曹洞宗保育連合会創立60周年記念大会開催報告


曹洞宗保育連合創立60周年記念大会が、11月23日(土)に浅草ビューホテルを会場とし、開催されました。

今回で創立60周年を迎える曹洞宗保育連合会は、昭和28年11月15日に大本山總持寺を会場とし、当時の施設代表者が幼児期における仏教情操教育を旗印に結集し、発足しました。以来毎年両大本山を始め、全国各地の寺院で研修会を開催し、参加者の情操研鑽に務め、現在は351団体が加盟しています。


今回の記念大会では、創立60周年記念法要、保育連合会会員物故者追悼法要に引き続き行われた記念式典の表彰式では、施設表彰62団体、個人表彰329名が対象となり、代表者が壇上にのぼり、表彰を受けました。

引き続き行われた記念講演では、講演者の一人である奈良康明師(大本山永平寺西堂、仏教学美術振興会理事長、元駒澤大学総長)が、「『共創』社会にむけて」という題で講演されました。「個々の存在はかけがえのない大切なものであり、それぞれが関わりあって存在している。他者に対する関心をもち、共に生き、共に育み、共に一つの社会を創る」ことの重要性を述べ、その実践を身(他者の嫌がる事をしない)・口(他者を思いやる言葉)・意(他者を自分に充てる)に当てはめ、「現場に立つ一人ひとりが共に命の尊さを考え、実践し、努力しなければならない」と会場の参加者を喚起されました。

次に登壇された清川輝基氏(子どもとメディア代表理事、チャイルドライン支援センター・アドバイザー)は、「メディア漬けで壊れる子どもたち」と題し、世界一メディアに浸っている日本の子どもたちが、室内に閉じこもる時間が増えることで体力や筋力が低下し、映像を相手にすることで言語の発達や、対人関係の発育を阻害していることに警鐘を鳴らしました。また、統計データをもとにした具体的な数値を挙げ、現在の子どもたちの身体的・精神的な状況を報告し、家庭以外の場で、現実的に幼児教育に携わっている方がたの重要性を再確認させました。

近年、謳われ続けている少子化傾向に伴い、将来の日本社会を支える重要な役割を担う子どもたちの幼児期に培う特性がますます肝要な時代になってきました。その教育現場に立つ方がたは、幼児教育という役割だけではなく、社会で自立できる「人間」教育の第1段階の場としても期待されています。

現代は、子どもを取り巻く環境が多様化・複雑化し、適応することでさえ困難な時代になりつつあります。今後とも発会当初の理念を揺るがすことなく、ますますのご発展とご活躍に期待を寄せます。