【人権フォーラム】人権学習アンケートについて ―排除なき宗門を目指して―
2026(令和8)年度教区人権学習会について本年度の教区人権学習会は、『基礎テキスト「人権」』第3章「部落差別問題」をテーマとして実施をお願いいたします。
歴史を振り返ることは、現在を見つめ直す第一歩です。近現代の礎となった明治期以降の社会構造の変化とともに、現代へと続く差別の在り方を体系的に理解することを目指します。
2つの視聴覚教材とその特色
本年度は、基礎テキスト第3章の理解を深めることができるよう、2種類の視聴覚教材を作成いたしました。教区の実情や参加者の状況に応じて、いずれか、あるいは両方を選択してご活用ください。基本はオンラインでの視聴を想定しておりますが、インターネット環境がない会場での実施については、宗務所にて視聴覚教材(DVD)の貸出しも行っておりますので、事前に宗務所へお問い合わせください。動画の詳細は次のとおりです。
①『水平社から考える部落差別』(約35分)
水平社博物館学芸員の佐々木健太郎さんに日本初の人権宣言とされる「水平社宣言」についてインタビューした映像です。宣言の背景や思想を、当事者の視点を踏まえながら解説していただいております。 映像の後半では、「差別された人を前にしたとき、自分はどこに立つのか」という問いが投げかけられます。
部落差別問題を過去の出来事として学ぶのではなく、現在を生きる私たち自身の姿勢として考える契機となる内容です。
②『部落差別から見る現代社会』(約30分)
静岡大学名誉教授の黒川みどりさんに、ご専門の近代史の視点から部落差別の歴史的プロセスをインタビューした映像です。差別がどのように社会制度や価値観と結びついてきたのかを解説していただいております。いわゆる「寝た子を起こすな」といった考え方がどのように受け止められてきたのかを検討し、歴史を事実の積み重ねとして理解することの重要性や、現代社会の課題を考えるための視座を与える内容です。
2つの映像は、それぞれ異なる角度から基礎テキスト第3章の内容を補完するものです。映像の問いを手がかりに、参加者同士で意見を交わし、理解を深めていただければ幸いです。
学習の形態と構成
本年度の学習会実施の一例として、おおよそ60分で行う学習会の流れをご紹介いたします。
①開会・趣旨説明(約5分)
②視聴覚教材の視聴(約35分)
③意見交換・振り返り(約10分)
④振り返りアンケート入力(約10分)
昨年度より導入したこの形式を基本とし、学習直後に振り返りの時間を設けることで、学びを一過性のものとせず、それぞれの理解を整理することを目的としています。
学習アンケートについて
昨年度のアンケートでは、多くの貴重なご意見をいただき、教区人権学習の参加者についての基礎的な情報を得ることができました。しかしながら、「回答に時間がかかる」「機器操作ができない」といった声も寄せられ、アンケートに答えることが難しい方が確実におられます。
先月の人権フォーラムでお伝えしたように、アンケート結果は学習内容や手法を判断していくための基盤となる情報です。データに基づく判断をしようとしたとき、そのデータに反映されない意見は無視されてしまいます。
つまり、アンケートへの回答は、一種の意見表明ともいえます。情報格差や回答者の環境によって、曹洞宗に対する意見表明の場から排除されるようなことがあってはなりません。皆さまのご協力をお願いいたします。
これらを踏まえ、本年度はアンケートの設問構成を簡素にし、回答時間は一〇分程度を想定したものを作成しました。また、今回のアンケートは学習の振り返りと自己確認を目的とするものです。学習の一環として取り組んでいただけるように設計しております。
なお、当然ではありますが、アンケートは個人を特定したり成績や能力を評価したりする目的はありません。結果の公開は宗務所単位を基本とし、教区に限定した結果を公開することはありません。個人情報保護については法令や宗内の定めを遵守し、厳正に管理いたします。
また、印刷用のアンケート用紙もございます。学習会においては、紙にご記入いただいた後、参加者の方々にオンラインフォームへ代理入力していただくことを想定しています。
代理入力は強制のものではありませんが、これまでの差別解消の取り組みと同様、今のご自身にできる実践をお願いいたします。なお、個人情報保護の観点から、入力後の回答用紙は速やかに破棄してください。
寄せられたご意見を基に、学習の在り方やアンケートの方法を改善し、参加者の声が次世代へとつながっていく仕組みを今後も大切にしてまいります。
おわりに
部落差別問題は、曹洞宗の歴史とも深く関わる重要な課題です。本年度は、『基礎テキスト「人権」』第三章を軸に、歴史と現在を往還しながら学びを深める年となります。
水平社宣言の「熱と光」の精神が問いかけるものを、現代においてどのように受け止め直すことができるのか。映像に示された問いを手がかりに、共に考える機会としていただければ幸いです。
皆さまのご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。※曹洞禅ネット寺院専用サイトより印刷用アンケートをダウンロードいただけます。
人権擁護推進本部 記



