曹洞宗はSDGsの理念である「誰一人取り残さない社会の実現」を「菩薩の誓願に生きる信仰実践」として、今までも、これからも、多くの人々と共に活動を進めていきます。

 

SDGs(エスディージーズ)は「持続可能な開発目標」と訳され、2015年の国連サミットで加盟193ヵ国の全会一致で採択された「貧困や飢餓の解消」「平和的社会の実現」などに関連する17の課題を、統合的・包括的に解決していこうとする国際目標です。

これを受け、2018年11月に日本で開催された第29回WFB世界仏教徒会議において「東京宣言(慈悲の行動)」が採択され、仏教界が一丸となってSDGsの実現を支援していく事が表明されました。また曹洞宗では、昨年6月に開催された曹洞宗宗議会における宗務総長演説で、SDGsを推進する方針が発表され、「国際社会においてわが教団が果たすべき重要な役割」として位置づけられることとなりました。

曹洞宗では1991年以来「人権・平和・環境」のスローガンのもと、様々な取り組みがなされてきました。これらは貧困や差別、環境や平和の問題を包括的に理解し、連携して取り組もうというSDGsの目標と理念を同じくするものです。また「誰一人取り残さない社会の実現」は、信仰に生きる私たちにとって、生きる意味や信仰の実践に深くつながる重要なテーマであるといえます。

曹洞宗の教えには、坐禅の実践に限らず、食べ物や水などを仏の姿そのものとして尊び、無駄にせず大切に丁寧に頂くという修行生活の実践があります。また困難を抱え生きている人々の苦しみを、少しでも和らげることが出来るよう、願い行動するという菩薩行の実践があります。

これらは社会全体や相手のための行いであると同時に、自分自身を仏として成長させる大切な修行でもあります。「人はどう生きるべきか」という重要な問いの答えが、SDGsへの取り組みを通じて、禅の生き方の実践として実現されるのです。曹洞宗におけるSDGsの取り組みは、単に社会貢献活動としてだけではなく、禅の信仰実践として位置づけられるものなのです。

曹洞宗が何を大切に護り伝えてきたのか、また今この時代に、世界へ、未来へ曹洞禅を伝え広めるために、何を共に実践すべきなのか。これまで取り組んできた、あらゆる差別の根絶、平和な社会の実現、地球環境への配慮、被災地支援や自死問題への対応などへの取り組みを引き続き進めるとともに、世界・未来を広く視野に入れた形で「誰一人として取り残されることのない世界」の実現に向けて、教団本部、寺院、僧侶、檀信徒はもちろんの事、地域や社会の中で取り組みを実践する多くの方々との連携を模索しながら、教団全体でSDGsへの取り組みを力強く進めていきます。