【International】ヨーロッパ国際布教総監部管内行事報告/フランス共和国・観照寺創立20周年記念行事/スイス連邦共和国・光雪寺結制行持

2023.08.03
フランス 観照寺

パリから約400キロ離れた、フランスの南西部、焼き物で有名なリモージュ近郊の農村地域に観照寺は位置しています。周りは樹々で囲まれ、すぐそばには穏やかなヴァルーズ川や広大なバルド池がひかえる静寂なところです。6月の緑と鮮やかな花の色に包まれながら、2日間にわたって創立20周年の記念行事が開催されました。

啓建歎仏会

まず、6月10日の午後から映像資料によって20年間のお寺の歩みを振り返りました。そのうえで各地から集まった国際布教師、宗侶や僧伽の信奉者による慶讃スピーチが行われ、峯岸正典ヨーロッパ国際布教総監も祝意を述べました。夕刻が近づくとイタリア、サルソマジョーレ、普伝寺一行がお祝いの和太鼓パフォーマンスをにぎやかに披露しました。引き続き信者さんたちの奏でる音色に浸りながら、ヨーロッパ特有の、軽食と飲み物が用意された歓談の時間“アペリティフ”を経て、野外テントを使用した晩餐会が始まります。翌11日は暁天朝課、小食の後、慶讃法要として午前10時30分よりフランス語による啓建歎仏会が厳修されました。導師は2021年に退董した前住持、フォーレ泰雲国際布教師が務めました。11時より世界平和を祈る転読大般若法要が現住持、セママ峰雪国際布教師によって執り行われました。二世代にわたる住持が導師をお務めになり、観照寺の20年という歴史の深さがにじみ出る厳かで慶びに満ちた法要となりました。導師の入退堂の際にはイギリスから来た信奉者を中心に詠讃歌も奉詠され、曹洞宗が欧州に根付いて行く一面を垣間見せてくれるようでした。

坐禅堂

長い間、布教教化と僧侶育成などの責任を担ってきたフォーレ泰雲国際布教師は、ヨーロッパの地で初めて仏祖正伝の坐禅を弘めようとされた故弟子丸泰仙師の下で修行を始め、弟子丸師遷化後は、現大本山永平寺貫首南澤道人禅師に師事することとなりました。ヨーロッパでの弘法救生のため、特に次世代の教師育成のために伝統的な寺院の創設を目指し、2003年、観照寺を建立されました。日々、坐禅、諷経、作務や法益など、仏祖伝来の行持が務められています。観照寺は、常住の修行者も多い僧堂形式の寺院であり、日分の行持を通した弁道に重きがおかれ、日常底のなかで常に仏道を歩むことが目指されています。

今回は僧侶、在家者を含め150名以上の参加がありました。なかにはフランス国外、スイスやイタリア等、遠方から祝福に駆けつけた方がたも見受けられ、観照寺が20年の年月をかけて育んできた仏法の種が花開いた様子をうかがい知ることができました。

創立20周年記念行事 集合写真

その翌週6月17・18日には、スイス連邦共和国に所在する光雪寺において首座法戦式が務められました。

配役・本則行茶では助化師の峯岸総監により、本則『達磨廓然』の提唱が行われました。首座和尚はじめ、すべての面々が真剣な眼差しで聞き入っていました。法戦式では、受業師のメルシェ黙峰国際布教師を筆頭に大勢の参列者が見守るなか、カナダ出身で、普段はイギリスで生活している首座、法星師が、習儀に習儀を重ねた首座進退を丁寧に行い、首座の任を全ういたしました。その後に行われた昼餐会では、緊張から解き放たれた法星師が参加者への感謝を述べる姿がとても印象的でした。

スイス 光雪寺

光雪寺の住持であるウルフ慈光国際布教師はスイスのとある街の一角に貼られていた故弟子丸師のポスターを見て、弟子丸師がおられたパリの道場に赴き、坐禅をはじめられました。その後、弟子丸師が本拠地とされたフランスのブロアに所在する禅道尼苑で弁道を続けられました。時を経て、スイスに戻った慈光師は、弟子丸師が遷化した同年1982年に、スイス有数の時計の生産地で、世界遺産にも指定されている街、ラ・ショー・ド・フォンの中心部に枯木堂を設立されました。2004年には、岡本有光師より法を嗣ぎます。

首座法戦式

その後、2009年に枯木堂から少し山沿いにある緑あふれるセルヌーペキーニョに緑蔭山光雪寺を建立されました。お寺の名前のとおり、雪の季節になるとあたりは白銀の世界に覆われ、夏には、緑豊かな草原が広がり、さわやかな風の吹く風光明媚なところです。この2ヵ寺の住持として、またローマや各地に広がるお弟子さんたちのために、寧日、宗侶や信奉者のための伝統に則した修行を指導されています。

光雪寺結制 集合写真

ヨーロッパの地に曹洞禅が広がってから約57年の月日を経て、今もなお各地においてその法灯が引き継がれ、伝統に則った修行が行われております。ヨーロッパ国際布教総監部管内における昨年度の新規僧籍登録者数は、35名。そして、毎年10名以上の宗侶が日本への安居を希望しており、仏道を歩む強く熱い思いが伝わります。

観照寺創立20周年記念行事と光雪寺における結制行持も現地宗侶と信奉者が共に手を取り合い無事円成いたしました。今後のヨーロッパにおける仏祖の坐禅のさらなる発展、正法興隆を祈念して、当総監部管内の行事報告といたします。

ヨーロッパ国際布教総監部 記