梅花流ことはじめ【その1】後発だった梅花流


みなさん、こんにちは。今回から梅花流についてお話ししてまいります。「梅花流」をご存じですか? そのうちに詳しい定義もご紹介していきますが、まずは最初ですからざっくりと、「梅花流とは、曹洞宗のご詠歌の流派の名前です」としておきましょう。

梅花流は1952年に発足しました。もう少しで70周年を迎えます。梅花流に学ぶ人の集いを梅花講と呼びますが、1980年代後半には国内外の講員合わせて17万人と言われ、大きな勢力となりました。その後、減少傾向となり2020年4月現在では約12万人、曹洞宗各寺院に設置された梅花講は約6200講となっています。

この梅花流について、そもそもどのようにして始まったのか、梅花流が成立する前後にどんなことがあったのか。このコラムで取り上げたいのはそういうことです。曹洞宗教団の中に出来たご詠歌講ですが、そこには教団内部の事情だけではなく、大きくは日本社会全体の状況が、また小さな視点から言えばそれぞれのお寺を支える檀信徒の気持ちが、その成立に関わっていました。つまり梅花流の成立を考えるということは、当時の社会や人々の心情に思いを馳せることになるわけです。というとやや大げさに聞こえるかもしれませんね。実際にはこの1ページのスペースですから、あまり難しい言い方はしません。いろんな角度から見たエピソードを少しずつご紹介するような連載にしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

さて、ご詠歌の流派と言っても、それは曹洞宗ばかりでなく他宗にもたくさんあります。そのいくつかを成立年次順に並べてみましょう。

真言宗系 大和流 1921(大正10)年

高野山真言宗金剛流 1926(大正15)年

真言宗東寺派東寺流 1930(昭和5)年

真言宗智山派密厳流 1931(昭和6)年

浄土宗系 吉水流 1945(昭和20)年

臨済宗系 臨済宗妙心寺派花園流 1936(昭和11)年

臨済宗東福寺派慧日流 1950(昭和25)年頃 

臨済宗円覚寺派鎌倉流 1951(昭和26)年頃 

臨済宗南禅寺派独秀流 1963(昭和38)年

曹洞宗系 梅花流 1952(昭和27)年 

こうしてみると、梅花流は諸流の中でも後発のご詠歌講だったことがわかります。この辺の事情からお話しを始めていきましょう。

秋田県龍泉寺 佐藤俊晃

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