食べる修行~命をいただく~

日常に禅の教えを取り入れる

食べる修行~命をいただく~

赴粥飯法ふしゅくはんぽう』と禅の食事作法

世界中のさまざまな食が容易に手に入り、食に対する考え方も多様化する現代。しかしそれ故にどう食事に向かい合えば良いのかを見失い、迷い悩む人も少なくありません。是非とも、曹洞宗で八百年近く伝えられてきた、食に対する教えに触れてみてください。

 

『五観の偈』に学ぶ

食事という行為を、単に栄養を補給する機械的作業とみなすか、あるいはより人間らしく前向きに生きるための喜びと成長、反省につなげる修行の機縁として捉えるか。尊い食で得た力をいかにして世にお返しするか、禅僧は『五観の偈』を唱えて常に自省しています。

 

食べ物の命に差は無い

禅寺といえば精進料理。世間一般には、「肉やお魚を使わず、植物性の素材だけで作る仏教の料理」とされています。しかしそれはあまりにも表面的な理解です。せっかくいただくのですから、さらに一歩踏み込んで禅味をより深めなければもったいないでしょう。

 

なぜ食材を制限するのか

もっと食べたい、もっと美味いものが欲しい。限りなく湧く欲望をいかにして調えるか。 他人から正解を与えられても、自分の中で深く理解されなければ意味がありません。教えをじっくり消化して体得するためには何事も順序と段階が大切なのです。