曹洞宗婦人会だより~ミニ・きゃら~平成30年10月

2018.10.09

婦人会では、グリーン・プラン活動を継続しております。今回は、滋賀県の活動を紹介させていただきます。

滋賀県婦人会のグリーン・プラン活動
「湖国のごっつおう」
滋賀県婦人会では会員数が減少し、新たな次世代の参加が見込めないという状況が続いています。活動を模索する中で「子どもや孫にもお寺参りをして欲しいが忙しく関心も低い。私が来られなくなったら、お参りするものがいなくなるかも」、「同居していないので地域の伝統食を伝える機会がない。作っても若い人に喜ばれない」という話題が出ました。
社会の変化に伴い、手間のかからない市販の食品が利用されるなか廃棄量が増えています。同様に、家庭とお寺の関係も希薄になって、隔たりつつあるように感じます。どちらも、生きていく上での大切な心が忘れられていく危機を覚えました。
そこで、お寺に気軽に集まり、世代交流を図りたい、み仏の教えにふれて欲しいと、「湖国のごっつおう」を企画しました。
内容は、滋賀県青年会の皆さまにご指導いただき、法話を聞き、坐禅をして、伝統食を作って味わう。さらに、牛乳パックで小物入れを作るなど盛り沢山です。会員だけでなく、親子での参加が多数あり、賑やかな声があふれました。献立は、大根の葉を混ぜ込んだ「大根葉ご飯のおむすび」、沢庵の古漬けを塩抜きして炊き上げた「ぜいたく煮」、そして湖北地方に伝わる「打ち豆汁」です。打ち豆とは、熱湯で柔らかくした大豆を一粒ずつ木槌で打ち、大根と共にみそ仕立てで煮込みます。豆と大根が溶け合った滋味豊かな汁は、雪深い湖北のご馳走です。素材の持ち味を大切に、全て使い切る工夫と愛情が込められています。食材の命を生かしきる料理は、曹洞宗の教えそのものではないでしょうか。
青年僧の方々から、幼い子でも理解できるように食事への感謝の心を話していただき、五観の偈を唱えました。子どもも大人も「おいしいね」とおかわりをして、笑顔と合掌で締めくくりました。次世代に伝えたいのは「命の大切さ」です。お寺は正に、それを伝える場であると感じました。


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