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八月のお料理は、素麺です。今回はちょっとお洒落にグラスに盛ってみました。
七種類の素麺を作ってみましたが、全部の作り方はとうていこのページに書くことができませんので、読者の皆さんが興味を持たれるだろうと思われる二種類を選んで作り方の説明をすることにします。
まず、長芋素麺です。長芋は皮をむくとツルツルと滑りますので、プロは左手に荒塩を付けて桂むきにし、繊に打ちますが、家庭では刺身のつまを作る時に使う簡単な機械がありますので、少々長芋のたけを長くしてそれを使っても良いと思います。
繊切りした長芋はヌメリが出ますので、明礬(みょうばん)水に漬けて、ヌメリを取り去ります。のち流水に晒し、昆布塩に漬け替え、しんなりとさせます。それだけで出来上がりです。良く水気を切って器に盛り、昆布出汁八、淡口醤油一、味醂一、を合わせ、一旦火にかけて一煮立ちさせ、冷ましてから長芋に掛けます。写真には大徳寺麩と生湯葉が載っています。山葵(わさび)を添えていただくと結構だと思います。
次に椎茸素麺です。これは仲々技術のいる仕事ですので、家庭では真似ができないかもしれません。椎茸と同じ大きさ位の輪切りの大根を二枚用意します。厚さは一センチ位が良いでしょう。これで椎茸の上下を挟むようにします。丸い大根の椎茸サンドと思っていただければ結構です。そしてズレないように、まん中に竹串を一本刺しておきます。あとは桂むきの要領で少々厚めにむいていきます。大根と一緒に椎茸も桂にむかれ、長い帯状の椎茸が出来上がります。ついでに大根のひも皮もできますので、これは昆布塩に漬けて、炒めものにしても美味しいと思います。
帯状の椎茸は食べやすい長さに切り、極く薄い塩をあて、片栗粉にまぶします。お鍋にお湯を煮立て、その中に入れて茹でますが、薄い椎茸ですのでサッと湯を通すと言った感じで大丈夫です。それを素早く冷水に落とします。これが椎茸の素麺です。お出汁は先ほどの長芋の出汁と一緒でよろしいかと思います。長芋は山葵で食べましたが、椎茸は卸生姜(おろししょうが)が合うかと思います。それに、賽の目に切った胡瓜と、同様に切り揃えた赤蕪をトッピングします。椎茸の黒と白、赤蕪と胡瓜の赤と緑、それに卸した生姜の黄色と、五色を上手に配して出来上がりです。
素麺は、なんと言っても喉ごしです。あのツルッとした食感は、日本人にはたまらない魅力があるようです。アイデア次第でいろいろな素麺ができますので、皆さんもオリジナルの素麺を一品作ってみてはいかがでしょうか。