をユーモアを交えてお話しになりました。

 

第3部 清興

新曲を披露する南こうせつさん

今大会の目玉の一つである梅花流の新曲発表を兼ねて、シンガーソングライターの南こうせつさんによるミニコンサートが催されました。ご自身も大分県の曹洞宗寺院に生まれ、少なからぬ仏縁を感じられると語られたこうせつさんは、バンドメンバーと共に、舞台中央の一仏両祖と梅花観音に合掌一礼をして演奏を始めました。「まごころに生きる」から始まり、かぐや姫時代の「神田川」など往年の名曲を数曲披露され、いよいよ新曲の発表の時を迎えました。新曲「澄みわたる空」は、坐禅を行う前などに口ずさんでもらい、心が澄みわたり清々しくなるような曲をイメージして作曲されたといいます。新曲が披露される中、会場からは曲に合わせて手拍子が響き、中には早速一緒に口ずさむ人もいました。披露が終わると会場から盛大な拍手が沸き起こりました。

 

第4部 閉会式

閉会式

舞台では、釜田大会長・渡部副大会長をはじめ、大会役員が椅子に腰かけて横並びになり、やがて詠讃師により「坐禅御詠歌(浄心)」が独詠される中、参加者全員で心静かに椅子坐禅を行いました。

終わって、渡部副大会長は「閉会の言葉」で、今大会の新曲「澄みわたる空」を末永く詠い継いでほしいとの願いと、また、今回特別なご配慮を頂戴して大本山永平寺で献詠できたことに感謝の意を述べました。

ここで、次年度の開催地が告知されました。まず、舞台スクリーンに、紹介映像が流されました。ばいかくん・ばいかさんが登場し、次年度の大会開催地である「静岡県」を発表しました。次に静岡県第一宗務所の伊藤正見所長が登場、全国の梅花流のお仲間を静岡に迎えられることは光栄であると、喜びを述べられました。

副大会長・渡部卓史伝道部長

最後に、渡部副大会長は、「梅花流を知らない方にもご縁の輪を広げ、新たなお仲間を迎えて静岡に足を運んでいただきたい」と述べ、式典を締めくくりました。

フィナーレは、南こうせつさんのコンサートの余韻も冷めやらぬ中、恒例の「まごころに生きる」の大合唱。会場の合唱の声は、例年の大会よりも思いのこもったものに聴こえました。

65周年となる今回の式典は、梅花流を通して仏縁を育み、全国にいるお仲間との絆を深めることのできる、素晴らしい大会でありました。

 

「唐門」をくぐる参加者

報恩献詠

大本山永平寺報恩献詠

次に、大本山永平寺報恩献詠の様子を報告いたします。
報恩献詠は、23日(火)から26日(金)にかけての4日間の日程で営まれました。

今回は特別に、新しい禅師さまが晋山される時などしか開かれない「唐門」が開かれ、参加者達はこの唐門をくぐってから山門まで赴きました。山門では永平寺のご厚意により茶所が設けられており、修行僧から直接お茶を頂くことができ、参加者は皆喜んでいました。展待を受けた参加者は、梅花流特派師範の案内のもと法堂へ向かいました。

法堂では椅子席が用意されており、それぞれの位に就いた参加者は、作法に従って道元禅師が仏の恵みを詠んだ「大本山永平寺第一番御詠歌(渓声)」を報恩献詠しました。

報恩献詠後には、高祖道元禅師の御真廟である承陽殿にお参りをした後に、僧堂、祠堂殿、吉祥閣を経由して、出口となる龍門までの順路をゆっくり散策しながら巡りました。通用門から龍門の途中には、大本山永平寺七十三世熊沢泰禅禅師揮毫の「渓声」の歌碑があり、法堂で唱えた記念に立ち寄ってお参りをする方も多くみられました。

「ばいかくん」と「えい坊くん」

龍門を出て帰路に着く参加者の多くは、門前で買い物を楽しまれました。門前には途中、「ばいかくん」と地元永平寺町のキャラクター「えい坊くん」とに囲まれ、一緒に写真を撮ることのできるスポットが設けられ、旅の思い出にと皆さん喜んで写真を撮っていました。

次年度は梅花流の原点である静岡県での開催です。梅花流の創成期を支えた地に、一人でも多くのお仲間を招くことが出来ることを願います。