平成29年「禅をきく会」開催報告


平成29年10月3日、曹洞宗宗務庁が主催する「禅をきく会」が東京都港区のメルパルクホールにおいて開催されました。

今回の「禅をきく会」は、梅花流詠讃歌を中心にプログラムが構成されました。

第一部では「禅話と東日本大震災七回忌追善奉詠」と題して法話と奉詠による追善供養が、第二部では「禅の聲―お釈迦さまのご生涯」と題して釈尊の生涯を梅花流詠讃歌でたどるステージが披露されました。

来場者を迎えるばいかくん

当日は約500人が来場されました。会場入口では、梅花流のマスコットキャラクター「ばいかくん・ばいかさん」が来場者を迎えました。梅花講員にはすでにお馴染みとなっているこのキャラクターたちと、握手をしたり記念撮影をする人も多くいらっしゃいました。

第一部が始まり、薄暗いステージの中央で「四摂法御和讃」の奉詠が始まると、ステージがライトに照らされ、今回の出演者が現われました。

今回出演された梅花流特派師範は次のとおりです。

神奈川県 岩泉寺住職 片岡修一 師範、埼玉県 靜簡院住職 山﨑隆宏 師範、千葉県 延命寺住職 昆尚道 師範、茨城県 泉福寺住職 野口謙治 師範、神奈川県 珠泉院副住職 水島博恭 師範、東京都 宗保院住職 鬼頭広安 師範、埼玉県 宗源寺住職 牧野義眞 師範、栃木県 髙徳寺副住職 渡邊清徳 師範、埼玉県 壽昌寺住職 長塩寿秀 師範、茨城県 泉福寺住職 小嶋弘道 師範、千葉県 新井寺副住職 松井量孝 師範

この他、関東の梅花流研修員並びに梅花流師範養成所所員の有志8人が加わり、総勢19人が参加しました。

曹洞宗特派布教師の渡邊祥文師

「四摂法御和讃」が終わると、曹洞宗特派布教師で福島県福島市・長秀院住職の渡邊祥文師が、東日本大震災から6年が経過した今、当寺の自身の体験をお話しされ、さらに、菩薩行の実践である四摂法により、困難にある人びとをいかに救うべきか、そのあり方が説かれました。

ひとつひとつのエピソードは真に迫り、大震災の記憶の風化が懸念される昨今、あらたに記憶を呼び覚まさせてくれたお話しに、涙を流す参加者もおり、心打たれていたようでした。

禅話がおわると、東日本大震災七回忌追善のために、「追善供養御和讃」と「追善供養御詠歌」(妙鐘)が厳かに奉詠されました。

奉詠が終わりステージの幕が下りると、ここで暫しの休憩を挟み、第二部に移りました。

 

第二部では「禅の聲―お釈迦さまのご生涯―」と題して、梅花流特派師範らによる詠唱パフォーマンスが披露されました。

立行で巡る師範ら

梅花流詠讃歌のお唱えは、横に並んで奉詠するのが通常ですが、今回は立行で歩きながら奉詠するなど、さまざまな動作を交えることで、釈尊の誕生、成道、涅槃までを参加者に「見せる」お唱えに挑戦しました。高齢化に伴い講員が減少する中、これまでの「お唱えをする講員」を中心に据えるやり方から、この試みでは詠讃歌を心の癒しとして「聞く講員」の掘り起こしを目指しました。

ステージ脇では小嶋・松井両師範が釈尊のご生涯を紹介しながら、このアナウンスにそって、パフォーマンスが進行しました。

はじめは、お釈迦さまのご誕生を祝う行事「花まつり」を題材にしており、まず「花供養御和讃」が唱えられました。客席では二人の僧侶が、参加者に向かい散華を行いました。舞台では鏧子と木魚に合せて、大きな鈸が打ち鳴らされる中、奉詠が行われました。引き続いて中央では詠題司・詠頭司の二人が「釈尊花祭御和讃」を奉詠。テンポよいお唱えが会場に響く中、舞台の両脇から数人の師範が立行をしながら舞台中央に向かって歩みを進めました。その後、舞台上で両脇からの列が交差し、8の字を描いて舞台を巡りながら奉詠を行いました。

つぎは、お釈迦さまが悟りを得た「成道」をモチーフにした「大聖釈迦如来成道御詠歌」(明星)が唱えられました。舞台では、静かに坐禅をする僧侶が居並ぶ中、お釈迦さまの成道を讃える「明星」が唱えられました。

篠笛の演出

つづいて、お釈迦さまの涅槃をモチーフに「大聖釈迦如来涅槃御詠歌」(不滅)が唱えられました。ここではお唱えの前に、前奏として牧野師範が篠笛により「不滅」が演奏されました。つぎに片岡師範による独詠が厳かに行われました。最後に、全員で「大聖釈迦牟尼如来讃仰御詠歌」(高嶺)が唱えられ、お釈迦さまの遺徳を偲びました。

最後に「礼拝」となり、お釈迦さまの尊像が正面のスクリーンに映し出され、会場にいる参加者とともに映し出された尊像に向かって三度のお拝を行いました。

「澄みわたる空」の大合唱

お釈迦さまの生涯をたどるステージが終わると、参加者との合唱のステージが始まりました。片岡師範が新曲を唱え、そのお弟子の片岡継宗師がギターを演奏し、梅花流創立65周年の記念に作られた新曲「澄みわたる空」のデモンストレーションが行われました。つづいて舞台に出演者が全員登場し、参加者全員による新曲の合唱が行われました。

合唱が終わると第三部に移り、曹洞宗総合研究センター研修生による、いす坐禅の指導が行われました。舞台では左右にイスに腰掛けて姿勢を正す僧侶が並び、その坐る姿を手本とし、丁寧な解説指導のもと、参加者はしばし静かに自席でいす坐禅を行いました。

 

山本健善教化部長

最後には主催者を代表し、山本健善教化部長より挨拶がありました。

「禅をきく会」では、初の試みとなる梅花流詠讃歌を中心に据えた今回の企画により、梅花流を知ってもらい、禅の教えを分かりやすく伝える、その魅力を味わっていただければ幸いであると、閉会の挨拶を締めくくりました。

会場で参加者に配布されたアンケートには、「初めて梅花流を聴いた」という声が多く、今後もこのような舞台でのパフォーマンスを期待するとの声が多くありました。

なお、今年も会場では曹洞宗義援金の募金が呼びかけられ、参加者より155,973円の義援金が寄せられました。

本年も会場内のロビーには「第3回曹洞禅フォトコンテスト」入賞作品が展示されました。今年も1,300点を超える応募があり、展示された受賞作品32点は作品づくりへの意識が高く、来場者は興味深げに作品を鑑賞していました。