【International】コロナウイルスと向き合う


今回はこの場をお借りして、ハワイ国際布教総監部管内での新型コロナウイルスの影響、管内の寺院や国際布教師がどのように対応しているかについて紹介したいと思います。

日本では、アメリカ合衆国のコロナウイルス感染者は数万人と報道されていたと思いますが、ハワイ諸島では感染者、死者数ともそれほど多くなく、現地に赴任している国際布教師、家族に感染者は一人も出ておりませんし、全体としても医療崩壊など最悪の状況は免れたことを、まずご報告いたします。(7月10日現在、感染者1112名、死者18名)

ハワイでは、3月22日に州政府より緊急事態宣言が発令され、翌日午後4時より4月30日まで不要不急の外出を禁止する “Stay at Home Order”が発令されました。この法令は、生活に不可欠なサービス・商品を提供している機関を除き、原則すべての従業員は在宅勤務を行わなければならない、というものでした。

マスクを着用し、ソーシャルディスタンスを守る檀信徒

寺院などでは、葬儀のみ許可されていたものの、我々国際布教師の主な活動は、年回法要、坐禅会や日曜礼拝などであり、多くの人が集まる場所ということで、寺院も閉鎖することを余儀なくされました。

そのような状況のなかで、総監部として各寺院に推奨したことは、寺院は閉鎖された状況であっても、引き続き国際布教師のみで朝のお勤めを継続して行い、病魔退散を願い、いち早くコロナウイルス感染の収束を願うこと、また各檀信徒へ電話や手紙での連絡をとり、不便がないか確認を行うことでした。

この非常事態宣言下ではアメリカ本土からの移動はもちろん、ハワイ諸島の間の移動も制限されておりましたので、家族と離れ離れになり、長期間一人自宅で過ごさなければならない高齢者が多数あり、そういった方々に対しこちらから積極的に連絡を取り、ボランティアのできる若い檀信徒の協力のもと、買い物に行くことのできない檀信徒に対しては、薬や日用品の配達などを行いました。また、各寺院の婦人会ではマスクを制作し、不足している方への配達も行いました。

インターネットを利用した法要配信の様子

そして4月中旬、外出の禁止が6月30日まで延長されることが決まり、各寺院では、Facebookやウェブサイトなど、インターネットを利用した布教活動に取り組むことになりました。朝のお勤めや日曜礼拝を参拝者なしで行い、その様子を、動画配信サービスを利用して配信しています。

また、希望に応じてビデオ通話アプリのZoomなどを使用し、年回法要や枕経といった法要を行うこともあります。残念ながら、多くの人が集まる盆踊りはすべての寺院で中止が決定しましたが、盆法要については、インターネットで配信を行い、初盆を迎えるご家族だけにはお参りいただくといった対応をしております。

そして総監部では、自宅でも法話を聞いていただけるよう、YouTube上にハワイ曹洞宗のチャンネルを作成し、2週間ごとに各国際布教師が短い読経と法話を録音し配信する活動を開始しました。その様子は各寺院のFacebookやニュースレターで共有され、多くの人にご覧いただいております。

新盆の方だけを招いての盆法要

このような取り組みは、以前ではとても想像もできないことでした。しかし、活動が制限された中でも僧侶として何ができるかを考え、困難のときにこそ一仏両祖の教えを伝え、多くの人の心に寄り添わなければならないという、ハワイ国際布教師の想いがこの動画配信に込められております。

インターネットを通じての布教活動は、まだ始めたばかりであり、最善を模索しながら継続しております。このような形の布教活動に参加するには寺院に足を運ぶ必要がなく、参拝に来る人が減ってしまうのではないかという懸念もあります。実際に非常事態宣言が発令されてからは、葬儀を簡素化する傾向にあり、近しい親族のみの参列で、納骨するだけで済ませてしまうことが多くみられました。

しかしながら、このような状況だからこそ、インターネットを通しての布教活動は必要不可欠であると考えております。動画の配信は普段寺院とは縁がない若い人々が仏教を学ぶ機会となり、さらには世界中の人々に、ハワイにおける曹洞宗寺院、国際布教師の活動を周知する絶好の機会であると前向きに捉えております。

コロナウイルスの収束後には、オンラインでの布教活動で興味を持ってくださった方にもお寺へお越しいただき、さらにハワイ国際布教総監部管内における布教活動が活発に発展していくよう、これからも努力してまいりたいと思います。

最後に、皆さまの安閑無事な生活がいち早く戻ってまいりますよう、ハワイの地より、心よりお祈り申し上げております。

合掌

ハワイ国際布教総監部 記

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