第4回曹洞禅フォトコンテスト 入賞作品


最優秀賞

テーマ:お寺での光景
「村人の祈り」
藤木 宏子

審査員 石橋睦美先生より(以下 石橋先生)
白黒写真3枚による組写真が最優秀賞となりました。これで3年続けて組写真と連作が最優秀賞を獲得したことになるのですが、数枚の写真で撮影意図を表現すると作品にストーリー性が生じ、作者の思いがより一層濃くアピールされるからです。しかし、それだけで最優秀賞を獲得出来るわけではありません。1枚1枚の作品の完成度が高くなければならないのです。
本作品は第一次審査の時に私の心をとらえ、この作品は上位入賞候補だと確信しました。なにより素晴らしいのは、1枚1枚の作品から滲み出てくる、その場の情景のリアル感です。前の2枚は墓行とサブタイトルがありますから、法事の情景なのでしょう。そして3枚目はお地蔵さまの着せ替えを行なう老女をモチーフにして、春のお寺の行事を描き出しています。この3枚によって越前臥牛院の坦々と続いてきたごく当たり前のたたずまいが、衒いなく描き出されているのです。また、わたしが感動したのはローアングルによる構図です。この作品を見たとき、直ぐに浮かんだのは小津安二郎の映像世界でした。私にそう思わせた一つの要素として、前景処理の適確さがあります。とくに2枚目の草をボカした構図は抜群です。

 

キャノン特別金賞

テーマ:お寺での光景
「稚児の成長願いて」
柏舘 健

石橋先生より
福島県東部にある東堂山萬福寺では、陽春の5月3日の例大祭で稚児行列が行われるそうです。作品は、その情景を4枚の写真で表現しています。この作品を見て、まず色彩の鮮やかさに目が止まりました。そして、お稚児さんの衒いない笑顔や真剣な眼差しに思わず安堵感が生まれました。こうした理由で選ばれた作品ですが、後で作者コメントを読んで、なるほどと思いあたりました。作者はいわき市にお住まいの方ですから、たぶん震災を体験したのではないでしょうか。そこから作品タイトルが生まれたと推測いたします。子供達の成長を願う作者の強い思いが込められていて、それが100パーセント映像に反映されているのです。映像からは日々の平穏を願う作者の願いが伝わってくるようです。

 

優秀賞

テーマ:お寺での光景
「神の領域」
糸井 洋

石橋先生より

高野山の金剛三昧院は私も好きでよく訪れる寺院です。境内に数本の老杉が立ち並んでいて、それがいかにもこの寺の歴史を感じさせてくれるのです。作品はその老杉を被写体にして、樹が発する生命力を表現しています。
作者は霧が生じるのを待ってカメラをかまえていたそうです。そのとき、作者の思いとは違った光景が現れた。一陣の風が吹き渡り、老杉に巻き付けられた注連縄から下がる紙垂を揺らしたのです。その一瞬のシャッターチャンスを逃さなかった作者の感性は見事と言う他ありません。

 


 

テーマ:ふるさとの情景
影遊び
星野 郁男

石橋先生より
新しく貼り変えた障子の前で戯れる二人の孫をモチーフにして、ノスタルジックな世界へ誘う映像表現が成された作品です。それは作者の孫への思いと、映像作りに対する作者の発想力によるのです。なによりも素晴らしいのは障子をブルートーンにした色彩感覚です。自然の色彩ではありませんが、現実から逃避したプリントにより、幻想的な世界感が生まれ出たのです。これは作者の緻密な計算によると思うのですが、そのプリント効果が作品を成功に導いた大きな要因です。


 

テーマ:お寺での光景
お行儀
上野 公広

石橋先生より
なんともユーモアの効いた作品です。本堂へ上る階段に置かれた「土足厳禁」の標識を前にして、本堂へ行きたいのに我慢をしているようにもとれる猫がいる。そんなイメージが画面から伝わってきます。お寺の飼い猫だそうですから、猫は標識などにおかまいなく自分が行きたければ行ってしまうでしょう。だが後ろ姿から想像するに、行くべきか行かざるべきか猫は迷っているように見えて、思わず笑みが溢れ出てくるのです。

 


 

テーマ:お寺での光景
仏教三宝
Izuvian

石橋先生より
白黒写真4枚による組写真です、作者独自の仏教感を、映像に反映させているととれる作品です。撮影地は韓国の寺院と鎌倉大仏で、撮影地に関連性はないのですが、不思議な映像世界が映し出ています。どのようなことかと言うと、コントラストを強めた画像処理を施したことで、4枚の作品がひとつの写真空間の中で同化し、全体としての共通性が生じているのです。

 


 

テーマ:お寺での光景
文殊様
宮田 哲志

石橋先生より
木彫の文殊菩薩をモチーフにして、静謐なお寺の空気感を写し撮った作品です。隙間から差し込む光線を利用して文殊様を浮き上がらせた画面構成が秀逸で、気品ある映像を描き出しています。さらに、木佛の背景となる影に出来た僅かな明るさの中に文殊樣の影が障子に刻まれていて、闇に包まれる空間に変化を与えています。作者の計算が成された作画である、と知れる映像です。

 

