【International】新型コロナウイルスの影響下における北アメリカ国際布教総監部管内の活動


新型コロナウイルス感染症によってお亡くなりになった方々へ、衷心よりお悔やみ申し上げます。また、感染被害を受けられた方々へお見舞い申し上げます。

当総監部所管の北アメリカ地域の感染被害は甚大であり、8月1日のニューヨークタイムズ紙によると、アメリカ合衆国においては感染者が約460万人、死亡者が約15万人、メキシコ合衆国では感染者が約42万人、死亡者が約4万6000人、カナダは感染者が約11万6000人、死亡者が約3000人であり、国際布教師が活動している管内では新規感染者が毎日数万人単位で増加しています。

当総監部が所在するアメリカ合衆国では、3月13日に国家非常事態宣言が出され、多くの州や自治体では不要不急の外出を控えるための自宅待機令が発令されました。

これらにより、エッセンシャルワーカーと呼ばれる、医療関係者や食料品店、公共事業など日常生活を送る上で欠くことのできない職業従事者以外は、自宅での待機や勤務などを余儀なくされました。8月現在でも多くの経済活動が制限されています。

ゴッドウィン建仁所長によるオンラインでの参禅指導

寺院や教会などの宗教施設も、屋内で人口が密集する催しが行われるという理由により、活動が制限されました。これを受け、管内の寺院や禅センターでは、参禅会や法要行事の延期、または中止措置をとっており、通常とは異なる活動を行っております。また、居住者を有する禅センターでは、極力自室から出ずに、食事も各自でとるなど、居住者同士の接触を極力避けることを心がけています。

多くの寺院や禅センターではこの状況下において、インターネットを通じて参加できる坐禅会や法話などを実施しています。実施した調査によりますと、9割以上がビデオ会議サービス「Zoom」を中心としたオンラインでの布教教化を実践しており、メンバーとの繋がりを保つとともに、コロナウイルスの影響下における精神的なサポートもしています。

複数の禅センターからは、オンラインを活用した参禅活動に、新たに仏教や禅に興味関心を抱いたメンバー以外の方々が、世界中から参加していると報告を受けています。自宅にいながらもパソコンやスマートフォン1つで気軽に参加できることに起因するものと考えられます。また、他の禅センターの行事にも簡単に参加できることで、希薄であった禅センター、メンバー間の交流が生まれるなど、新たな側面が見えています。

総監部も新たな試みとして、曹洞宗国際センターと連携し、オンラインでの参禅指導を行っております。 勉強会や摂心など、参禅活動が制限され、収入が著しく減少した禅センターでは工夫を凝らしたファンドレイジングと呼ばれる運営資金を確保するための取り組みも多く行われています。また、公的な支援制度として、宗教団体などの非営利法人への資金援助などを受けているケースも見られます。

ソーシャルディスタンスを確保した法要

カリフォルニア州ロサンゼルス市内の両大本山北米別院禅宗寺では、例年夏の風物詩であった7月の盂蘭盆施食会に併せて開催されるお盆カーニバルが中止となり、法要のみ執り行われ、その様子はYouTubeでライブ配信されました。参列者も事前予約制とすることで本堂に入る人数も制限し、ソーシャルディスタンスを意識した座席間隔と、焼香用の抹香を小さい封筒に入れたものを事前配布するなど、物理的接触を避ける工夫がなされました。

また、梅花流詠讃歌をお唱えする方々も、以前のように一堂に会しての稽古ができないのが現状です。禅宗寺ではZoomによる勉強会を導入して、今後は他の寺院にも声を掛け、合同開催として日本の師範からオンラインで指導いただく計画を進めております。

Zoomを用いた梅花流詠讃歌勉強会

総監部内においても、感染リスク回避のため、今年度の事業を縮小し、会議や各種委員会にZoomによるオンライン会議を導入しています。初めての取組みではありますが、過去、広大な北アメリカ大陸間の移動困難を理由に出席できなかった僧侶を含め、この機会に総会には多くの出席があることを望んでいます。 現在、少しずつではありますが、坐禅や法要が再開され、いずれもマスクの着用やソーシャルディスタンス確保などの感染予防対策が講じられています。このような措置は当面続くものと考えられ、新たに使い捨てマスクのゴミ問題なども懸念されています。

総監部では、以上の理由により再利用可能なオリジナルデザインマスクを作製し、国際布教師、特別寺院に配布し、再生可能なマスクの着用を呼びかける企画を計画しました。

各々にマスクを有効活用してもらうとともに、着用している様子の写真を総監部保有のSNSアカウントで積極的に発信する予定でいます。継続して再利用できるマスクの着用を呼びかけ、SDGs(持続可能な開発目標)にも関連した教化企画となることを目指します。

作製中のオリジナルマスク

現在、地域によっては外出制限の緩和、経済活動が再開される動きがありますが、未だに予断を許さない状況が続いています。このコロナウイルスの感染状況下におけるインターネットを活用した非接触型の布教教化は有効であり、新たな布教教化の方法として今後も継続されるものと考えられますが、人と人が対する従来型の布教教化への代替とはなり得ません。

総監部では、このような事態においても、北アメリカ社会に曹洞禅の希望の未来を繋ぐため、今後も管内国際布教師、曹洞宗国際センター、関係各所と連携を取りながら、宗務に務めてまいります。

日本国内、他総監部地域においても感染被害が拡大していると拝聴しております。皆さまの健康と一日も早く通常の生活に戻れることを祈念し、ご報告とさせていただきます。

北アメリカ国際布教総監部 記

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