【International】南アメリカ国際布教120周年記念行事報告

2023.11.08

南アメリカ国際布教120周年記念行事が、8月25日(金)から27日(日)の3日間を中心に、南アメリカ各地や日本などからの随喜宗侶約40名、現地ペルー共和国の日系人や関係者の方々など約150名が参列し、ペルー内で開催されました。

曹洞宗の南アメリカにおける布教は、明治36(1903)年に兵庫県出身の上野泰庵師がペルーに渡られたのを嚆矢とし、明治40(1907)年に日本移民の協力によって南アメリカ最古の仏教寺院である慈恩寺が開創されたことにより始まります。

記念行事に先立って、7月22日には「禅の物語」の講演、8月12日には「禅の入門」をテーマとした法話が、大城仙芳南アメリカ国際布教師を講師として行われ、8月19日・20日には10回目となる「ラテンアメリカ禅の集い」、21日から23日には「記念摂心会」が、開催国であるペルーをはじめ、アルゼンチン、エクアドル、コロンビア、チリ、ボリビア、ブラジル、メキシコの各国からの参加者を得て行われました。

8月25日と26日は、日秘文化会館(リマ市)を会場とし行事が催されました。25日は裏千家淡交会ペルー協会の皆さまによる茶会や、モリオカ慈春南アメリカ国際布教師(ブラジル・ローランジャ佛心寺)が「禅と茶道」をテーマとした講演をなされました。また、「SDGsと曹洞宗」と「南アメリカ曹洞宗の未来」をテーマとした2つのシンポジウムも開催されました。「SDGsと曹洞宗」では6人の国際布教師が、それぞれの禅センターにおける活動について発表し、聴衆はさまざまな取り組みに熱心に耳を傾けていました。「南アメリカ曹洞宗の未来」では南アメリカにおける国際布教の将来について、国際布教師がこれまでの布教の経験をもとに目指すべき未来像について述べられました。

26日の午前には「南アメリカ国際布教総監部連絡会議」が開催され、深川典雄教化部長のご挨拶後、参加した国際布教師がそれぞれの活動について報告をされました。また、ハワイから参加された駒形宗二ハワイ国際布教総監部賛事は太鼓グループの指導に長年携われていることからワークショップが行われ、リマのグループと太鼓を通じた交流がもたれました。

夕刻からは日秘文化会館大ホールの荘厳されたステージにおいて各法要が厳修されました。「慶祝転読大般若」は大本山總持寺廣澤道秀副監院兼尚事が導師を務められ、両班の僧侶によって大般若経が転飜されると、参加者は初めて見る法要に目を見張っていました。「南アメリカ国際布教物故者諷経」は大本山永平寺西村眞典副監院兼典座が導師を務められ、南アメリカで布教に携われた諸老師への供養が行われ、「南アメリカ国際布教120周年記念慶讃法要」は深川教化部長の導師のもと、厳粛な雰囲気の中、法要が営まれました。

引き続き記念晩餐会が行われ、片山和之ペルー共和国駐箚日本国特命全権大使よりご挨拶をいただいた後、ペルー日系人協会会長のナカソネ・ファン・カルロス氏の発声で乾杯しました。清興では太鼓の演奏やペルーの民族舞踊、音楽が披露され、出席者はフロアに登場した演者と一緒に踊りを楽しみ、清野暢邦南アメリカ国際布教総監の謝辞でお開きとなりました。

25日は、リマ市からおよそ160キロメートル離れた慈恩寺を会場として法要が勤められました。お盆にはリマから多くの方々が先祖供養のため慈恩寺へお参りに訪れます。

当日の天候は快晴、南半球は冬ですが赤道に近いペルーでは少し汗ばむほどでした。カサブランカ墓地では大本山總持寺松田英寿国際室主事、サンビセンテ墓地では大島康晴国際課長の導師のもと詣塔諷経が行われ、大使館や日系人協会代表の方々による献花がなされました。

墓参の後に慈恩寺へ移動し、はじめに今般奉納された「仏垂般涅槃略説教誡経巻物贈呈式」が行われました。これは日本で金銀写経作品を作り、奉納する活動をされている佐伯文雄氏による寄贈です。引き続き裏千家淡交会丸岡宗陽師範による献茶式が行われた後、殿鐘が打ち出され、「慈恩寺開山歴住諷経」の導師を清野総監が務められ、「慈恩寺盂蘭盆施食会」は慈恩寺の大城仙芳国際布教師を導師として厳修されました。南アメリカ各地や日本から参集した宗侶約40名、一般参列者約150名以上が参列し、祖先の御霊を供養しました。法要後にはカニエテ日系人協会婦人会の手作りの食事を賞味し、慈恩寺を後にしました。

28日・29日には清野総監をはじめとする国際布教師がペルー北部に所在する日系人墓地を訪れ慰霊法要が勤められました。

 

120年前に上野泰庵師によって正伝の仏法の種は南アメリカ大陸に運ばれました。以来、曹洞宗の法灯はあまたの筆舌に尽くし難い困難に遭遇しながらも、都度それらを克服することを成し遂げて弘がり続け、現在に見られる発展の状況に至りました。先人の偉大なる事績を思い量るとき、胸にこみあげる感慨をつぶさに表現するのに言葉を見出し得ません。南アメリカの地に蒔かれた種子は大地に深くしっかりと根を下ろし、幹を太くしながら枝葉を力強く伸ばし続けています。

この度の記念行事にあたり頂戴しましたご法援に感謝申し上げます。

南アメリカ国際布教総監部 記