復興支援活動紹介(6)「笑顔いっぱいコンサート~千人で歌おう~」


復興支援活動紹介(2)「音楽の力で地域を盛り上げたい」において紹介しました、くらぶ海音とスーパーキッズオーケストラによる大コンサートが8月4日に開催され、報告の手紙をいただきましたのでここに紹介させていただきます。

笑顔いっぱいコンサート開催

8月4日、世界的指揮者で兵庫県立芸術文化センター芸術監督の佐渡裕氏と小学3年生から高校3年生までのオーディションで選ばれた総勢40名の弦楽合奏団「スーパーキッズオーケストラ(SKO)」のメンバーが大槌町に来てくださいました。東日本大震災以来3度目のことです。昨年までの2回の慰霊演奏は吉祥寺の本堂で行われましたが、大槌町民みんなに参加してもらいたいとの思いもあり、今回は1,000人が入れる城山公園体育館での開催となりました。

震災により、お別れする間もなく大切な方を亡くし、突然多くの財産を失って、不安な気持ちを抱え心のよりどころを探し続けながら生活をしている町民が大勢います。また、震災から2年が過ぎた3回忌を境に、先行きの不安を感じている人、仮設住宅で暮らすことの困難さを抱えている人、再建に対する絶望感に打ちひしがれている人、そうした住民が多く見受けられるようになりました。そんな現状を目の当たりにして、大槌町民が心を一つにし、皆で楽しいひとときを過ごすことが必要と思い、「笑顔いっぱいコンサート~千人で歌おう~」というコンサートを企画しました。ただ演奏を聴くだけではなく、今まで支援をしてくださった方々に感謝の思いを伝える事もプログラムに取り入れました。

第1部では、大槌町内の小学生、中学生、高校生の吹奏楽部員、くらぶ海音がそれぞれの枠組みを超えて同じステージに立ち、佐渡さんから親しく指導を受けました。

第2部は、SKOの演奏会で、大槌町では普段聴くことが出来ない弦楽合奏を聴き、素晴らしい演奏に酔いしれました。

第3部では、佐渡さんの指揮で、「ひょっこりひょうたん島」「翼をください」「ふるさと」を大槌町内吹奏楽部員とくらぶ海音が演奏し、小学生が曲にあわせて踊り、手話サークルのメンバーは手話で歌詞を表現し、老若男女、参加者全員がともに歌いました。

フィナーレでは、佐渡さんやSKOのメンバー、兵庫県立芸術文化センターの皆さま、いままでご支援いただいた全ての方々への御礼の気持ちを込めて、コンサートに参加した1,000人の大槌町民が、「花は咲く」を歌いました。それぞれの思いもあり、涙ながらの熱唱となりました。

私たち大槌町民を大切に思い続け支援してくださる方々に対して、音楽をとおして「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えられたことは、今後の復興に向けた大きな一歩になったことと思います。

佐渡さんは、阪神・淡路大震災を経験し、音楽や芸術をとおした「心の復興」の大切さを大変理解されている方です。「私たちも元気をいただけました。これからも毎年大槌に来て、心の復興をお手伝いします。」とお話しくださいました。

この度の笑顔いっぱいコンサート実行委員会の事務局を、釜石仏教会大槌支部長の浄土宗大念寺さんが受け持ちました。また、町内の方がたが様ざまな形で携わりながら実施できたことで大槌町が1つになる事ができたことと思います。

このコンサートの直後に3度目のお盆を迎えましたが、先に逝かれた大切な方がたに「残された私たちが、これからもあなたの分までしっかりと生きてゆきます。」とお伝えできるきっかけになったのではないかと思っております。

私たちを大切に思い続けてくださる皆さまをはじめ、この文をご覧の皆さまに、大槌町民を代表して、この場をお借りして御礼申し上げます。いつも本当にありがとうございます。

大槌町吉祥寺 住職 高橋 英悟

 

被災地では、まだまだ復興が思うように進まない現状があります。しかし、先が見えない不安に押しつぶさそうになっても、「被災地を少しでも勇気づけよう。子どもたちに笑顔を取り戻して欲しい。そして、みんなで乗り越えていきたい。」と、想いを持って活動されている方が大勢いらっしゃいます。曹洞宗では、今後もそういった活動を応援し紹介してまいります。