キヤノン特別賞

テーマ:ふるさとの情景
人々集う伊勢神宮
村田 一史

石橋先生より
伊勢神宮の祭礼の日の撮影なのでしょう。鳥居を潜る人々をぶらして撮影したことが、この作品を成功させた要因です。しかし、それは偶然によるのではなく、作者の発想力の豊かさから生じたことなのです。残念なのは撮影地が伊勢神宮であることです。本コンテストでは「お寺の風景」が募集要項で、神社の風景は含まれません。ただ作品的には、他から一歩抜きん出ています。

 


 

 

テーマ:ふるさとの情景
農免農道
八木 英雄

石橋先生より
こんなにも多くの雀がいるとは驚きです。この作品を見ると、日本にはまだ野鳥が群れる環境が存在していることを知らされ、安堵するのです。作品の画面構成はガードレールに群れ止まる雀を、ごく普通の目線で捉えています。ただ作者は遠景に干した稲を写し込みました。この画面構成により、雀が群れる周辺環境と季節感が描写されたのです。

 


 

 

 

テーマ:お寺での光景
たのもう~
西 正幸

石橋先生より
京都南禅寺の山門で撮影した作品です。太い門柱が建ち並ぶ山門に一人の幼子が歩いている。この対比が、まず目を引きつけます。一体この子はどこから歩いてきたのだろう。作者の演出が加味されているのだろうか。そんな想像を抱かせるのですが、何より素晴らしいのは歳月を経た太い門柱と成長してゆく子供とを画角に納め、輪廻を想像させているようにも思える映像です。

 


 

 

テーマ:ふるさとの情景
島に生きる
長谷川 敏行

石橋先生より
琵琶湖に浮かぶ島での暮らしぶりを3枚の作品で表現した組み写真です。作者は3枚だけで島の暮らしを伝えるのは難しかったと記しています。しかし、どの写真も島の香りが滲み出ていて、生活感が匂いたってくるのを感じます。それはなぜかというと、画角を広くした構図のせいで、島の環境描写がなされているからなのです。同時に作者は、この島のどことなく殺風景で乱雑な佇まいに興味を引かれたのではないでしょうか。

 

 


 

テーマ:お寺での光景
朝のお勤めをおえて
中原 廣明

石橋先生より
曹源寺は岡山藩池田家の菩提寺で、臨済宗妙心寺派の禅寺だそうです。海外からの修行僧が多い寺だと言います。作品は朝のお勤めを終えたばかりの僧が、秋色に彩られる門前を歩きながら思考する様を捉えています。その画像からは秋深まる禅寺の清涼感が伝わってくるようです。そして日本の仏教思想が、外国人を魅了するのはなんなのか。そんなことを考えさせてくれる作品です。

 

特別審査員賞

テーマ:お寺での光景
頭かくして尻かくさず
佐藤 英輔

はなさんより
寒そうな後ろ姿がとってもかわいらしい!おしりがぷりんとしていて、赤ちゃんのような体型に思わずにっこりしちゃいました。

 


 

テーマ:お寺での光景
スクールゾーン
峯岸 誠一

はなさんより
女の子にとっては、何気ない日常の風景なのかしれませんね。スクールゾーンを歩くお坊さんたちの後ろ姿もかっこいい!

 


 

テーマ:ふるさとの情景
托鉢ロード
苫米地 朋哉

はなさんより
「ビートルズのアビイ・ロードだ!」と、現場にいたみんなが反応していました。パロディー版として、このままCDジャケットに使えそう!

 


 

テーマ:お寺での光景
いつもと違う私と祖父
小島 道寛

はなさんより
カメラマンはお父さんだったそうで、女の子が助けを求めている姿がかわいすぎる!記念に残る一枚ですね。

 


 

テーマ:お寺での光景
心 洗われる
鴨野 昭夫

はなさんより
構図と色合いが落ち着いていて、とてもすてきな一枚。お坊さんの声まで聞こえてきそうです。

 

豊川稲荷賞

テーマ:ふるさとの情景
初冬の箱根
野崎 三郎

 


 

テーマ:お寺での光景
白狐の振る舞い
工藤 孝

 

入賞

テーマ:ふるさとの情景
雪の朝
和田 恒夫

 


 

テーマ:ふるさとの情景
修行僧走る
折戸 信行

 


 

テーマ:ふるさとの情景
祈り
仲程 梨枝子

 


 

テーマ:お寺での光景
羅漢さん
川口 重一

 


 

テーマ:ふるさとの情景
霧の朝
毛利 壽行

 

 


 

テーマ:お寺での光景
夜坐
さとぽん

 


 

テーマ:お寺での光景
精進の滝行
佐藤 成公

 


 

テーマ:ふるさとの情景
命懸け
池 芳江

 


 

テーマ:お寺での光景
躍動
安室 清晴

 


 

テーマ:お寺での光景
お寺の猫
小澤 由利子

 


 

テーマ:お寺での光景
ぼくのお念珠
真田 美代子

 


 

テーマ:お寺での光景
伽藍を回る
木下 滋

 


 

テーマ:ふるさとの情景
短冊飾りの行列
大島 市朗

 


 

テーマ:お寺での光景
一心に
虫明 郁代

 


 

テーマ:お寺での光景
宵の仏衆
カメラの旅人