【International】北アメリカ国際布教100周年記念行事報告

2023.07.19
除幕された記念碑

5月27・28日の両日、アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス市の両大本山北米別院禅宗寺において、北アメリカ国際布教100周年記念行事が開催されました。

また、今般は大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師700回大遠忌予修法要が併せて厳修されました。

大正4(1915)年、サンフランシスコでパナマ大博覧会が開催された際の世界仏教徒大会に日置黙仙管長が出席されました。その帰途にハワイに立ち寄られ、ハワイ布教管理として開教に専念されていた山口県出身の磯部峰仙師にアメリカ本土への伝道を要請されました。また、大正10(1921)年にハワイで曹洞宗別院入仏慶讃法要、授戒会をご親修された新井石禅管長が日本仏教各宗代表としてアメリカ本土に渡られハーディング大統領に会見されました。その帰途にロサンゼルスにお寄りになられ、後に禅宗寺の開基となる長崎豊吉氏の接待を受けられました。長崎氏の妻の八重夫人が広島県薬師寺住職の令妹であったご縁が磯部師のアメリカ開教の糸口となりました。

晩餐会で祝辞を述べられる石附周行管長猊下

そして、大正11(1922)年に磯部師はハワイでの職を辞してロサンゼルスに移り、7月15日に長崎氏宅の2階を借りて「禅宗寺仮教会」の標札を掲げました。これが北アメリカにおける曹洞宗の布教活動の第一歩となりました。

当初、慶讃法要は昨年11月に修行されました「北アメリカ国際布教100周年記念授戒会」に併せて行う予定でしたが、新型コロナウイルスの影響に鑑みて延期されました。

このたびの記念行事には、アメリカ国内から50名の宗侶が、日本からは宗議会議員諸老師やツアー参加者などを合わせると約60名、そして事前の準備から力を貸してくださった日本からの青年宗侶八名など多くの方々が随喜されました。そして、禅宗寺はもとより管内寺院・禅センターの檀信徒・メンバーも多く参列されました。

北アメリカ国際布教物故者諷経 深川典雄教化部長

5月27日には、「両大本山北米別院100周年記念碑除幕式」が長野県広澤寺前住職小笠原隆元師によって行われました。この記念碑建立は禅宗寺創立100周年記念事業の1つで、禅宗寺の歴代の開教師・国際布教師54名の氏名が刻まれています。この記念碑を通して多くの人々が禅宗寺の歴史に触れる契機となると存じます。

夜には約400名が参加し記念晩餐会が開催されました。石附周行管長猊下、服部秀世宗務総長、小林昌道大本山永平寺監院より祝辞をいただいた後、禅宗寺のメンバーによる乾杯の発声にて祝宴が開かれました。途中、禅宗寺100年の歴史をまとめたスライドが上映され、禅宗寺の太鼓グループ禅太鼓ぜんでこの演奏が晩餐会に花を添えました。

翌28日は、はじめに北アメリカ国際布教物故者諷経が深川典雄教化部長により勤められ、北アメリカの国際布教に携われた諸老師方が手厚く供養されました。

開山歴住諷経 小林昌道永平寺監院

次に、両大本山北米別院禅宗寺開山歴住諷経が小林昌道大本山永平寺監院によって勤められ、ご開山である磯部峰仙師をはじめ歴代の国際布教師のご遺徳を偲び法要が厳修されました。

そして、石附周行曹洞宗管長猊下を導師としてお迎えし、北アメリカ国際布教100周年記念慶讃法要が執り行われました。曹洞宗の北アメリカにおける国際布教100周年に相応しく、北アメリカのみならず、日本をはじめ、ハワイ、南アメリカやヨーロッパからも宗侶が随喜され、厳かに勤められました。

法要後には北アメリカ国際布教師として永年にわたり国際布教の発展に多大なる貢献をされた国際布教師に表彰状が、禅宗寺の功労者には寺門の興隆に尽くされた功績に対して感謝状が石附管長猊下より贈られました。また、100周年記念として国際布教師に絡子が贈られました。

慶讃法要 石附管長猊下

また、管長猊下は御垂示で法語で述べられた「捧身開教百余年 為法挑難道念堅 慶讃心香初夏畔 徳光普照洞門禅」に触れ、

「この100年の間に立派な両大本山の別院としての禅宗寺が建てられ、多くのご信心の皆さま、正伝の仏法、坐禅を求めていらっしゃる皆さまに触れることができて大変光栄に思います。
 これから先も、100年から今度は200年、300年と普く今までのご苦労を報われるよう相努めて、只管打坐、即心是仏の御教えを、みな一生懸命に心を落ち着けて坐禅し、自分もちゃんと仏さまの心をいただいていると、これに出会うように、この確信をいただけるように相努めてまいりたいと念じて申し上げました。」

と述べられ、来年の太祖瑩山禅師の700回の正当に是非ご焼香いただきたいと呼びかけられました。

御垂示

最後に両大本山北米別院禅宗寺・管内寺院・禅センター檀信徒施食会が、ゴッドウィン建仁曹洞宗国際センター所長の導師により勤められました。禅宗寺の檀信徒や北アメリカの寺院・禅センター有縁の故人の方々の戒名や名前が記された用紙が、本堂の天井に飾られた色とりどりの「禅羽鶴ぜんばづる」と名付けられた折り鶴に掛けられました。参列者は焼香して手をあわせ、亡き人の安らかなることを祈りました。

禅宗寺本堂前で記念撮影、禅宗寺社交室での昼餐会をもって、100周年記念行事は無事円成いたしました。

この100年の間、歴史の荒波を乗り越え、歴代の開教師・国際布教師の道心、檀信徒の信心の力により、また日本をはじめとする世界中からのご法愛によって国際布教は発展してまいりました。先人の皆さまへの感謝の念は尽きることはありません。

禅宗寺が北アメリカ曹洞禅の淵源として北アメリカの大地に只管打坐、即身是仏、禅戒一如、修証不二の禅が広がりました。これからの100年、北アメリカの曹洞禅が現地の宗侶各師の弄精魂によって益々敷衍されることを祈念し、本行事の報告といたします。

北アメリカ国際布教総監部記