「第4回曹洞禅フォトコンテスト」の審査会が行われました

2018.09.14

7月18日、東京グランドホテル((曹洞宗檀信徒会館)において、写真家の石橋睦美(いしばし むつみ)先生を審査員に、モデル・タレントのはなさんを特別審査員にお迎えし、「第4回曹洞禅フォトコンテスト」の審査会が行われました。

応募テーマは、昨年と同様お寺で撮影した「お寺での光景」と、伝統、文化、風習、自然など「ふるさとの情景」です。昨年を大幅に上回る2113点が寄せられ、その中から厳選なる審査の結果、入賞作品34点が選ばれました。

 

【審査員 石橋睦美先生より総評】

最優秀賞「村人の祈り」組写真

昨年の応募総数が1360点だったのに比べ、今年は2110点もの応募があり、大幅増になりました。今年で4回目になる曹洞宗フォトコンテストですが、その存在が広く知れ渡ってきたことによるのでしょう。それから今年から、モデルであり仏像に造詣が深いと聞くはなさんが、特別審査員に加わってくれたことも影響していると思えます。

さて審査の経緯ですが、例年どおり、午前中に大半の一次審査を終えました。その印象ですが、一部をのぞき、あまり違和感のあるプリント作品はありませんでした。これは喜ばしいことです。写真の最終完成形は、プリント色調の善し悪しが重要な鍵になるのです。極端な言い方をすれば、プリントによって作品価値が決まるといっても過言ではありません。

ところで一次審査では、応募作品を二人が別々に見て選定してゆきました。午後から、いよいよ入賞作品の選別に入ります。一次審査で二人共に評価した写真を上位入賞作品候補といたしました。最優秀賞を始め、キヤノン特別賞・優秀賞などの作品は、二人の合意によって決定したのです。

審査を終えての私の印象ですが、一部をのぞき、応募された作品は、作者の独自性を反映させた作品が多く見られました。このことは昨年の総評でもふれたのですが、曹洞宗フォトコンテストは「お寺の風景」「ふるさとの情景」という、明確な応募コンセプトを掲げています。そのせいで表現意図が鮮明な作品が多くよせられたのです。

ところで気になったことが一つあります。応募作品の一部に、インスタグラムに評判の場所で撮影した風景写真が見られました。わたしはこのような作品は独自性がないと思っています。作品を生み出すということは、表現しようとするべきものを自分の心のうちで見据え、映像に反映させる試行がなければなりません。ただ漠然と模写した写真からは作者の思いが聞こえてこないのです。是非、自分の心に響いた風景を無限に広がる空間から見出し、個性を活かした作品作りを心掛けてください。

最後になります。今年の応募作品を見て感じたのは、前年度入賞作品との類似性があまりなく、新しい表現を成した優秀作品が多くみられました。きっと全体的にレベルが高まっているのでしょう。今年の審査が終ったばかりですが、今から来年への期待感が膨らみました。

 

【特別審査員 はなさんより】

今回はたくさんの写真を拝見させていただき、レベルの高さに驚きっぱなしでした!みなさんの思いが詰まった作品の中からお気に入りを選ぶのはとても大変な作業でしたが、カメラやプリンターによって、目の前にある景色がどんどん生まれ変わっていく様子が想像できて、どれも興味深かったです。これからも愛のある写真を撮り続けてくださいね。楽しみにしています!

 

 

入賞作品と選評はこちらをご覧ください。

作品の展示は、10月6日(土)~10月14日の9日間、豊川稲荷東京別院(東京都港区)の稲荷会館2階法輪閣にて展示いたします。

その他、両大本山等で展示する予定です。詳細は「曹洞禅ネット」で告知します。