復興支援活動紹介(1)「お地蔵さんに心の復興を託して」


-NPO法人「被災地に届けたい『お地蔵さん』プロジェクト」の紹介-

事長であり山形県長源寺住職の葦原正憲さんにお話を聞きました。

――私がこのプロジェクトを立ち上げるきっかけとなったのは、児童をはじめ多くの命が失われた大川小学校に、お地蔵さんを建立して欲しいという知人からの依頼でした。

発災以来、様ざまな復興支援活動に関わってきましたが、時間がたち、物質的な支援が一段落したころから特に「心の復興なくして人の幸せは訪れない」との思いを強く持つようになりました。

東日本大震災で尊い命を落とされた方は大川小学校に限らず、本当にたくさんおられます。亡くなられた方の安寧のために、また大切な人を失いながらも懸命に今を生きる方々のために、何ができるだろうか。またそれを具体化するには、どんな方法が望ましいのだろうか。そんな時思い出したのが「お地蔵さん」の存在でした。

お地蔵さんは昔から、村のあちらこちらでいつでも私たちをみまもり、勇気づけてくれていました。そんな「日本人の原風景」ともいうべきお地蔵さん。そんなお地蔵さんに私たちの願いを託し、お届けすることが出来るなら、宗教や宗派を超えて「勇気」や「絆」や「やすらぎ」を共有することが出来るのではないか。また、残された方すべてが、亡き方を思い、素直に手を合わせられる空間が出来るのではないかと考えたのです。


葦原さんはこうした思いを形にするため、2011(平成23)年12月、NPO法人「被災地に届けたい『お地蔵さん』プロジェクト」を設立。福島、宮城、岩手県の被災した37の市町村、50か所にお地蔵さんを届けることを目標に活動を始められました。

このプロジェクトは「曹洞宗」や「仏教界」などの枠にとどまらない、広く国民的な運動を目指しています。さまざまな縁によって、プロ野球横浜DeNAベイスターズの中畑清監督に特別顧問を引き受けていただく等、多くの著名人にも賛同をいただきました。そして2013(平成25)年3月9日、1体目のお地蔵さんを宮城県石巻市に建立することができたのです。

4月には朝日新聞「ひと」欄にプロジェクトが紹介されました。反響は大きく、その後全国各地から、多くの温かい支援が届いているそうです。

――人と人とのつながりに、お気持ちを寄せていただいた人々に心から感謝している。自分の思いや限界をはるかに超えた活動になってきているが、これからもみんなが持つ優しさをつないで、何年かかってでも、37市町村、50か所全てにお地蔵さんを届けたい。 

被災地への思い、人との縁、支援してくださる方々のお気持ちが葦原さんを突き動かす原動力なのだと感じました。葦原さんは、8月に2体目のお地蔵さんを陸前高田市に建立するため、多忙な日々を送っています。





曹洞宗宗務庁
東日本大震災復興支援室

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