僧堂での提唱

龍門寺はフランスやドイツからの多くのメンバーやサンガの支援によって、1999年4月に建立されました。龍門寺では、私たちは曹洞宗の伝統的な規則やルールに加え、寺院におけるすべての活動において、五つの原則を尊重するよう修行しています。

1つ目は、禅宗の寺院は模範となる場所であることです。寺院を訪れる人々は、滞在する長さに関わらずその寺院に住む老僧の日々の禅の実践と行動を見習わなければなりません。したがって、動物や植物など生きとし生けるものを大切にし、エネルギーや水、食べ物を無駄にせず、また他人に対しては慈悲深く接し奉仕することがなによりも大切なことです。

2つ目に、禅宗の寺院は持続可能な場所であることです。私たちの活動は、パーマカルチャー(完結自給型農業開発)へのアプローチでもあります。例えば、有機栽培やその文化の成り立ち、薬草の栽培、他に頼らない現地での調達、太陽光や風力、水力、地熱といったグリーンエネルギーの利用、省エネ、廃棄物のリサイクル、堆肥、菜食、有機食品、電車での移動などといった、あらゆる側面を統合した考え方です。また、この考えは既にあるものだけに適用するのでなく、新しく購入するものや新しい建物の建設などにも生かしています。

3つ目は、禅宗の寺院は誰でも訪れることができる場所であることです。例えば、坐禅堂や法堂は、毎日午前9時から午後6時まで一般公開されています。いつでも境内を訪れたり坐禅をしたりすることができ、朝夕の坐禅や日々の法要にも気軽に参加することができます。また毎年1〜2回ほど寺院の公開日が設けられており、その日には数百人以上の人々が寺院を訪れています。

4つ目は、禅宗の寺院は開かれた場所であることです。龍門寺のサンガは宗教間の対話に積極的に関与しており、あらゆる地域の取り組みに参加しています。例えば、毎年、私たちはウェサック(5~6月の満月の日に仏陀の生誕、悟り、入滅を祈念するお祭り)の期間中にブッダフェスティバルを開催しております。ブッダフェスティバルでは禅と修行を紹介し、2日間に渡って行われるその祭典には1,000人近くの人々を迎えています。また、クリスマスマーケットや道路の清掃、緑地の維持や整備、共同菜園のプロジェクトなど、ワイタースウィラー村の取り組みにも参加しています。

5つ目に、禅宗の寺院は平和な場所であり、繋がりの場所であることです。龍門寺では毎年30回ほど接心を行っており、何千人もの人々が参加され、接心の終了後には皆心穏やかに寺院を後にします。目には見えない四摂法の実践がしっかりと作用され、特に「同事」の実践がしっかりと行われています。

ヨーロッパでは、寺院は世間から少し離れた場所にあると考える人もいます。これはもちろん、静寂や継続的な修行など、ある面ではそのとおり当てはまります。しかし、今日の世の中は、人々はかつてないほどにこのように自由に出入りできる場所を必要としています。禅宗の寺院は、禅の実践と教えが多くの人々の日常生活や行動に影響を与え、そして人間の持続可能な発展に繋がることのできる場所なのです。

ワンゲン霊元 記