全曹青主催の東日本大震災慰霊逮夜法要が行われました


3月10日、全国曹洞宗青年会(全曹青)主催、全日本仏教青年会(全日仏青)共催の東日本大震災慰霊逮夜法要「綴る願い、重なる祈り~繋がる想いが未来を拓く~」が、福島県伊達市霊山町の曹洞宗成林寺にて営まれました。残雪の山内には、震災の犠牲者に鎮魂の意を、被災各地に復興祈願の意を表するため、宗派を超えた形で全国から有志の青年僧侶が8宗派、13団体約140名が集いました。

 

法要に先立つ午前の部は、「避難所としての寺院の可能性について」をテーマに研修会が行われました。長野県長谷寺副住職宮下俊哉師が講師となり、「寺院は、災害時には被災地の方がたに対して、備蓄品と寺院施設の提供、周辺地域との連携の中心となり、いのちを繋ぐ救援活動の一助となる。また平時には、備蓄品などの点検を兼ねたイベントなどを開催することで、地域の防災力への啓発や減災への一助となる」ことを目的とする寺院防災ストックヤード(一時保管所)構想をお話しされました。場内の聴講者は熱心に耳を傾けて、質疑応答も活発に行われていました。

昼食は研修会の内容を踏まえた備蓄食品の調理実演として、アルファ米と豚汁が振る舞われました。晴天ではありましたが、身を切るような寒風が吹いていたため、「食事の温かさはもちろんのこと、作った方の気持ち温かさが身に染み入る思い」との感想を持つ僧侶もいました。

午後1時20分からは、納経塔を前に全曹青と全日仏青による「納経塔諷経」(導師:櫻井尚孝全曹青会長)が執り行われました。この納経塔は、震災から2年という節目の年に、全国各地より寄せられた物故者への想いと被災地復興への祈りを写経として納め、造立されました。その後、支援活動の拠点となった全曹青災害復興支援現地本部が設置されたこの成林寺に移されました。櫻井会長は、「共に悼みます 失われた命を 共に祈ります 分かれた命の安らぎを 共に忘れません その輝いていた命を 共に縁り添います 同じ命を生きる証を」と、碑文に刻まれた「東日本大震災 鎮魂の誓い」を紹介され、震災後から、今日に至るまでの経緯と併せて挨拶されました。

午後2時20分からは、会場を成林寺本堂に移し、「全日本仏教青年会法要」(導師:伊東政浩全日仏青理事長)が行われ、震災発生時の午後2時46分には法要を一旦中断し、参加者全員で犠牲者に黙祷をささげました。

引き続き、曹洞宗福島県青年会による「慰霊法要」(導師:富沢秀樹同会会長)では、東日本大震災物故者諸精霊の慰霊並びに復興祈願を込めた法要を行い、その後山形県曹洞宗青年会により「萬燈供養」(大導師:瀧田一成師、納経師:渡辺和弘師、検経師:駒林良仁師・柴崎智敬師)が厳修されました。「萬燈供養」では、僧侶の手により1本ずつ慇懃に灯された蝋燭が本堂の内陣を囲いました。宗派の垣根を超えた参加者は、決して忘れることがない、忘れてはいけない犠牲者への想いを煌々とした灯りに重ね、祈りささげました。法要の最後には、両班の僧侶が読経中に書いた塔婆を本堂前で焚きあげられ、一連の法要は無事円成。

被災地のみならず、様ざまな地域や多くの人びとの想いが綿綿と繋がることによって、震災当時の記憶の風化を防ぎ、被災された人びとの身心の安寧、そして復興への力添えとなるのではないでしょうか。