霜月(十一月) 二十世紀


二十世紀の
五色鹿の子和え
賽の目二十世紀、水前寺海苔、
赤・黄パプリカ、緑阿須波ら、
卯の花、忍山葵
海老芋の
二十世紀蒸し
薄切り二十世紀、海老芋、黍、
胡麻餡、揚白木丸

二十一世紀に入ったらこの果実の名前も二十一世紀と変更するのかなと思っていましたが、二十世紀は二十世紀なのだそうです。

季節的には少々遅いのですが、この果実を素材にしてみました。長十郎や豊水、幸水、大きな新高(にいたか)など色々と品種は多く、これらを総称して「梨(なし)」と呼んでいます。

昔の人はこれを「有りの実(ありのみ)」と言っていたのを思い出します。今ではあまり耳にしない言葉ですが、子ども心に、甘い果実なので蟻(あり)がたかるからこう呼ぶのかな?と思っていました。あとから聞いたら「梨」は「無し」に通ずるので、縁起をかついで「有りの実」と言ったそうです。なるほど昔の人は良く考えつくものだ、と感心してしまいました。

さてこの二十世紀、どのように料理したら良いものか、いつも書いていることですが、果実はそのまま食べた方が美味しいと思います。が、あえてチャレンジです。

まず一品目は「二十世紀の五色鹿の子和え(ごしきかのこあえ)」です。二十世紀を賽(さい)の目に切り、黒の水前寺海苔、赤、黄のパプリカ、それと緑のアスパラを用意し、鮮やかな五色の和えものにしてみました。二十世紀が白なので脇役にも思えますが、少々二十世紀を多い目にして、立派な主役に抜擢(ばってき)です。和え衣には卯の花(うのはな)を用いて、フワッとした感じに仕上げてみました。

卯の花はオカラを裏漉しし、塩、砂糖、少量の淡口(うすくち)醤油にて味を付け、鍋にて煎り上げたものです。それに隠し味として山葵(わさび)の卸したものを入れましょう。ちょっとピリッとしたお味に仕上がると思います。それから、水前寺海苔と赤黄。パプリカの下ごしらえですが、切り出してから昆布出汁で煮含めておきます。

次は、「海老芋(えびいも)の二十世紀蒸し」です。

この季節、芋類が大変美味しいので、芋類の王様、海老芋を使用しました。海老芋は先の根の方が曲がっており、海老のように見えるのでこの名があるそうです。

海老芋は皮をむき、いったん茄でてから昆布出汁で煮含めます。のち裏漉しをし、鍋にうつし練り上げ、余分な水分を飛ばします。このとき、味が薄かったら調味料を足し、味を調えておきます。味付けはあまり濃くない方が、海老芋の風味が生きてきます。

別に黍(きび)を用意し、よく洗ってゴミなどを取り除き、晒(さらし)の上などに載せ、蒸し器にて蒸し上げておきます。この黍を海老芋と混ぜ、黍入りのお饅頭(まんじゅう)を作ります。この上に二十世紀を薄く切ったものをのせ、蒸して胡麻餡(ごまあん)をかけていただきます。二十世紀は薄く切り、昆布塩に漬け込み、柔らかくなったところで水分をふきんなどでふいてから美しく並べましょう。