いす坐禅のきほん

曹洞宗の坐禅

いす坐禅のきほん

いつでも どこでも 誰でも 気軽にできる「いす坐禅」があります。近年、足を組むことが難しいという人が増えています。そうした方々でも、カラダとココロの調和を味わうことができる「いす坐禅」をご紹介します。

 

まずはいす坐禅の「準備」からはじめましょう!

a.いすの準備
座面が少し固めで、床とももが水平になるいすが理想的です。必要に応じて座布団やバスタオルを畳んだものを置いて調整します。背もたれの有無は問いません。

 

b.五感の刺激を避けた、静かな環境づくり
ととのった静かな環境をつくることが大切です。いすを置く場所を決めたら、周りを見回し目につくものを片付けましょう。

いす坐禅

c.カラダをほぐす
上半身を柔らかくしておくことで、坐禅の姿勢がととのいやすくなります。

①息を吸いながら肩を持ち上げ、吐きながらゆっくりと下ろします。

②腕と首をゆっくり回します。

いす坐禅

 

 

いす坐禅のはじめかた

step1. ゆったりと浅く坐り、上半身をゆるやかに落ち着かせます

a.骨盤を立てます
いすの座面に当たる骨盤底の2つの突起(坐骨)を意識して坐ります。無理に腰に力を入れて前に突き出ないようにしましょう。

 

b.足の角度と位置をきめます
足は肩幅に開いて床につけます。膝がいすの座面より上にこないようにすると、落ち着きます。もしくは、足をいすの下まで引き、かかとを浮かせた状態でもかまいません。

 

c.骨盤から背骨を積みあげます
背骨を下から順に一つ一つ積み上げていくイメージで最後に頭をそっとのせます。

いす坐禅

 

step2.リラックスしたら、最終調整

a.目と口の形を確認します
目は開けたまま、1.5m程先の床に視線を落とします。そうすると、開きすぎず、細めすぎない、自然なりきみのない形になります。口は閉じ、舌を上あごに付けて、口の中に空間ができないようにします。

 

b.手を組みます
①手のひらを上向きにして右手を足のつけ根、へその真下に置きます。
②その上に、左手を重ねて置きます。
③両手の親指をつけます。

この手の形を法界定印ほっかいじょういんといいます。

 

c.左右揺振さゆうようしんを行います
ゆっくりと2~3回深呼吸し、上半身の力みを取りのぞきます。坐骨を意識しながら、カラダを左右に揺らし、徐々に動きを小さくしながら中心におさまります。

いす坐禅

 

step3.おだやかな呼吸の中で、坐禅スタート

自分の呼吸を感じながら、心に浮かぶ様々なオモイをそっと流します

基本的には自然な呼吸をあるがままに味わいます。はじめのうちは、まずフーッとゆっくり長く吐いてスッと吸う、吐く息中心の呼吸もいいでしょう。慣れてくれば、無理に意識する必要はありません。

いす坐禅

 

step4.ゆっくりとカラダをゆらして坐禅を終了します

カラダとココロの調和をゆっくりと味わいながら坐禅をおえます

a.両手のひらを上にして、ももに置きます。

b.少しずつカラダを左右に揺らします。

c.ゆったりとしたいす坐禅の余韻を味わいながら、揺れをおさめ、静かにひと呼吸します。

d.立ち上がる際はゆっくりと立ち上がりましょう。

e.終わった後は、ゆったりとした心持ちを大切にしながら、日常に戻ります。

 

いす坐禅

 

 ※細かい作法については、それぞれの道場によって異なる場合があります。
 詳しくは、指導者の方にお尋ねください。