宗務総長談話(コーラン焼却問題について)


宗務総長談話(コーラン焼却問題について)

 

2010年9月30日

 

 先般、アメリカ・ニューヨークにおいて、世界貿易センタービル跡地近くにイスラム教礼拝施設モスクを建設する計画をめぐり、フロリダ州のキリスト教教会牧師が「イスラム教は暴力的で抑圧的な宗教である。イスラム教の教えと理念の危険性を警告する」との自らの考えから、世界同時多発テロ事件の記念日にあたる2010年9月11日にイスラム教の聖典コーランを焼却する集会を開催すると表明しました。その後、教会牧師は計画中止を発表したものの、当該の9月11日には、テネシー州ナッシュビル近郊において、キリスト教会の牧師ら2人が自宅の庭でコーランを焼却しました。
 こうした一連の動きの中で、イスラム教徒によるコーラン焼却計画に抗議する活動が起こり、甚大な人的・物的被害が生じております。今後さらに混乱が拡大し、社会情勢にも影響を及ぼすのではないかと憂慮いたしております。
 人権・平和・環境を標榜する曹洞宗は、他者の存在と尊厳、そして人類恒久の平和・共生への願いについて、人間相互の対話により、ひとりひとりが限りなく理解を深めていくことで、この問題が、一日も早く、かつ根本的に解決されるよう、心より望んでおります。

曹洞宗宗務総長 渕 英德 合掌

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